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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク  作者: 白崎詩葉
第2章

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第12話 銀の街 後半 ④

 部屋にカリーナと一緒にいる。カリーナと一緒にいるだけで少しだけ安心できた。

 今日は眠れるかもしれない。

 その時、物音がした。擦れる音。何かを引きずる音、水が落ちる音がした。

「何の音?」

 カリーナも起きた。

 その音は段々と大きくなった。

「近づいている?」

 急に音が止んだと思えば、扉が開いた。

 そこには、人の体をした宝石が立っていた。体から銀の水が垂れている。

 恐怖のあまり体が固まって動けない。

「カワッテ!」

 頭に直接聞こえる。あの声と同じ。

 宝石人間は足を引きずりながらゆっくり近寄っていく。

「カワッテカワッテカワッテ・・・」

 耳を塞いでも聞こえる。

 もしかしてあの夢のように。

 その時、腕を掴まれる。

「逃げよう!」

 カリーナが引っ張りその場から逃げる。



 別の部屋でカリーナと一緒に隠れることにした。

「ここで隠れよう。聖女様や聖騎士団様に任せよう」

 小さく頷く。

「ノエル・・・あれなの・・・夢に見ていたの・・・」

「うん・・・」

「なんだろう。あれ?魔女?でもここは魔女も入らないはず・・・」

 急に扉が壊れる。

 銀の水が散らばっている。

 宝石人間が追いかけてきた。

「来ないで!」

 カリーナが前に立つ。

宝石人間は大きく腕を振り、カリーナを払う。

「きゃあ!」

 カリーナは飛ばされる。

「カリーナ!」

 宝石人間に首を抑えられる。

 宝石人間は、体から針のように伸び、ノエルの体に刺される。その針を通って光の塊が自身の体の中に入った途端に宝石人間は砕け、塵となって消えてしまった。

 ノエルは刺された胸を抑える。

 胸が苦しい。重い。痛い。

 体から傷が開き、赤い血が銀色に変えている。

 今までに感じたことのない。どうすればいいか分からない。

 気持ち悪い。気色悪い。ヤダ。ヤダ。イタイイタイイタイイタイイタイ。

「ノエル!」

 カリーナの声をしたと思えば、カリーナは銀の水にかかっていた。

「え!?」

 徐々に溶けていく・

「カリーナ・・・カリーナ・・・」

 カリーナに手を伸ばす。

 カリーナも手を伸ばすが、掴むことなく溶け、ただの銀の水の塊になってしまった。

「あ・・・あ・・・あああああああああああああああああああああああああああああああ」

 その時、体に何かが刺さり、倒れてしまう。

 体が急に動けなない。視線を上げれば、ジル司祭が銃を向けていた。

「ジルし・・・さい・・・」

 聖騎士団が集まった。

 銀の水となったカリーナを踏みながら。



 眠っていても苦しい。

 体中から虫が這いずっているようで気持ち悪い。べたついたような感覚で気色悪い。息苦しい。

 気付けば、あの宝石に触った部屋だった。

 いつの間にか体中に傷ができ、傷口から銀の水で溢れている。

「聞こえていますか」

 ジル司教の声がした。

「あなたは先代から力を譲りえたのです」

「先代って・・・」

「先代はこの街を守る聖女様だったのです」

あれが先代。聖女だったの。

「もしかして・・・私もあーなるの・・・」

 やだ。私もあんな風になってしまうの。

「先代は未熟だったからです」

「みじゅく・・・」

「はい。先代は『光』を完全に扱えなかった。完全な聖女になれなかったから。あの結果を招いたのです」

「じゃあ・・・どうすればいいの?」

「あなたから流れる血をこの街に注ぎ、魔の者から守って頂きたい」

「それだけでいいの・・・」

「はい。ただ、この血を流すにもあなたに苦痛を伴うでしょう。でもご心配はなく。私も努力いたします。あなたの苦しみを解放し、いつまでも守って頂けるように」

 それから力を抑え付けられない時があれば、ジル司祭からもらった薬で落ち着いていられる。けど、薬が切れれば、また力が暴走する。その繰り返しだった。

ずっとこのままだろうか。ずっとこの痛みと付き合わなければいけないのか。

けど、聖女になれなければ、あの先代のようになってしまう。その境目も分からない。

 終わりが見えないのなら。

 死にたい。誰か変わってほしい。



 あれ、この『光』はあの聖女の『光』だ。

 まだいる。

 早く見つけて、死ぬんだ。



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