表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/155

第6話 ナリカケ 後半③

 レオンは森から抜け、丘の上で精霊術を詩っていた。

 手を空に向け、風を集めている。手の中には白い曲線を描きながら、白い球体を作る。風の精霊を詩で風を集めるように命令するが、『呪い』で風の精霊は少なく、時間がかかっている。

 レオンは詩いながら今になっても後悔している。なんでこんなことになったんだ。どう考えてもこれは巻き込まれた。本当なら逃げ出したい。だか、なぜか狙われているし、敵に認識されている。一人になっても逃げ出せるか自信がなく、捕まっても絶対にろくなことはない。悔やみながら考えた時だった。

「くそ、ここにいないのか!」

 怒鳴る声がした。

 視線を向けば、片目に包帯を巻いたタンガが現れた。

「この際、もういい!おまえを使おうとしたが、計画を潰されては俺も困る」

 タンガはレオンに近づいてくる。

「殺してやる・・・」

 今、風の精霊を集めるのに集中しているため、攻撃にする余裕がない。

 タンガは、レオンの元に少しずつ歩き出した時だった。

 タンガが急に横に飛んだと思ったら、火の球が向かってくる。そのまま、真っすぐにレオンに飛んでくる。

 おい、来るなと思ったが、風の精霊が火の球を弾く。

「ち!外したか」

 声の正体を理解し、レオンはにらみつける。

「おい、なんだよ。その目つきは?助けに来たのによ」

 銃を持ったアキセ・リーガンだった。

「おまえみたいな性別不明よりもジャンヌを助けに行きたいところなんだぜ」

 アキセはタンガに視線を変え、銃を向ける。

「なんだ。死んでなかったか・・・」

 アキセは冷たい眼差しを向ける。

 タンガはアキセににらみ返すが、急に笑う。

「ハハハハハ。やっと、これであの時の恨みを晴らしてやる・・・」

 タンガの体が変化していた。

「あ~思い出した。おまえ、虫の血が流れていたな」

 虫の目に口。長い触角。6本の腕。筋肉質な体。

「貴様が魔力を奪ったおかけで、この体にならなければいけないのが許さん!」

「なんだよ。似合っていると思って、おまえの魔力を奪って上げたんだぜ!」

 罵りながら、銃を打ち出す。

打ち出した弾は白く渦を巻いた球体がタンガに当たり、森の中へ遠くに飛ばす。

 おそらくレオンから遠ざけたのだろう。

「さ~て。狩りに行くか」

 狩りを楽しむ目をしたアキセは、森の中へと入っていった。



「どこにいるのかな~」

 アキセは、森の中を片手に銃をぶらつかせながら歩いていた。

 ここの森だけ違っていた。

見上げるほど木が高く空まで伸びていた。

 この森の中で隠れるとしたらと見上げれば、上からタンガが落ちてくる。

 弾を撃つが、タンガが大きく振って弾かれ、3本の拳が迫ってくる。アキセは後ろへ跳ぶ。タンガの3本の拳が地面をめり込む。距離を取ったアキセは銃で撃つ。タンガの速さで後ろへ避けられ、近くにあった大木を蹴り、アキセの元へ倒れる。目の前に大木が迫り、アキセは避けるため横に飛ぶ。避けた先でタンガが目の前にまで距離を縮み、アキセの首を掴む。

 銃を向けようとしたが、タンガが腕を掴み、腕を折られ、銃を落とす。呻き声を上げようにも首を絞められ、声を上げられない。

「やっとこれでおまえを殺せる・・・」

 タンガはアキセの首を絞めつける。

「どうだ?今の気分は?」

アキセはにやっと笑う。

「何を笑っている・・・」

「そろそろかなって・・・」

 タンガの足元が光っていた。それは、陣が発動する光だった。

「しま・・・」

 タンガはそれ以上動かなくなった。銅像のように。

 作戦は成功した。



アキセは、タンガの手をどける。

「うわ、苦しかった・・・」

 タンガの手から離れ、アキセは首をさすった。

 左手に指飾りを召喚し、骨折した腕に念力の記号を書く。

 念力の記号は、離れていても念じれば、書いたものを動かす術。骨折した右腕を動かすために書いた。

 右腕を動かすことを確認取れたあと、左用の指飾りを仕舞い、右用の指飾りを召喚する。書き慣れた指飾りで陣を書いていく。

「なぜ、動いているのかっていう顔してるな。まあ陣を書くのに時間かかるから教えてやる」

 動けなくなったタンガに話しながら、丸く描き、文字や記号を描く。

「砂陣爆弾って知っているか?砂の中に混ぜた陣が時間差で陣を描く爆弾だ。おまえに首を捕まれた時にこっそり落とした。『呪い』の濃度が高いおかげで短縮に発動できた。この術は、かけた本人には効かないような仕組みなんだ」

 指飾りで陣を徐々に完成に近づいていく。

「さ~て、君の為にとっておきの陣が完成したぜ」

複雑に描いた黒い陣は、人指し指と親指で広げれば、黒い陣は拡大し、空中の浮いたまま陣に沿って赤く染まっていく。

「なあ。今どんな気持ち?また俺にやられるって気分は?」

 タンガに訊くが、動かなくなったタンガは口を開かない。

 アキセはタンガと距離を離れ、指飾りで記号を描く。記号は地面に落とした途端光り出し、土に穴を空く。

「悔しい?憎い?殺したい?それともまたやり返すために命乞いでもする?なあどうなんだ?」

 止まってしまっているタンガに訊く。

「なん~て。おまえに訊いたってなんも価値はない」

 黒い陣が徐々に赤く染まってくる。

「どーせ。おまえは、リリスに捨てられたのに腹立って、セイラムに協力したところだろう。実に下らない理由だな。子供かよ。だからリリスに捨てられるんじゃねえのか」

 呆れたようにいう。

陣は赤く染まり、光出す。

「じゃあな。焼かれて跡形もなく死んでくれ」

 アキセは、陣で作った土の穴へしなやかに隠れる。

 赤く染まった陣は、さらに輝き出す。轟音が響き、赤い炎が広がった。



 辺りは焼野原となっていた。

 木が倒れ、所々火が小さく燃えている。あちこちにタンガの体がバラバラになっていた。

 タンガに唯一残ったのは、上半身に片腕に頭半分が焼けていた。それでも息をしている。

「なんだよ。全然残ってるんじゃねえか」

アキセはタンガに銃を向ける。

「ほんとうにしぶといな。まあリリムだし」

 タンガがにらみつける。

「お・・まえ・・・」

「もうこれ以上付き会うつもりはない。死ね」

 アキセは冷たい目線を送る。

 引き金を引く。それっきりタンガは動かなくなった。

「やっと死んだか」

 銃を仕舞う。

 その時ぴゅーと背後から音がした。どうやらレオンの精霊術が成功したようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ