表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/155

第2話 女の国 前半④

 夜になってしまった。

 アキセは、指輪探しに途方に暮れていた。

「おいおい・・・どこにいったんだ・・・」

 指輪と契約しているため、居場所を感じ取れるが、なぜか見つからない。

しかもなぜかこの国の女は、誘惑が効かない。女を利用して探すこともできない。仕方なく女装する羽目になった。

探している内に人気のない裏路地で歩いていた。疲れ切った時に鈴の音が鳴った。

「鈴?」

 上からキラッと何かが輝いたものが落ち、チャリーンと音がした。下を向けば、目的の指輪だった。

「おお~」

 すぐさま指輪を拾い、指にはめる。

「会いたかったぜぇ~指輪ちゃん~」

 嬉しさのあまりに一回転する。

 ふと顔を上げると角からフードをかぶった者が現れた。体型からしておそらく女。フードをかぶっているため、顔は見えない。ただその女から『呪い』がじんわり溢れていた。

 あの女は魔女だということに。

 魔女はアキセに気付いたのか、迫ってくる。

「こいつ」

 アキセは、召喚した銃を構える。



 一夜明けた。

 男は一人だけとり逃したらしい。おそらくジャンヌと会った男だろう。男の捜索は、他の部隊に任せることになった。

 ジャンヌとアガタは、女王の護衛に専念してほしいと言われたので、講演会の裏で待機していた。

 この国の野外劇場で講演会を開くことになっている。

 舞台を中心に囲むように客席が3階立てになっている。客席の中央には屋根がない。円形劇場だった。どの階でも住民たちが立ち見で見ていた。それなりに住民たちも支持を得ているのだろう。

 クレア女王は舞台の上では国の政策や結果報告と講演している。その周りに鎧を着た騎士がクレア女王を囲むように警備している。

 内容を訊くよりもジャンヌは考え込んでいた。

「ジャンヌ。昨日のこと気になるのか」

 アガタが話しかけてきた。

「まあ少し。男たちがどうやって逃げたのも気になりましたけど」

「突然壁が空いたから逃げたって話でしょ」

 ただの人間が石壁を空けられる力はない。魔術を使わない限り、脱出などできない。その証拠に脱走した男は一人を除いて確保ができた。もう一人協力者がいる。

「それもありますけど・・・」

「ジャンヌから逃げた男の方か」

「単に救済がほしいのかと思いましたけど。この国は宗教にそこまで信仰していないし。他に助けに来るとしたら・・・」

「確かに気になるけどね」

 アガタは視線を変えたとたんにやっと笑う。

「その話はここまで。ちょっとここを頼むよ」

「え?急に!」

「すぐに戻る」

 振りかえもせず、手を振って去っていった。

 アガタが見た視線を確認したら、女性しかいない観客しかなかった。



「遅いな。アガタさん」

 あれから30分くらいは時間が立っていたが、アガタは戻る気配はなかった。講演会はまだ終わらない。少しくたびれた時だった。

「お疲れ様です」

 アガタと思われたが、声をかけてきたのは、クレア女王の秘書をしているサッフォーだった。

「もう一人の方は?」

「見回りに行っています」

 だと思いたい。本当にどこに行ったのやら。

「仕事熱心で助かります」

 サッフォーは安心したような笑顔で返す。

「お聞きしたいことがありますが、よろしいですか」

「私でよければ」

「どのくらい務めているんですか」

「クレア様が就くよりずっと前から務めております。もう今年で10年目になると思います」

 10年も務めていれば、何か知っているかもしれない。

「じゃあ、この噂訊いてます?魔女の頭の話?」

「確かにその噂を訊いたことがあります。この国は誘拐事件が多発しているのは、ご存知でしょうか」

「ええ」

 アガタから聞いた。

「特にここ最近は首がなくて帰ってくる。それになぞってそのような噂ができたのでしょう」

 この国に魔女の頭がないということだろうか。

 ジャンヌが考えこんだ時だった。

 唐突に轟音がした。

 舞台の方だった。ジャンヌは急いで駆け付ける。クレア女王は舞台の隅で騎士に守られている。無事のようだ。

「くそ・・・」

 とても聞いたことのある声で肩が重くなった。その正体が女装したアキセだったからだ。

 アキセは周囲を確認する。

 妙な沈黙がした。

「・・・ヤバ」

「犯人確保おおおおおおおおおおおおおおお!」

 ジャンヌは、すかさずアキセを抑える。地面に体を伏せ、右腕を背中に回し、動きを封じる。

「イテテテて。待った待った!」

「おまえには死刑が待っている」

「何勝手に処罰を決めるんだ!」

 必死に暴れるアキセをジャンヌは抑える中。

「ちょっと。ジャンヌ。何をやってるんだ」

 いつの間にか帰ってきたアガタが呆れたように言う。

「アガタさん!こいつ犯人です!今すぐ逮捕しましょう!そして死刑にしてこの世の中を救いましょう!」

「何いってるんだ?そこのゲデものに一体何されたんだよ」

「つーか!聖女なら仕事をしろ!さっきまで魔女から逃げてきたんだからな!」

「は?」

 ジャンヌが首をかしげた瞬間だった。

 後ろからまたもや轟音がした。振り返れば、フードをかぶり、黒い服を着た女だった。その女から『呪い』が溢れていた。

「魔女だ!」

 観客たちは慌てふためく。

「なんで魔女を連れてくるのよ!」

「俺はただ逃げていただけだ!」

 ジャンヌは舌打ちをし、アキセに一発殴り、気絶させる。逃がさないために。

「こんなところで」

 ジャンヌはロザリオを取り出す。

 派手な戦闘ができない。一般人が巻き込まれる。

 アガタも腰にある半径のリングに手をつける。

「とりあえず、魔女をこの舞台から離すよ」

「了解」

 ジャンヌもロザリオに光の刃を作る。魔女は黒いモヤを広げ、姿を隠す。

 ジャンヌがロザリオを振ろうとした時だった。

 魔女は別の方向に出た。逃げるわけではなく、クレア女王に向かっていた。

「ち・・・」

 クレア女王をガードしていた騎士たちが前に出るが、魔女から出した黒いモヤに飲み込まれる。

 魔女はクレア女王に向かって飛ぶが、クレア女王はもう一人の騎士が一緒に横へ跳ぶ。魔女は舞台の奥へと突っ込んだ。

「ジャンヌ!女王を!」

 アガタは魔女の元へいく。

「ちょっと。大丈夫?」

 ジャンヌは、クレア女王の元へ駆けつける。

「はい・・・」

 クレア女王は返事をするが、視線は、助けてくれた騎士に向く。

「あなた?大丈夫ですか?」

 騎士は体を起こす時、兜が落ちる。

「あなたは・・・」

 兜の下は、男だった。

「ねえ、あれ見てよ」

「男よ」

「穢わらしい」

 観客にいた女たちが、魔女が逃げたよりも男が出現した方に叫びが高まっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ