58話
「サクラ!ん!」
「なに?」
「ん!ん!」
「……………3人目?」
「ほ、欲しい!」
違ったようです。わからんて。
嫁が本当に言いたかった事はちょい近かった。
子供達が大きくなり、最近はあまり遊ばなくなった。
だが、友達と遊ぶとかでは無くただただじいじの手伝いや自主的に訓練などで可哀想。
そこで、学校に通わせてみよう。って事を言いたかったらしい。………近くないか。
「今12だよな。その歳で学校行けんの?」
「王国の騎士学校。あそこは12からだから」
「お、お前、悪魔か!」
「ん?んー、嫁!」
正解。いやそうじゃない。かわいいからってなんでも許されると思うな!
一応魔王国内にも学校がある。
軍の養成学校みたいなのだが、入るには2年くらい遅い。
本人達も興味無いらしかったから通わせなかったし、そもそも周りがよいしょどっこいしょして鬱陶しいとか。
「んでなんで騎士学校なん。あそこはただの地獄だぞ」
「ん?んー、でもシエルがいるし、フリードが先生だし、サクラと私の子供達だし!」
最後以外全部不安そうに言うのやめて。
と言うわけで家族会議。もう寝る時間なのだが。
とりあえず2人を集める。
少し前まで同じ部屋で並んで寝てたのに別々の部屋で寝始めた双子。
2人は別々で行動する事が多くなり、ちょっとさみしいパパなのです。キモいな。
「パパ、ママ、どうしたの?」
「実は2人に話があってな」
「親父の浮気がバレたか。まぁあんだけエリス叔母さんに会ってりゃなー」
「フィオ!やめなさい!エリスだって頑張ってお婿さん探してるんだから!」
その発言が1番可哀想だろ。2人は俺が愚痴聞いてあげてるって知らんぞ。エリスがあんなノエルさんみたいな顔してるのも隠してんだから。
「2人は学校行きたいか?」
「ん?なんの?」
「王国の騎士学校」
「何それ。つまんなそう」
「一応学園長はノエルさんで、教師の中にはフリードとかアンナちゃんとかもいるから。あと中に研究室があってな?」
「そこでシエルさんが篭っていると。よし、行こうマオ!」
「私は嫌。第一、あんた魔術も闘気も嫌いなくせして学校行けるの?」
「別にいい。どうせシエルさんに会いに行く事以外特にやらないし」
ひねくれ方がすごい。あとシエルはそんなに暇じゃねえからな。
双子の兄、フィオは結構年頃の男の子になった。
小さい時と全然違うのが、魔術と闘気が苦手。
昔は才能あると思ってたが、最近は他の子と差がついたなー、ってくらい弱い。
俺と嫁の悪いとこが似た様子。ごめんなー。
ところが、妹のマオは引くくらい強い。
センスの塊エリスが魔法でどっこい、フィーネで辛くも勝利、マーリンさん、シエルには一歩及ばずくらい。パネェ。
闘気に関しても素晴らしい。
魔闘気の使い方はクライストの次くらいにうまい。つまり世界で3番目。
師匠がエリスだからか。さすがです。
「マオはなんで嫌なん?」
「どうせ私が1番でしょ。お祖父様のお手伝いの方がよっぽどタメになるから」
「でも友達欲しくない?同い年くらいの」
「いらない」
「まぁそこは同意。でもここに居てもつまんないから行ってもいいかな。俺は」
少し乗り気なお兄ちゃんとは違い、かなり嫌な顔してパパを睨む妹。かわいいけどダメ!笑いなさい!
「ママはいいの?パパが急に変な事言いだしたけど」
「言い出しっぺはフィーネ」
「……………ママ、魔王に戻るの?」
「…………そ、その通り!」
せめて目を合わせて言いなさい。マオが呆れてるから。
「母ちゃんが親父と2人きりになりたいから、なんて知ってるって。じいじも何も言わないだろ」
「そ、そんな事ありまへん!わては2人を思って言うてはります!」
「フィーネや、そのマネっこは効果ないよ。むしろうさんくさい」
そしてエセだから倍プッシュ。笑われてっぞ。
「ママは私達と離れてもいいの?」
「………ん!」
「もう、本当はパパとイチャイチャしたいんでしょ?」
「ん!ん!」
「フィオ、何て言ってんの?」
「いつも通りの母ちゃんを想像してよ。それ」
あちゃー、全然わからん。そして不安。
今度は2人で、ん!しか言わなくなって困った。
未だに意味わからんし、何故か子供達はわかるらしい。というか使ってる。
話し?合いはだんだんママが興奮してきた。
娘がジョジョに押され始め、息子がため息。
「マオ、そろそろ諦めろ」
「ん!」
「いやわからんて」
「パパは良いの?私がいないとまた仕事回ってくるんだよ?」
「真面目にやればちょちょいのちょいな。息抜きだと思って行ってきな。師匠みたいに相手が捕まんなくなるぞ」
「………………ヤスさんがいるもん」
すまんな。俺のせいで独り身戦士を昇華させてしまったから無理だ。ノエルさんは2人目許さないぞ。
「ん!ん!ん!」
「フィーネ、落ち着きな」
「…………ん」
そこも変えてな。
「試しに行って、飽きたら帰ってきな。それなら良いだろ」
「………パパがそう言うなら」
「お任せー」
………息子がホント俺の悪い所似てきた。お前もいつか何かに振り回されるからな?
翌日、コネと金にモノを言わせて無理やり学校にぶち込んだ。まぁ新入生が来てからまだ5日ほどだから許して。
久しぶりにフィーネと2人になった、気がする。
一緒になってから殆ど側にいたからよくわからんくなってるな。
「サクラ、サクラ、ん!ん!」
「………………ん」
「え!?サ、サクラ、好き!」
ごめん、何て言ったと思ったの?
まぁ、いいか。ちょっとずつわかるようになればいっか。…………今までわからんかったが。
これからはゆっくり出来そうだし。多分。
見て下さってありがとうございました。
一旦完結します。
続編とか番外編は思いついたら多分、おそらく、書くかもしれないです。多分。




