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3.発見されても問題無いよね?

「あれ、そうじゃないかな?」

「これもそうだね。たぶん何か仕込まれてるよ」

「地面にも埋められてるけど……」


次々と見つかっていく僕の隠した道具類。

死角にあるカメラも、小型にしたカメラも、地面に埋めた盗聴器も、すぐに見つかってしまう。目にカメラが仕込んであるうさちゃんのぬいぐるみまで使ったって言うのに、これもすぐに見つけられちゃったよ。


「……よく見つけられるっすね」


「だよねぇ。僕もあの能力は理解できないよ」


次々発見していく4人を、宿利ちゃんが驚愕した表情で見ている。隠しカメラに気付いたり盗聴器に気付いたりするなんて、何も持ってない常人にはできないことだからね。

僕もそういう機械を使えば発見はできるけど、何も持ってない状態だと無理だね。あの力、原理とか力の使い方とかは教わったけど、それでも本当に色々と謎なことが多いよ。


「……はい。とりあえずそれっぽいのは全部取ってみたけど、どうかな?」


10分もしないうちに明里ちゃんがそんなことを言ってきた。明里ちゃんの前には数十個のものが山になっていて、それが見つけたものたちなのだと分かる。


「うん。……確かに全部それはカメラと盗聴器だね」


「だよね~」

「当たってましたか?……それにしてもかなりの数ですね」

「何個か私には分からないものがあったけど、これは力とか経験の差なのかしら?」

「私にも分からないのがあったからぁ、経験の差じゃ無いかなぁ~?」


明里ちゃんと葵南ちゃんはいつも通りの表情だけど、風花ちゃんと美春ちゃんは首をかしげてるね。経験によって見つけられるものが変わるって言うのは面白いけど、


「そっちも調べてみる必要があるかな?」


「必要とまでは言わないけど、気になるね」

「その情報を神道家に教えたら、お金払ってくれたりするんじゃ無いですか?」


明里ちゃんは興味を示し、葵南ちゃんは悪い笑顔を浮かべる。神道家への強い恨みを感じるね。葵南ちゃんの方が明里ちゃんより先に思いつくって事は、葵南ちゃんの方が恨みが強いのかな?

一応明里ちゃんは僕に助けられて、僕を通じてだけど間接的にやり返してるから、あまり神道家に対して何かできたわけでもない葵南ちゃんの方が復讐心は強いのかも、ただ、明里ちゃんも復讐心が無いわけではないようで、葵南ちゃんの言葉を聞いて困ったような、それでありながらどこか期待したような笑顔を浮かべてる。

風花ちゃんたち桜田姉妹と宿利ちゃんはどう反応したら良いのか迷っているようで、ちょっと困っているね。関わらないようにしているような雰囲気。

……と、話が神道家の方に行っちゃったね。本題に戻さないと。


「4人の探し出したものの結果発表なんだけど、1個だけ残ってるけどそれ以外は全部発見できてるよ。スゴイねぇ~」


僕はパチパチと手を叩く。

でも、


「え?まだ1個あるの?」

「全く分からないのですが」

「そ、そんな気配はしないわね。近くに仕掛けられてるのよね?」


「ん~。どこだろぉ~?」


4人は全く分からないという風に困惑してる。ここまで沢山見つけてきてそれなりに自信も付いたみたいだったけど、それがすぐに消えたね。

でも、唯一1人。


「……もしかして、それっすか?」


気付いたのは、宿利ちゃん。宿利ちゃんが、最後の1個に向けて指を指す。

その先に有るものは、


「「「「目覚君?」」」」


僕。

暫く首をかしげていたけど、明里ちゃんたちははっとした表情になり、


「目覚君が監視してたって事!?」

「た、確かにそれはそうかもしれないけど……」

「さ、流石にそれは引っかけが過ぎるんじゃ無いかしら?」

「め、目覚くぅ~ん。それはどうかと思うよぉ~」


僕が正解とも行ってないのに、僕が監視していることになってしまった。4人ジト目を向けてきたり、困った表情をしたり。

僕が否定しようと思ったんだけど、その前に、


「いやいや。そうじゃないっす。アタシが指さしたのは目覚君じゃ無くて、目覚君が持っているものっす」


「「「「持っているもの?」」」」


また4人が首をかしげる。

それから、皆僕の周りをぐるぐると回って眺めてから、


「ん~。何かある?」


明里ちゃんは首をかしげた。特に僕から変な物は見つけられなかったみたい。

明里ちゃんの言葉に応える形で、


「「特に何もない気がする(わ)」」


葵南ちゃんと風花ちゃんが首を振る。

ただ1人だけ、美春ちゃんが、


「うぅん。何かあるような気がするけど、何かはよく分からないなぁ」


違和感は感じているみたい。それでも発見には繋がらないみたいだけどね。

僕は答え合わせをするため、宿利ちゃんに視線を向けてみる。宿利ちゃんは少し迷うような素振りを見せたけど、何かを決意したように真面目なことで1度頷き、


「……これ、っすよね?」


宿利ちゃんが手を伸ばす。その手は僕の胸に触れ、


「「「「ペン?」」」」


僕の服の胸ポケットからペンを取り出した。ここは僕が解説しよう。


「これにカメラが付いてるんだよ。ここを押すと、撮影が開始されるの」


まあ、ありがちだとは思うんだけど……何で宿利ちゃんは気づけたんだろうね?

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