第1話
「カチャカチャ…カチャ…」
パソコンとにらめっこしながらキーボードを叩く音がする。
「……チッ、レアドロ無しか…」
冬のとある日の早朝、大体4時くらいか。
目の下にはクマが出来ており、指の疲れを少しだけ抑えるために薄い素材の手袋をしている。
「あー…ミッション終わらねぇ…」
パソコンの画面を見つめながらキーボードを素早く叩いている。
そう、この男こそ、この物語の主人公、「早見 祐輔」である。17才の高校生だ。
世間はクリスマスだと言うのに、部屋に篭って寒い中ネトゲをしている。日本人男性なら当たり前である黒い髪、動きやすいジャージ、部屋の中には2次元キャラのフィギュアやタペストリーが大量に飾ってある。
そう。お察しの通りこの主人公、オタクである。
「Addictive Masterpiece」読み方は「アディクティブマスターピース」通称「AMP」呼ばれるこれは、日本では物凄い人気を誇るネトゲだ。日本全体で今ブームを起こしており、ユウスケもこのゲームにハマっている。腕はかなり良く、自ら「少しガチ勢」と名乗るほどではあるが、上位勢に課金差で負けている割とよく居るプレイヤーだった。
ユウスケはこのゲームにどハマりした結果、冬休みという期間を活かして「今のうちになるべく進めておこう!」と考え、毎日オール三昧の生活を送っていた。親は呆れてるもののご飯は用意してくれてた。
「…今日でオール生活5日目か…」
いくらオタクでゲーム好きと言えど、オール5日間は誰でもキツい。パソコンから集中を切らした瞬間どっと疲れが溢れてきた。まぶたは今すぐにでも寝そうなくらい重く、体が全体を通して動かないくらい疲れていた。とりあえずパソコンの光を浴びないようにトイレに行き、この5日間の休息として、尿意がやばい訳でもなく、トイレに座った。真っ暗な空間でただただ座るだけとなると、眠気がここぞとばかりに襲ってくる…その誘いに耐えきれず、ユウスケはこのまま深い眠りについた……
……
…………
……ん……?
部屋が全体的に明るい。
そして何故か椅子に座っている。すこし硬い。
「どこだ…ここ…?」
意識が戻ってきて目を開く。
すると目の前には日本人とは到底思えない女の子が立っていた。
「やっと起きましたね、死んだ気分はどうですか?」




