小町ルートHAPPYEND
陽「………作戦はこうだ、小町が能力であいつの周りをぐるぐる飛び回る、俺はそれに合わせて攻撃をしていく
だが本命は小町の攻撃だ、俺もあくまで小町の陽動をサポートする
その鎌で強力なのを1発ぶち込んでやるといい」
小町「作戦がそんな簡単な説明で終わるとは思ってなかったよ…………けれど存外分かりやすい作戦で助かったね」
小町は微笑を浮かべてるが、その声音は若干緊張しているようにも受け取れる
陽「どっちみち………今ここであいつを追い返すって決めたんだ……………だからなるべくきついダメージを与えていかないといけない……………やるしかないさ」
小町「………そうだね、やるしかないか」
白土「クソッ……………何であんなに長いんだよ…………!!」
俺達の話し合いが終わって、丁度いいタイミングで白土が俺達の元へと到着する
しかしなんであいつ川1本渡るのにあそこまで時間かかってんだ
小町「長いのはあんたが罪を犯しすぎたせいじゃないかね?この川は渡るものの罪の数で長くなり、すべての罪の重さで霧が濃くなっていくからね」
白土「……………ちっ、めんどくせぇ川だな」
白土の顔は誰がどう見てもイライラしている様に見えるだろう
なんせ俺達がほぼ一瞬で渡りきった川をあいつは割と本気で飛んでかなり時間かかったみたいだしな、あいつの性格だとそんな小さなことにまでイライラするタイプだからな
陽「…………行くぞ!」
小町「あぁ…!」
俺の合図とともに小町は飛び上がり白土に突っ込んでいく
白土も迎撃する為に弾幕を放ったり肉弾戦を行ったりするが、小町の能力を使われ全ての攻撃が空ぶったりして一向に当たる気配を見せない
俺も小町の動きに合わせてナイフを投擲したり発砲したりで援護していく
白土「ちょこまかと鬱陶しい………!」
隙間のない攻撃なんて弾幕には不可能である
そして肉弾戦を行うにしても小町との距離を離されて攻撃を空ぶってしまう
これは流石に俺でもイライラするかもしれないくらいには華麗に避けていく
小町「無駄無駄、あたいに攻撃を当てるためにはあたいを箱かなんかに閉じ込めないと絶対に当てられないと思うよ」
白土「うるせぇ!てめぇからぶっ殺すぞ!!」
白土の声音が完全にブチ切れている奴のそれだ
そろそろ、攻撃を仕掛けてもいいかもしれないこれくらいキレてくれれば不意打ちが可能になるだろう
小町「やれるものならやってごらんよ
あんたの弱点は何となく把握したからさ」
陽「小町!」
俺が呼ぶと察してくれたのか、鎌を構え直す小町
白土は俺が小町の名を呼んだことで若干警戒心を強めたみたいだ
だが今更警戒したところで既に遅い
もうほとんど術中にハマってるようなものだからな
小町「よっ!ほっ!」
白土「クソっ!」
小町が隙を狙いながら白土のありとあらゆる攻撃を掻い潜っていく
俺も援護しようとした時、二枚のカードがポケットから飛び出してくる
死神[小野塚小町]
切鎌[絶斬]
二枚のスペルを確認して俺はそのうちの1枚の発動準備をする
タイミングがズレれば…………小町の邪魔にしかならない
小町「当たらない………よっ!」
白土「くそ………厄介な能力だな…………飛んでいるから足は関係ねぇ…………なら…………」
小町「もう終わりかい……………なら、あたい達も早く仕事に戻りたいんで終わらせてもらうよ!」
小町は白土に正面から突撃する
白土は小町が自分の攻撃範囲内に来たのか腕を振るうがやはり変わらずよけられてしまう
小町「…………もらった……!!」
そして直前で避けた小町はそのまま白土の後ろとの距離を縮めて一瞬で背後に周り、大きく鎌を振り下ろす
だがーーー
白土「ーーー流石にそれくらいは読めるぞ、馬鹿にしすぎて多様だな」
小町「っ!?」
陽「小町!」
だが奴は…………白土は腕を振り下ろして小町に避けられた後…………そのままの遠心力で腕を振るい続けていたのだ
小町「しまっ………!」
白土「ふんっ!」
距離を開けようとするが少しタイミングがズレてしまい鎌の先端部分が大きく抉られてしまう
陽「ここだ………!死神[小野塚小町]!」
俺はスペル宣言をしてそのまま白土の方向へとダッシュする、だがこのままだと俺は三途の川に突っ込んでしまう
だが俺にはわかる、このスペルを使う事でその問題は恐らくなくなるだろうと
白土「何っ!?」
白土は驚く、今殺そうと腕を再度振るったはずなのに小町の姿がどこにもないことを
そしてすぐさま現状を把握したのか俺の方へ振り向く、あぁ正解だよ
小町は既に俺のところにいるんだ
光り輝く鎌、それが今の小町の姿である
しかしその光はすぐに霧散していき小町の持っている刃が波状になっているあの独特の鎌へと変貌を遂げる
俺は川に入らないギリギリの距離で助走をつけた今のままジャンプをする
そして…………『そのまま鎌を振り下ろした』
白土「何を………っ!?」
白土が気づいた時には既に俺は目の前にいた
そう、俺は『空中にいる白土との距離を縮めた』のだ
俺は普通なら霊夢や魔理沙がやるように空を飛ぶことが出来ない
空を飛ぶためには陽鬼達を憑依させないと飛ぶことすらままならない、弾幕も同じである
白土「何故だ…………なぜテメェが空中にいられる!?跳んでるんじゃねぇ…………何で『浮いてられんだ』!!」
そう、俺はただ空中にいる白土との距離を縮めている訳では無い
もっと正しく言えば『今も縮めている』
現在進行形で、今もずっと距離を縮めながら川との距離を『広げ続けている』
陽「そんな事はどうでもいいだろ?早くやろうぜ?お前が勝てば俺達が殺されて、俺達が勝てばお前はここから立ち去る
いつも通りで簡単なルールだ」
白土「…………ま、その鎌をなんとかすりゃいいだけの話か
いいぜ、やろうじゃねぇか」
そう言って構えを取る白土、俺も合わせて構えを取る
陽「よく覚えてないけど………こうやってお前と対峙した時にまるで何度もお前と戦ったような感覚になる
だからこそ言える、今回は俺の勝ちだ」
白土「どーでもいいよ、勝つのは生きることで負けるのは死ぬこと世の中本当に決まってんのはそれだけのこった」
そうしてどちらからという訳でもなく、ほぼ同時に俺達はお互いに突っ込む
白土が腕を薙ぎ払うように振るう、それを俺は避けてあいつに鎌となった小町をぶつけるかのように振り払う
しかしそれも俺より高い位置を飛ぶことであいつはそれを避ける
そして腕を俺の真上から突き出す
普通なら、いつもの俺ならほぼ確実によけれない攻撃だが………
白土「なっ!?」
今俺が持っている鎌は何度も言うが小町である
そして別段鎌になったからと言って意識がなくなる訳では無い
つまり、小町の意思でも俺の距離を自由に操ることが出来る
そしてそれによりたとえ俺にとっての死角からの攻撃だろうがなんだろうがすべてを避ける事が出来る
白土「ちっ…………鎌になってもその厄介さは健在…………いやむしろ余計にめんどくさくなってるな」
陽「その為のあのスペルだ………お前を倒すために、一時的に作り出したスペルだ…………俺は、お前を倒す」
白土「そこで殺す、って言わない辺りがまだ甘いって事だな
そんなんじゃいつか全てを敵に回してお前が殺されることになりそうだな」
もしそうなったらそうなったで自分で殺されないようにするだけさ
陽「………そろそろ終わりにしてやるよ」
白土「へぇ……………今の今までお互いに攻撃はヒットしていない、それでも終わらせられるって言うんなら…………やってみろよ」
当たれば勝ち…………しかし避けられたらまず間違いなく俺は殺られる
だが、この攻撃だけは『絶対に当たる』という確信がある
陽「…………切鎌[絶斬]
この攻撃だけは…………当てる」
俺は静かにスペルを詠唱する
別段鎌にも俺にも、見た目にも内側にも変化はない
だが何かが変わったような、そんな気がする
そんな変化をあいつは感じたのか感じてないのかわからないがスペルを詠唱した途端嫌な笑みを浮かべる
獲物を目の前にしたハンターのような笑み、今のあいつはそんなものを浮かべている
白土「……………へっ!!当てれると思うなら当ててみろよ!」
そういいながら奴は突っ込んでくる、だがいい……………これでいいんだ
俺はゆっくりと鎌を横一閃に薙ぎ払う体制を取る
やつはそんなことも気にせず飛んでくるまま腕を振り上げる
本来ならほんの数秒でしかないこの間が長く感じるくらいに俺の集中力が研ぎ澄まされてるのかもしれない
白土「死ねっ!!」
腕を振り下ろす白土、ほぼ同時に俺は鎌を振り抜く
本来なら俺が絶対に負ける構図、だけれど俺は勝てる確信しかなかった
迫る腕、鎌は腕が迫るよりも早く、二倍以上の速度で白土に当たる
白土「しまっーーー」
当たった瞬間白土はこの場から姿が消える
まるでどこかに転移したかのように
陽「………………とりあえず岸に行こう、ここだと安心して降りることが出来ない」
とりあえず俺は一旦岸に降りて鎌を下ろす
下ろした瞬間に鎌は元の小町の姿へと戻るが、戻った瞬間小町は俺の服の胸元をつかんで持ち上げたかと思うと一つだけ質問をしてくる
小町「あいつはどこに行ったんだい!?まさか殺したとかいうんじゃないだろうね!?もしそうなら死神が生きている人間を殺してしまったってことになっちまうよ!!」
陽「大丈夫、大丈夫…………殺してない………お前の能力を最大限に活かした技だから…………どこか、幻想郷の中で一番遠いところに飛ばされてる」
実際そういう技なのだ
なにせ…………あの鎌は小町の持っているやつと同じようになっている
切れないのだ、無理やりねじ込めれば何とか入る程度である
だからこそ遠くに飛ばす………まぁ、飛ばされた先がどこかだなんて知らないがな
幻想郷の端っこ、そうでなくてもかなり吹っ飛ばされているはずだ
小町「…………なら、いいんだけどね」
陽「本当に殺してないから、な?」
これは宥めるのは骨が折れそうだ…………でも本当に死んだのなら自分が死んだことに気づかない限り基本的に飛ばされてくるはずだし………………って、よく考えてみたら気づいてない可能性の方がでかいよな…………?いや、言わないでおこう…………
小町「うん?どうしたんだい?」
陽「いや?何でもないぞ?」
ここは素直に言わない方が身のためだろう、こんな事言ったらまた発狂してしまうかもしれない………いやむしろ正直に全部喋ってなだめた方が……………いやこっちの方がダメだろう
陽「ほら、さっさと事件解決しましたっていいに行こうぜ」
小町「解決?ただ吹っ飛ばしただけじゃないか」
陽「実はもう一つ隠された効果があってな…………ここに近づけなくなるんだわ、生きてる間はな」
本当のことなのだがまるでこのタイミングで言うと嘘のように聞こえてしまうのが不思議なところだ
小町「そうなのかい!なら大手を振って言いに行こう!そしたら休みがしばらくもらえてサボリ放題じゃないか!」
陽「…………さて、俺ももともと与えられた仕事をするべきか
今言ったことは全部映姫に伝えておくからな」
俺のその一言で唖然とした後すぐさま土下座をして言わないでくださいと無言でアピールする小町を無視して映姫の所に戻ろうとする俺、そして俺のズボンの裾を握ってしがみつく小町
別に泣かせるつもりはなかったのだが…………
……………これからもこの世界は回り続ける、今の俺がいなくても十分に回り続ける
小町と一緒にいた時間があるこの事象は何があっても回り続けるだろう
HAPPYEND




