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【武器世界物語】  作者: ezelu
第二章 5年後の武術都市
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能力狩者(スキルハンター)

『よォ…凌駕どうしたんだァ?』


『あぁ、嫌な予感がするんだ…また、この都市全体で戦争が起こるくらい嫌な予感が…』


『凌駕ァ、その嫌な予感的中してるぜェ?今、TBVが能力者開発に使っていた破棄されたはずの研究室で端末の起動が確認されたらしい。その情報が、人工神者計画(マン・メイド・ゴッド)。お前さんは知らねェと思うがこの実験体は柳瀬凌駕の実の妹…柳瀬薫だぜェ?』


『俺に妹は居ねーぞ?何言ってんだよ…あはは…』


凌駕は目を逸らし、冷や汗をかいている。妹のことは気づいていた。両親が隠していたことも。全て。


でも、まさか能力者になっているなんて思いもしなかった。何処かで幸せに暮らしているなんて思っている自分がいたからだ。


『終、行くぞ…俺は、薫を止める…だけど、このままじゃ勝てねーからあの施設で彼奴らを解放する必要がある…』


『彼奴らかァ、良いぜェ。俺も会いたくなってきたわァ』


凌駕と終の行く先には、「彼奴ら」が待っている。最強の能力者「無敵」と恐れられた「彼奴」が。


『我々、MACがTBVの独自に行っていた人工神者計画(マン・メイド・ゴッド)を知らないとでも思うのかね…我々は絶対だ。この私、四十万総二郎(しじまそうじろう)が今の都市に存在する忌まわしい能力者共を殺して差し上げよう!ハッハッハッ((ry』


MAC本部では、一部真ん中の部分が禿げている人物がスーツ姿でそう呟き笑っていた。笑い終わった後、無音でニヤリと微笑んで。


『また戦争が始まるんだな…』


『この世は戦争だらけだね〜、俺らが死んでからこの世界は大きく変わったようだ。なら、この都市最強が誰なのか…俺達が分からせるしかないよね〜…』


『そうね…私達は強いわ。でも、能力者相手では勝てないのよ武術者では…ね…』


『なら、能力者になれば良いとか思うかもだけど俺らは違う!対能力者用の武器を携えた能力狩者(スキルハンター)だ!』


MACは、対能力者部隊。


能力狩者(スキルハンター)という部隊の作成に成功した。


五年前、都市最強と呼ばれ数々の武術を極めた少年らの遺体に魂を再構築させ蘇らせたものである。


能力者とは違い、死ねない身体ではないが再生力が異常に高く腕を切り裂かれてもわずか1秒もしない内に元に戻る。


リーダーの名は、水泡瑞貴。


水爆ノ龍と恐れられた、最強の銃使いだ。彼の瞳には哀しみさえも感じられた。彼の目的は一つ。


「昔に戻ること」


凌駕と歩美が居て、慈水もいる。みんなが居て楽しかった都市。そんな都市を再構築し永遠を守り続けるのが夢。


『凌駕…俺、凌駕を倒すよ…』


瑞貴の瞳からは一雫の涙が零れ落ちる。単純に、悲しい。自分の昔の友達であり、ライバルである人物。


柳瀬凌駕を倒すことが方針のこの能力狩者は、瑞貴にとって居づらい環境でもあるのだ。


『大丈夫よ、瑞貴。私達は、あなたを信じているから…』


舞清茜。五年前の最強メンバーの一人。最強の奥義使いだ。


『凌駕も倒さないといけないけど…やっぱり、慈水は…』


彼らは慈水が能力者に目覚めていることは上の人から聞いたのだ。


「目覚めた」のではなく正確に言えば「元からそうだった」わけだが。


彼は、この戦いで鍵となる人物でもある。ということをまだ、一部の人間しかわかっていないようだ。


その頃、剣城学園では…。


『もう…これで、撃滅学園は消えた…我々の勝利だな….ゴホッ…ガバッ…』


腹部に損傷を負った学園長は、口から大量の血液を溢れ出して今にも死にそうな状態になっていた。


『大丈夫じゃ…学園長とある者…まだ死ねん…はず…なのに死ぬとはな…ってアレ?なぜ死なんのだ?』


『爺さん、この借りはちゃんと返せ系だぜ?刹覇の最後の意思だからやっただけ系だから…俺、知らねぇ系だし!』


刹那が能力を使って、学園長の死という境遇を解除し死ななくしたのだ。当然。死ななかった。


『刹覇…』


刹那が誓ったとき、刹覇が最後の一言を呟いた。


「困っている人を見つけたら助けてあげて」


と。


だから、刹那は死にかけの老人を助けただけだ。刹覇が全ての彼に、もう人を守ろうなんて心は残ってないはずなのに。


「実際は無理らしい」


刹那も哀しみのまま、この戦いに参加しなければならないのだ。


強制でもなんでも。


この日の月は、満月だった。


月が笑っているように見えたのは気のせいだっただろう。そう思うことを勧める。月は本当に笑っていたから…だ。


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