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自分の気持ちを言葉にして少し落ち着いて来たところで、隣のおばさんや向かいのおじいちゃんなど近所の人達が次々とやってきて声をかけてくれた。
差し入れのお菓子やお花を受け取りながら、お礼を言い、私は大丈夫だったと説明する。
午前中の事故だったので昼過ぎには狭い街に話は広がり、私が車で病院に向かったのを見た人がいたため、皆勘違いしたのだそうだ。
これはお礼が大変だわと、嬉しい予定に自然に頬が緩む。
誰かのために物を選んだり作ったりするのはとても楽しい作業だ。
それが自分への優しい気持ちへのお礼なら尚更。
ひと通りの訪問ラッシュが落ち着き、ユユラさんと双子も帰った後、部屋の片付けをしているとミイちゃんが帰ってきた。
「ミイちゃん、今日は遅かったね。どこ行ってきたの?」
「ただいま〜。
ちょっとマリのところに帰ってたの。
キヨコ、今日は大変だったみたいだけど、なんだかスッキリした顔してるね!」
「うん。ちょっとずつこの世界の住人だって自覚が出てきた気がする。
ミイちゃんがいて、みんながいて、すごく支えてもらってるなって、幸せだなって実感したの。
いつもありがとうね。」
「キヨコが幸せならよかった。」
ミイちゃんは私の顔をペロンとひと舐めした。
ギュッとミイちゃんの首に手を伸ばして抱きしめるとお尻の辺りの毛がモゾモゾと動いているのが目に入った。
「!!??ミイちゃん、なんかくっついてきてるよ!」
虫は苦手なので戦々恐々とミイちゃんから離れると、ミイちゃんはえへへ、と笑って体を丸め鼻先でモゾモゾ動いてる部分を突っつくと
「ピッ!」
背中から小さな青い小鳥が顔を出した。
そっと手を近づけると、小鳥はよたよたと私の掌に乗ってきた。
雀の半分くらいの大きさで全身は綺麗な空色だが、嘴と尾の先だけ白い。
羽をパタつかせてはいるが飛ぶ気配はなく、まだ子供のようだ。
「落ちてたから連れてきちゃった〜」
ミイちゃんは尻尾を揺らしながら得意げに、小鳥の乗った私の手に鼻先を押し付けてくる。
「いや、かわいいよ?
すごい可愛いけど小鳥の世話とかしたことないよ〜!」
焦る私に小鳥は黒いつぶらな目を瞬かせながら右は左へ首を傾げていた。
グーグ◯先生、助けて〜。
この世界に来て最もインターネットを欲した瞬間だった。




