2.監視しても問題無いよね?
「目覚君、女子の中にしっかり馴染んでるっすねぇ」
お出かけしていた3人の最後の1人。少しまだ距離がある感じなのが、梅雨宿利ちゃん。
出会ってすぐに近くで人を殺しちゃったから、ちょっとまだ心に壁があるんだよねぇ。少し寂しいけど、嫌われてないだけマシって感じかな。
……それに、この間海に行ったときに僕のあれなあれに体が触れて微妙に僕のことを気にしてるみたいだから。ちょっとどうなるのか気になる子でもあるよ。
なんて思ってたらそこに、ニヤニヤと笑みを浮かべた美春ちゃんが、
「これから女の子が57人増えるかもしれないよぉ~」
「え?57人?」
「やけに具体的な数だね」
「どういう事っすか?」
外出していてその数字に聞き覚えが無い3人が、揃って首をかしげる。
57人といえばあれだね。研究所から確保された、今後神道家で生活していくことになるであろう子たち。確かに57人も女の子に僕が囲まれたらハーレムどころじゃ無いよね。
でも、
「いやいや。57人全員が女の子だとも限らないから。美春ちゃんが連れて行かれたところでも1人男の子いたでしょ?」
「ん?あぁ~。そう言えばそうだねぇ~。……ちぇっ。折角目覚君のハーレムを作ろうと思ったのにぃ~。つまんないのぉ~」
僕に男の子がいることを指摘され、不満そうな顔をする美春ちゃん。そこまでして僕にハーレムをさせたい理由はよく分からないね。
そんな美春ちゃんの横では、
「……っていうことみたいなんだよ」
「あぁ。それで57人だったのね」
「なるほど。そういうことかぁ」
「そんなにいたんすね。同じ所で暮らすなら、仲良くできると良いんすけど」
明里ちゃんが事情を説明し、よく分かってなかった3人が納得していた。そこから人数の多さについて話が展開していきそうになっているけど、
「57人いるんだったら、監視の目とか増やしたいよね?」
「「「「え?」」」」
僕の言葉に、5人の視線が集まる.不満そうに冗談を言っていた美春ちゃんも、僕の言葉には驚いているね。
それから少し沈黙が続いた後、
「監視の目、ってどういう事?」
「私たちもしかして、いつの間にか監視されてたりするの!?」
困惑の声が聞こえてきた。美春ちゃんはキョロキョロと周りを見回して、監視されてないか確認しているような素振りを。
「ふふっ。家の中には監視カメラは無いから安心して良いよ」
「あっ。そうなんだ。……って、違うよ。監視カメラじゃ無くて、私たちが監視されてるかどうかって話だよ!」
美春ちゃんは少し語気を強めて言う。キョロキョロしてたから教えてあげたって言うのにね。
でも、僕は優しいからそっちの方も答えてあげるよ。
「監視なんてつけても、宿利ちゃん以外は気付くでしょ?」
「あぁ~。……言われてみると、そうかも?」
「そんな気も……するかな?」
「監視……種類にもよりそうだけど」
皆首をかしげている。気付くような気はするけど、実際やったことがないから分からないって事だろうね。
それなら、
「じゃあ、実験してみようか」
「「「「実験?」」」」
また皆首をかしげる。
でも、説明するより見せた方が早い気がしたから、
「よし。これを使うよ!」
そう言った僕の前に、フォォと微かな風の音を出しながら浮かび上がるものが。何かって言えば、最新型のドローンだね。それも軍用のとてつもなくスペックが高いやつ。
この国だと本当は犯罪になるけど、銃火器も元々取り付けられてるやつだよ。スナイプができるためのものだから、安定感も抜群。しかも、発見されないように音も小さいし。
「うぉ!?背後に回り込まれると全然気がつかなかったっす!」
宿利ちゃんなんかは全く気がつかなかった。僕が両手で1機ずつ動かすと、確実に1機を逃してしまう。性能の高さに驚愕しているね。
でも、当然なんだけど。
「そことそこ」
「うん。そこですね」
「ん。分かりやすいわね」
「そこだねぇ~」
4人の化けも……じゃなくて、女の子たちにはあっさりと見つかっちゃった。流石に鍛えているだけはあるよね。
だから、
「お出かけ?」
「うん。僕が部屋の中にカメラをセットしておくからそれで試してみようと思って」
「お、おっけー」
皆微妙な顔をしてたけど、僕の熱量に押されて頷く。4人だけで無く宿利ちゃんも一緒にお出かけに行ったみたいでちょっと寂しくなったけど、
「それ以上に探究心がうずくね。沢山カメラしかけるぞぉ~」
僕は家の中にカメラを大量に設置する。でも、大抵は庭を見るように設置してるよ。一応テストは庭の中でやるつもりだからね。
ドローンは静かに浮かんでいるはずなのに音で気付いたらしいんだけど、設置しただけのカメラなら動かない。みつけられるのかどうなのか、しっかりデータを取らせてもらうよ。
「……た、ただいま~」
「あっ。お帰り。じゃあ、早速やろうか」
1時間ほどして5人が返ってきて、僕は待ちきれずに庭に案内する。こう言うのって何か競い合ってる感じがして楽しいんだよねぇ。




