表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/155

第13話 再出発②

 ジャンヌは一番に駆け寄る。

 部屋の外まで銀の血が溢れていた。

 部屋をのぞけば、部屋中が銀色に染まっていた。部屋の隅でノエルは布団を巻いて怯えていた。いまでも体中から銀の血が溢れている。

「来ないで・・・」

ノエルが怯えている。

「来ないで・・・」

ジャンヌはノエルに近づく。

「誰?」

記憶を失っている。

「私のこと覚えていないの?」

 ジルの麻酔と宝石心臓(セラフィム)に入れられていたからだろうか。

「誰ですか・・・ここはどこですか・・・」

 ノエルが体を震えている。

何もしらない場所に連れ込まれ、怖がっているのだろう。

「ここは聖女の地よ」

「聖女の地?聖女様やイヴ様やマリア様がいらっしゃるんですか?」

 教会で教わったのだろうか。

「ええ。私が天光の聖女イヴよ」

 イヴが部屋に入り、ノエルの元へ寄る。

「イヴ様・・・」

「あなたは、聖女としてジャンヌとアガタがここに連れてきたんですよ」

「私・・・本当に聖女になったんですね・・・でも」

「まだ聖女としては未熟よ。でもあなたなら扱える。そのためにジャンヌがここに連れてきたかったんでしょ」

 ん?

「ジャンヌ」

 イヴが恐喝な笑顔を見せる。その笑顔で察してしまった。

「この子の面倒を見なさい」

 やはり。

「そうね。あなたが戦闘までの面倒とは言わないわ。修行はこっちでやるから。あなたのやり方をまねされたくないから。せめて、その子がなじむまでならいいわよ」

 イヴの思惑は分かっている。

 ジャンヌを大人しくさせるための提案。

 今すぐにジルの行方を知りたいところだが、今のノエルも心配だ。不安ですぐに力が暴走する。

 考えた果て。

「分かりました・・・この子がなじむまでなら」

 ノエルが嬉しかったのか、強く抱き着く。

「よかったわね。キアラ」

「キアラ?」

 ノエルは首をかしげる。

「聖女としての新しい名前よ」

 以前の名を捨て、聖女として名をイヴやマリアから新しい名を与える。

 イヴは、ノエルにキアラと名前を与え、立ち去った。

 


 アキセは、聖女の銀の血を浴びてしまい、重傷を負っていた。皮が破れ、体中が火に溶かれていくように熱い。おまけにジルが打った弾の中に銀の水が入っているようだ。内臓からも溶かされているようで苦しい。

 ここはどこだ。窓一つもない石壁の部屋だった。

 確かラプラスが呪力を発動したまでは覚えている。その後は全く思い出せない。

 逃げ出そうにも、体中に痛みが走って動けない。

 扉が開いた。

「よかった。生きてて」

 書館の魔女ラプラス・ライプラーが見下ろす。

「あなたが噂に聞いたリリムね」

 扉から開いた本が鳥のように飛び、座り込むラプラスを椅子として支える。

「俺に・・・何の用だ・・・」

 話すだけでも痛む。

「その手を見たいだけ」

 ラプラスは答える。

「手?」

 片手は、火傷に負ったように皮がむけ、赤くなっている。

 魔力を知っている。隠してはいたが、伝説級の魔女となれば、どこかで分かってしまうのだろう。

「なんだ・・・伝説級の魔女に・・・手厚い看病してくれないのかよ」

「何期待しているのかしら。頭の中は性欲しか回らないのもリリスの血が濃い証拠ね」

 その時だった。

「ラプラス!こんなところにいた!」

 以前にもあったラプラスの名を語った魔女のルシア・ファンタジアだ。

「あ!確か、ジャンヌとか一緒にいた奴でしょ」

 ルシアは、アキセに指を指して言う。

「何?拷問?」

「なんでそう思うの」

 ラプラスが睨みつける。

「ごめんなさーい」とルシアは素直に謝る。

「私の部屋を汚したくなかったから、この部屋に置いたの」

「ふ~ん」

 興味なさそうに返すルシア。

「そのリリムどうするの?」

 ルシアが尋ねる。聞きたくないことを。

「もう用事終わった」

 いやな予感がした。

「私を失望させないで」

 ラプラスが指を鳴らす。

 その意味を聞こうにも穴が開き、底へ落とされる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ