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戦国異世界で國盗りの翁  作者: 大上
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状況と地獄の鍛練

九十九神よ、この世界の現在の勢力図を教えてくれ。


〈かしこまりました。時代、地図同期ーーーー完了。ホログラムに描画を開始します〉


千人を城の演習場でしごきながら今後の概観を予測しておく。

情報収集は基本中の基本であり、最も重要なことだということは前世で身に染みてわかっている。


〈まず九州地方の説明からさせていただきます。島津家は薩摩に位置しております。南東の大隅には肝付家、北東の肥後には相良家と陸続きで接しており、肝付家当主肝付兼続とは島津の同門という関係ですが敵対関係にあります。反対に相良家とは現在同盟関係にあります。〉


ふむ。では肝付家の方面へ領土拡張するのが定石か。それにしても親戚同士で殺し会うとは、さすが戦国時代だな。


〈近隣の大名以外は別の機会に詳しくお教え致します。簡単に現在の日ノ本の状態を説明致しますとーーーーー〉


現在の様子がなんとなくわかった。

北九州は龍造寺と大友の二強であること。

四国は長曽我部の一人勝ち。

山陽、山陰は毛利がじわじわと広がっている。

近畿は足利将軍こそ居るものの混戦状態。

甲信、北陸、東海は織田、今川、武田、上杉が入り乱れる最強決定戦のような状態。

関東は北条の一強だが、武田今川と接するため油断は出来ない。

蝦夷、陸奥、出羽は伊達、最上の二強らしい。


やはり南九州を平定したら大友、もしくは龍造寺と決戦することになるだろうな。



そう言えばこの兵のなかには見知った顔も入っている。

先日内城の道場で打ち負かした三十人が全員俺の兵となることを志願してきたのだ。

弱き者は馬鹿にされ、強き者には全霊をもって遣える。

薩摩男児の気質は俺にあっているようだった。


うん?誰か倒れたな・・・・・あれは弥吉だ。

弥吉は泡をふいて倒れている。素振り一万回も出来ないとは、情けない奴め。


村からは太助と弥吉を連れて来た。

全員他人からスタートするよりは気心が知れた奴が数人いるだけで全然違うものである。

勿論禄は農民時代の五倍出している。

太助は全身がガクガクしているが歯を食い縛って七千回目を終えようとしていた。

農作業でくわを振るっていたとはいえ、慣れない剣術の鍛練にここまでついてくるとはなかなか根性がある奴だ。


「ダンナぁ!もう無理だよ、腕があがんねぇ!」

弥吉が不恰好な走り方で俺の足元に滑りこんできた。おそらく筋肉の限界を突破してしまったため、所々痙攣して動かなくなっているのだろう。


仕方ないので少し休ませるかと思っているとそのまま失神してしまった。

情けないな、これからゆっくりと鍛え直してやる。


ようやく一万回の素振りが終わったようだ。次々に侍達が膝から崩れ落ちる。

本職の侍でさえギリギリの鍛練なのだ。皆がんばったなと声をかけてやると、嬉しそうに押忍!と返事がかえってきた。


意外なことに誰一人とも不平、不満をもらさなかった。皆、純粋に強くなりたいのだろう。

ここにいるほとんどが実際に俺の戦いを見にきたことがある奴らしく、全員が志願兵らしい。

徴兵より志願兵の方が士気も高く、俺の思う色に軍を染め上げることができる。



当面の目標は更なる情報収集と俺の直轄軍の強化だ。


我が軍は練度を日ノ本一までもって行く。

文字通り最強の軍を、この手に。

主な兵科は・・・・そうだな。


まだあまり普及していない鉄砲にしようか。




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