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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第10話 記憶の魔女たち③

 ジャンヌは魔女を追いかけていた。

 魔女たちは高く飛んで逃げている。

「飛べない聖女はバカー」

「追いつけない聖女は短足ー」

魔女たちは笑いながらさらに奥へと進む。

「この!」

 少しイラ立ちしながらジャンヌは白い炎の刃を飛ばすが、魔女は素早くかわされる。

魔女たちはあざ笑っていく。

「たく!」

 魔女を追いかけている内に広間に出た。

 広間を中心にいくつかの通路がある。

 ここで魔女が別れてしまってはたまったものではない。

 今すぐにたたく。

 その時だった。

 向こうの通路から足音がした。その正体は、アキセ・リーガンだった。

「ジャンヌ!」

 アキセが驚いている。

――こっちも驚くわよ

「なんであんたも・・・」

 轟音がした。

「何!?」

 狭い通路が破壊され、現れたのは、禍々しい巨大な生き物だった。

 天井につくまでの大きさ。頭には髪の毛が所々生えている。巨大な目。ナメクジのような紫色の体で血管が浮かんでいる。体中にある気泡が割るたびに異臭を放つ。崩れた口に刻んだ歯の長さが乱れ、口から歯がはみ出る。上半身が巨大なせいが小さい足が引きずっている。

「なんでこんなのが・・・」

 異獣(エヴォル)。いや。魔力が宿っている。魔族(アビス)か。見た目からして該当するものがない。何かを合成したのと違う。おそらく急性の魔族(アビス)化。

 慢性なら徐々に『呪い』への抗体ができる。しかし急性では『呪い』に抗体が老いつかず、死に至るか魔族(アビス)化へと進行する。魔族(アビス)化の場合、理性を失い狂暴性が高まる。

妙に人間のような跡が残っている。魔族(アビス)は人間だっただろうか。

もしかして、あの実験をしていたのは。

「「何あれーキモー」」

 ノノエとナナエがハモる。

「あんなの相手しなくないね。ノノエ」

「そうだね。ナナエ」

 魔女たちは見つめ合ってから、「「じゃあ・・・逃げよう!」」とノノエとナナエは追いかけてきた道に戻る。

「あ!こら!」

 ジャンヌは声を上げる。

「あの魔女どもか!」

 アキセが歯を噛み締める。

 今までに見たことがなく、怒っている。

 アキセはジャンヌを無視して魔女を追いかける。

「おい!」

 追いかけようとしたが、巨大な液体の塊が襲ってくる。ジャンヌは咄嗟に白い炎に包み、液体を浄化させる。

「ちょっと邪魔しないでよ!」

 魔族(アビス)は、魔女ほど苦戦はしないが、さっさと終わらせる。

 ロザリオに纏った白い炎の波を放つ。

 魔族(アビス)は避けることなく、真っ二つになり、体が白い炎に包まれる。

「これで楽になったでしょ」

 いつまでも分からないまま暴れるのも疲れるでしょ。

 魔族は、黒く焼け焦げた。

 さて、あと残るのは。


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