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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第2話 女の国 前半②

「いつから来たんですか?」

 ジト目で言う。

「さっき来たばっかだよ」

 アガタが近づいてくる。

「よくその格好でこの国に入りましたね」

 呆れて言う。

 男性入国禁止であるこの国で女でも男装していれば、門で確実に引っかかる。

「ちゃんと手続き済ましてから入ったけど」

「本当ですか?」

 口説かせたに違いないと勝手な想像をする。

「え?もしかして・・・おまえの仲間?」

 アキセがアガタを指さして言う。

「状況見て察してくれない」と冷たく返す。

「いや~これで聖女とは認めたくないというか・・・」

「女装しているリリムにあれこれ言われたくないんだけど」

 アガタが目の前にまで近づく。

「一瞬で見破った・・・」

 一瞬でアキセの正体を見破るとは。

「こういうの敏感でね。前にタチの悪いリリムを懲らしめたんだよね」

 アガタは勘がいい。特に性に関してはとても鋭い。

 それにアガタには。

「すみません。忘れていました。女好きってことに。もしかしたらそこのリリムと話合うんじゃないんですか」

「ん~ジャンヌ。女性を騙すリリムと一緒にしないでくれる」

 笑顔かつ恐喝に返す。

 リリムは、リリスの血が引いているのか、淫魔と似た体質を持つ。

「事実じゃないですか」

「僕は、ちゃんと一人一人の女性を紳士に話しているだけだよ」

「で、そのまま一緒に夜過ごしているんじゃないですか」

「それで喜んでくれるからだよ。喜んでくれれば僕も幸せだ」

「だからって、他の聖女まで手を出しますか」

 男に縁がない聖女が多いのか、アガタに好かれている聖女も少なくない。それに修行時代に夜に襲われそうになった。

 ちなみに天光の聖女イヴや月光の聖女マリアにも手を出そうとしたこともあったらしい。

「聖女のくせにやるな」

「褒めるな!」

 ジャンヌはアキセに声を上げる。

「仲良くしましょう。アガタさん。そして聖女の口説きを伝授してください」

 仲間ができたと思ったのかアキセは手を出すが、アガタはパンチで返す。アキセの顔の横を通り、壁にめり込む。

「だから、君と一緒にしないでくれる」

 アガタは笑顔に怒りが込めていた。

「君のような女性を弄ぶケダモノが大嫌いなんだ。絶滅させたいほどにね。まあ、君がそんなに僕の口説き術を教わりたいのなら、股の余計な部分を引きちぎってから夜にご丁寧に教えてやるよ」

 アガタに圧倒したのが、アキセが腰を抜かした。

「・・・ほんとに・・・聖女?」

「紳士的な聖女だよ」

 冷や汗をかくアキセに対して、アガタは答える。

「それにどさくさに紛れてジャンヌも逃げるんじゃない!」

 ジャンヌは、アキセに脅迫の最中に逃げようとしたが、思惑に気付かれてしまった。

「ジャンヌ。こっちにきなさい」

「・・・はい」

 逃げられなかった。



 アキセを追いはらい、アガタに人気のない場所へ連れられた。

 アガタに脅されたのが効いたのか、アキセは怖がってついてこない。

 一人で勝手に探索して、女にばれて、監獄に閉じ込めればいいと願いたい。

「さて、これで二人きりだ。ジャンヌ。魔族(アビス)と組むなら相手をちゃんと選びな。特に淫魔とかリリムはけっこう変質なやつらが多いから」

「じゃあ、アガタさんは、淫魔の女だったらどうしているんですか」

「紳士に対応して惚れさせるよ」

「さすがアガタさーん。そういうところ尊敬します」

 大げさに言った。

「からかうんじゃないの。あとこの間のナリカケの件」

「う」

 さくらんの魔女セイラム・ハバ―トがよきの魔女リリス・ライラ・ウィッチャーを殺すためにナリカケを作った事件。

ジャンヌがリリスに襲われそうになった時、駆け付けたのがアガタだった。

「僕が行かなかったら、どうなっていたことやら」

「あの時のことは感謝します」

 素直に言う。あの時は本当に危なかった。アガタには感謝するが、あまり口には出したくない。

「確かに間に合わなかった僕も悪いけど、もう少し慎重に動いてほしいな」

「敵は待ってくれませんでした」

「言い訳はしない。少しはチームプレイを覚えなさい」

「状況によります」

 アガタは溜息を吐く。

「あとでイヴ様にジャンヌとのペアに検討してもらおうかな」

――それは全力で阻止しなければ

 アガタと組んでは、これまでの自由が奪われ、ストレスが溜まってしまう。

「さていい加減本題に入りますか」

 アガタは改めて言う。

「久しぶりに会えたことだし。僕の仕事を手伝ってほしいと思ってね」

 予想通りで驚かない。

「私、休暇で来ているのに。強制ですか」

「そんな言い方するなよ。先輩命令だ」

 強制と変わらない。仕方なく「へーい」とやる気のない返事する。

 アガタは肩を竦める。

「噂を訊いてないか」

「噂?」

「この国に魔女の頭を持っているらしい」

「それ、本当ですか?」

 魔女の一部を保留するほどこの国に高い技術や魔術を持ち合わせていない。

「まだ検討中だけど、それにこの国で誘拐事件が起きているんだ。特にここ最近の被害者が頭を失くして発見されるんだ」

「魔女が頭を探し回っているってことですか」

「だろうね」

「ん?ここ最近?以前にも誘拐事件は起きているんですか」

「らしいね。この国で誘拐事件が多発しているって。物騒だよな」

 この世の中は物騒の塊だと思いますが。

「で、探し回るのも時間かかるし、手っ取り早い方法で行く」

「それって・・・」

「魔女の頭を隠すとしたら、一般人の手に余るし。それなりに権力があるところじゃないと隠せないよね」

その発言で嫌な予感がした。

「まさかとは思いますけど・・・」

「そう。これからこの国の女王に会う」


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