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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第10話 記憶の魔女たち①

 アキセは森の中で考えていた。

 パウロと名乗っていたブルーノは誰かに殺された。

 あの手を見るまで忘れていた。名前を変えて商売していたとは。しかもあの手を使って。

 あの男にはこの手で殺したかった。今でも怒りがこみあげてくる。

「久しぶり~」

 唐突に現れた風鳴(かざなり)の魔女ウィム・シルフだったが、無視して行く。

 相手する気もない。

「ちょっと無視しないでよ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ。ねえ」

「なんだ!」

 あまりにもウィムがしつこかったので、切れ気味に言う。

「何、怒鳴るのよ」

 ウィムが不貞腐れる。

「おまえがしつこいからだ!」

「パウロを殺した相手を気にしているの」

――こいつ

「それはどこ情報だ?」

「私は風の魔女よ。風が吹けば、知らないことはないのよ」

 イタズラな笑みをするウィム。

「そうか。タダで教える気がないだろう」

「どうしようかな。この後少し付き合ってくれたら考えてもいいわよ」

 ウィムはあざとく答える。

「魔女と付き合い切れるか」

 知りたいところだか、魔女とまともに相手できない。

 面倒だから、『飛ばしコイン』を使って逃げようと手元に召喚したが、いつの間にか消える。

「あれ?」

「もらうね」

 ウィムの手にはコインを持っていた。

「おい!」

 『飛ばしコイン』を奪い取ろうとしたが。

「おいで~」

 ウィムが声をかけた途端に正体を確認せずに顔に衝撃が入る。



 あれからアキセとは会っていない。

 それはそれで平和なので、もう気にしないことにした。

 このままのんびりといこう。

「こんなところにいた」

 ウィムがいた。

 無視する。一気に気分が下がった。

「何よ。彼氏と同じ反応しちゃって」

 アキセに会ったのか。けど気にしない。

「ねえねえ。いいところ連れてって上げる」

 それでも無視をする

「本当につれない」

 パチッと何かを飛ばした音がした途端に景色が変わった。

 気が付けば、どこかの建物の中にいるようだ。

「どこよ。ここ」

 魔女の力では、『光』によって浄化される。どうやって飛ばしただろうか。

 ジャンヌは、長い廊下にいた。

 白衣を着た人が歩いていた。ぶつかりそうになるが、透き通ってしまった。

「幻?」

 ウィムの呪力ではない。別の魔女の仕業。幻を使う魔女だろうか。

 幻が触れても消えない。だとしたら、誰かの『タタリ』か空間の中かもしれない。ウィムがここまで連れてきたとしたら。

 ウィムの目的を考えようとした時だった。

「リカルド」

 女の声がした。

 リカルド?

「ローラか」

 茶色の男が答える。

「これからどこに?」

「材料が届いた。それを見に」

「私も行く」

 リカルドとローラは一緒に歩いていった。

 以前と会ったリカルドとは別人だろう。見た目と違う。同じ名前をつけられることはよくあること。

急に景色が変わる。

建物が暗かった。

奥の部屋から声がした。

 声をした方へ行けば、広い部屋に白衣を着た人が集まっていた。部屋の中央に大きい陣が刻んでいる。その上に両腕を失っている者が倒れている。体を反対に向いているため、顔を認識できない。

「賢者様」

 白衣の男が話しかける。

 賢者様は、年取った老人だった。

 確か賢者は、魔術師の中でも最高位に当たる。

「準備ができました」

「早速、取り掛かれ」

 賢者の視線が陣に向いている。

「もう君への実験はこれで最後だ。最後くらいいい結果を見せ給え。リカルド」

 リカルドとは先ほどローラと話していた男だろうか。どういうことだろう。

 そして、陣が光り、実験が始まった。


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