1.夏にごろごろしてるけど何か?
今日から再開します。
「うわぁ。すごい人数」
蒸し暑い夏。僕、小川目覚は冷房の効いた部屋でソファーに寝転びながらタブレットを眺めていた。
そんな僕の言葉に反応したのが、
「ん?どうしたの?」
首をかしげる1人の女の子、四ノ原明里ちゃん。半袖のT-シャツとミニスカートをはいているんだけど、汗で色々と透けてて健全な男子には見せられない格好になっている。
「明里ちゃん。見て見て、これ」
僕は明里ちゃんの姿を気にすること無く、タブレットの画面を見せてあげる。それを流し読みした後明里ちゃんは少し困ったような顔を浮かべて、
「ちょ、ちょっと大変そうだね」
同情するような言葉を。
何が書かれていたかと言えば、
「ん~。どうしたの~」
詳しい話をしようとしたところで、のぞき込んでくる人が1人。お腹まで出したシャツと太ももまで見えるズボンをはいた桜田美春ちゃん。
明里ちゃんほどじゃないけどかなりラフな格好をしている美春ちゃんは、画面に描いてあることを呼んで、
「えぇと、なになに?報告書。研究所制圧により確保した生存者70名。内、重傷者4名。重度浸食者12名。残り54名は数度のチェックの末、異常が無いことを確認。身寄りも無いため、予定通り神道家への移動が可能…………え?54名!?」
美春ちゃんは驚いてる。
やっぱり、54人ってかなり多いよね。僕もそこまでいるとは思わなかったよ。ゲームに出てきたのも主人公合わせて10人程度しかいなかった……いや。そうでも無いね。普通に途中からボスやらザコ敵として出てくることもあった。それを考えれば54人は少ない方かな?
「これってさぁ~」
何かに気付いたように美春ちゃんは呟く。
「うん。どうしたの?」
「これってつまりぃ,神道家が54人受け入れて、学校に来る人も54人増えるって事だよねぇ~?」
考えてみて欲しい。中学校に、突然夏休みが明けたら50人以上の転校生がやってくるんだよ。
何かあると思うよね。
「まあ、一応年齢に違いがあるからある程度はばらけると思うけど」
中学生が多いけど、高校生もいる。……あっ。それに数人小学生もいるね。
だいたい6~7割くらいが中学生。15人くらいが高校生。小学生は5人以下。
「神道家って54人も受け入れられるの?」
「ん~。どうだろう?難しそうなら教育だけ任せて、場所は提供するけど」
そんな会話を明里ちゃんと。
屋敷自体は広いけど、50人以上いけるかと言われると難しそうだね。ちょっと予定より多めに支援をしないといけないかも。
その辺の話を明里ちゃんとしたり、たまに質問をしてくる美春ちゃんに答えたり。そうしていると、
「ただいま」
「ただいま戻りました」
「ただいまっす」
3人の女の子が家に入ってきた、というか帰ってきた。
「「「おかえり~」」」
色々片付けとかして部屋に入ってくる3人を、僕たちはソファーに寝転んだ状態で出迎える。
「ああ。うん。ただいま。……美春。ズルい。私も目覚君と一緒に寝転びたいわ」
「どうぞどうぞ~。今なら特別に目覚君のお腹を枕にして寝れるよ」
「え?僕?」
なぜか知らないが僕が犠牲になった。僕の大して鍛えられてないけどべつに出ているわけでも無い絶妙なお腹に、頭が乗せられる。
頭を乗せてきたのは桜田風花ちゃん。美春ちゃんのお姉ちゃんだね。
最近知ったんだけど、スゴイかわいい物好きみたいなんだよね。僕みたいに小さいマスコット的な見た目の子が好きらしい。ただし、恋愛的にと言う意味では無いけどね。
とはいえ求めれば自分のお金を沢山使いそうな雰囲気があるから、貢ぐ人になっちゃいそうな予感がする。将来がちょっと不安だよ。
お小遣いを上げたら少しをぬいぐるみ地岡の好きなキャラクタグッズに使って、残りを僕のコスプレ品に使ったんだよね。まさか強制的に何の見返りも無くコスプレをさせられるとは思ってなかった。
風花ちゃんにも対価としてコスプレさせることもできたけど、コスプレだけって言うのも困るからね。同じ屋根の下で暮らすだけでも我慢するのが大変なのに、コスプレされても耐えなきゃいけないなんてかなりの苦行だよ。
「あっ。目覚君。私は太モモ良いですか?」
風花ちゃんが僕のお腹に頭を乗せてグリグリ頭を擦り付けたりT-シャツを上に上げてお腹を思い切り吸い込んだりしていると、それに追従するように僕の太モモに頭を乗せる子が。
きわどいところに触れてるけどだけどお構いなしに頭を乗せ、ごろごろするのが神道葵南ちゃん。
僕は刺激されたけど何もできないから、かなり変な状態でくすぶっている。でも、これは葵南ちゃんのお望み通りだろうね。葵南ちゃんは極度のMだから、僕を昂ぶらせるだけ昂ぶらせて、止まれないほどになった状態で相手をして欲しいんだと思う。壊れるくらい。
……僕の体の方が先に壊れそうだよ。
「目覚君、女子の中にしっかり馴染んでるっすねぇ」




