表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/69

13.こっちに住んでも問題ないよね?

すみません。上げる話を間違えてました!!

僕たちは引っ越しをして新しい家に移ってきた。これでしばらくは命は安全だと思うよ!!

この家だって6人で過ごしても快適なくらいには大きいし、暮らしていくのに不自由はないね。とはいえ、色々と趣味の物品が置いてあった我が家の方が好きだけど。

あぁ~。帰りたいなぁ~。


「……あのさぁ」


「ん?どうしたの美春ちゃん」


「普段住むのにもこっちの方がよくなぁい?」


僕は帰りたいと思ってるけど、美春ちゃんはそんなことを言ってきた。

美春ちゃんはこの家が随分と気に入ったみたいだね。そんな気持ちを向けて視線をくってみれば、


「だってぇ、こっちの家凄いじゃ~ん!目茶苦茶広いプールあるしぃ!スポーツする広場もあるしぃ!色んな料理道具あるしぃ!そして!天体望遠鏡あるしぃ!!」


まさか最後に強調して言うところが望遠鏡があることだとは思わなかった。美春ちゃんは天文学とかの方面に興味があるのかな?

まあそれはそれとして、確かに、


「色々あるよねぇ。ピッチングマシーンもあるし。大きいスクリーンもあるし。果樹園もあるし。地熱発電所も近くにあるし。自然は多いし。それに、小さいけどプラネタリウムもあるしね」


「うんうん!そうだよ!だからこっちに普段住む方が良いよぉ!……って、ちょっと、待って!プラネタリウムって何!?私知らないんだけど!!!」


おっと。プラネタリウムのことは把握してなかったみたいだね。そっち系に興味がありそうだから教えてあげた方が良いかな。

熱が入りすぎて普段のゆったりとした美春ちゃんのねちっこい口調が外れてるし。


「3階の角の方の所に小型のプラネタリウムがあるんだよ。外から見たらドーム状になってるところだから分かりやすいと思うんだけど」


「分かった!すぐに見てくるよぉぉぉ!!!!!」


そう言って美春ちゃんは走って行った。本題であるこの家に定住しようという話を忘れて。

まあしないならしないで僕は良いから、お仕事を再開する。今日も現実を表したゲームを探して(お仕事)、ゲーム三昧するぞぉぉぉ(お仕事)!!!!


それから数十分。

休憩がてら知り合いとスマホでメッセージのやりとりをしつつ部屋を出て冷蔵庫から飲み物を取り出す。今日も冷やした水が美味しい……。


「なんでわざわざジュースとかたくさん入ってるのに目覚君は水なのよ……」


「それは当然虫歯が怖いからに決まってるよ」


「それはそうなんだけど……やっぱりかわいい子にはジュースが似合うと思うのよねぇ」


え?それは私のジュース飲まない?っていう意味かな?

なんていう下ネタは絶対に口にしない。確実にこの目の前の美少女、風花ちゃんとの仲が悪化しそうだからね。

……いや、意外とそっち系の趣味もあるのかもしれないけど、不確定要素が多すぎるから却下かな。


「それでなんだけど、目覚君」


「どうしたの?」


「なんで普段からここに住まないの?」


「……それ、似たようなことをさっき美春ちゃんからも聞かれたよ」


同じ質問をしてくるあたり、姉妹なんだなぁ、と僕は思うよ。

似てないところも多いけど、血が繋がってるんだなぁって思うところも多い。今も美春ちゃんと似たように、


「ここ、凄く素敵な場所じゃない!風景も綺麗だし!小動物も偶に見えるし!ぬいぐるみも沢山あるし!かわいいお菓子も作れるし!それになんと言ったって、目覚君がかわいいし!」


「うん。ここが良いところのは認めるけど、最後のは全くこの家関係ないよね」


僕はジト目を向ける。

ここだって普段の家だって学校だって海だって山だって宇宙だって、どこにいたって僕は目茶苦茶かわいいんだよ!!(自画自賛)

って、思ったんだけど、


「いや。この家関係あるわよ!だって、この家に沢山目覚君に着せるのにぴったりなかわいい服が置いてあるし!」


「あっ……うん。ソダネェ」


僕の目が死んだ魚みたいになるのを感じる。

でも、仕方ないじゃん。着せ替え人形にされたのを思い出しちゃったんだから。僕だって僕がかわいいのは認めるけど、だからってかわいいゴテゴテな服を着たいとかは思わないからね?コスプレもべつに好きではないんだから。

……でも、風花ちゃんに頼み倒されて僕はこの家にあった服を着させられることになったし。

あの着せられた服たち、僕を見てインスピレーションが湧いたとか言ったデザイナーさんが作った服なんだよね。だから僕用なんだけど着ることがないし、でも捨てるわけにもいかないし。それでここにまとめておいていたらそれを風花ちゃんに発見され、着させられてしまったというわけ。


「なんで着るのが僕だけなのやら」


あまりにも地獄みたいな記憶がよみがえったため、思わず僕はそんな不満を口から漏らしてしまった。

そして次の瞬間、それが失言だったと悟る。

何せ、風花ちゃんの目がらんらんと輝いていたんだから。


「なるほどなるほど。目覚君は、一緒に着てくれる人がいたら良いって言うことなのね?」


「え?あっ。いや。そういうわけじゃ」


「大丈夫よ!今度から私も一緒に着てあげるわ!!お揃いね!!」


「ノオオオオォォォォォ!!!!!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ