革命者達。
MAC本部地下牢専用廊下にて。
柳瀬凌駕。武術都市最強の剣士として謳われ様々な人々の憧れの的だった存在…。
『凌駕ァ、お前には悪いことしたぜェ…あん時の俺はちょっとばかし頭イカれててよォ…すまねェ…』
『あん時って、瑞貴達を殺した時か?別にあれは仕事だったんだろ?確かに許せねぇけど、もう良いんだよ』
もう良い。全て武術都市の闇を破壊すれば終わる話だ。もう、誰一人として仲間は失いたくない。
二人の会話は、あの日。闘技場に向かう時と同じような感じがした。ただ、ひとつ違うのは…。
お互いがもう信用し合ってるってところだけだ。
『ここか…駿…』
『あァ、そうだなァ…皆〜?出て来いよォ』
牢屋のような場所に着く。終が声を上げて問い掛ければ奥の方から足跡が聞こえてくる。
奥の方は暗くなっていて、まだ顔の判別もできないがこちらに向かってくるなり光で顔が照らされて、誰なのかは一目瞭然となった。
『凌駕、久しぶりだね…』
『駿…』
『凌駕ァ、大丈夫かァ?』
あの戦争から5年。MACは表沙汰、能力者はこの世から消したと発表した。が、真実は違う。
能力者はこの世の表沙汰には出さないということだ。しかし、思わぬ事態。「刹覇」という少年の存在にMACが取った行動は排除。
任務として、同じ能力者を殺めるということを引き受けたのは、柳瀬凌駕と雷ヶ峰終。二人はこの日を待っていた。
ずっと、ずっと。
『駿、お前の力を貸して欲しいんだ。俺らの元の生活を取り戻すために…!』
『へぇ…。凌駕の目的は、元の生活を…ねぇ。まぁ、いいけど〜?俺、そろそろ退屈してたし…じゃあ、行こっか?狂、行くよ?』
『やっとかよ〜、まぁ。行こうぜ〜?俺ら、RBTとしての新たなる戦いのためにってな〜?』
『おう!』
RBT。彼らは武術都市に革命を起こそうと考えた。革命者は五人。
柳瀬凌駕、黒髪歩美、雷ヶ峰終、磨崖狂、そして…坂上駿。
彼らの行動が都市全体に大いなる革命をもたらすとは、この時点で誰も分かることはないのだろう。




