表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方月陽向  作者: 趙餡
154/183

さとり&こいしルート4

陽「…………結構見回った……………と思うか?3人とも」


人里に来て数時間は経ったのではないだろうかと思い始めて来た頃合

しかし未だ日は傾かず未だてっぺんで輝いている

はっきり言おう、今異常なことが起きている

夜ではないはずなのに人は誰もおらず、今道を歩いているのは俺達だけだ

この異常なまでの静けさと明るいのに感じる不気味な薄暗さ、路地裏の影どころかものの影すら墨でもぶちまけたんじゃないかと思うほどに真っ黒に染まっている

そしてなによりーーー


さとり「いいえ…………だってさっきから同じ場所をうろちょろしているような気がします

幾らここに不慣れな私でも分かります、本当に……………ここは今異常です」


陽「だな………………ここは、どの辺りだ?さっきから同じ場所を通ってるって言うのを除いても見覚えのある景色な気がするぞ」


結界…………にしては手が込みすぎている、わざわざこんな結界の仕様にしなくても中に入れば即死の結界でも作った方が早いだろうに

何故わざわざループさせる?


光「…………あれ?ここって迷った光がご主人と出会った場所なのです」


…………そう言われてみればそうだったな

心配になった光を俺が迎えに行って………確かそこの路地裏に入ったら会ったんだよな


こいし「と言うことは……………光ちゃんが入ったあの路地裏から出られるってこと?少なくとも入ったのはそこからだと思うし」


さとり「それは…………幾ら何でも簡単すぎやしないかしら、入った場所から出るというのはあまり得策ではないようにも思えるわ」


確かに……………こいしの言う通りだとしても幾ら何でも簡単すぎる

確かに路地裏に入って…………恐らく出た瞬間結界に入ったと思った方がいいだろう

だが出る時も同じ方法というのは些か安易すぎる作戦でもある、トラップや出られない可能性だってあるわけだから


こいし「でもそれ以外出られそうな事思いつかないよ、この結界自体なんでこうなってるのかわからないんだから」


光「……………結界じゃなくて幻覚の可能性もあるのです」


一軒の民家の前に置いてある桶を見ながら光はそう呟く

何か分かったことでもあるのだろうか?


こいし「何かわかったの?」


光「あの桶の影……………何でもいいから小物を投げてみて欲しいのです」


………?とりあえず光の言う通り適当な小石を作って影に投げ入れる

すると『石が消えた』のである

影に飲まれて見えなくなったとかではない

明らかに民家の壁に当たり、反射して帰ってくるはずの石が帰ってこないのだ


陽「光………よく分かったな

つまりこの桶の影が出口ってことなのか?」


光「まだ断定はできないのです…………けど、一つだけはっきりしたことがあるのです」


真面目顔で桶に近づく

そして桶を持って後ろに歩き出す、なるべく影を踏まないように

そうして歩き始めたその瞬間から『異常が始まった』


陽「か、影が……………!?」


さとり「幻覚でも…………結界でも…………ない

これはその合わせ技だったということですか」


こいし「気持ち悪い………」


今起こってる異常、桶の影が初めにあったところから伸びているのだ、光がいるところまで

考えてみれば、太陽はほぼ真上にあるというのになぜ影が横向きになっていることに違和感を持たなかったのだろう


さとり「…………結界で囲んだところ一体を幻覚に落とす

つまり、ほぼ別空間に閉じ込められてるも同義ですね」


別空間か…………脱出する方法を探さないとな


光「恐らく、この空間はかなり脆いのです

所謂擬似的な世界を作り出したはいいものの太陽の影の向きをちゃんと操作できてない時点でかなり雑に作られているということはわかるのです」


確かに…………日は真上にあるのに影がまるで日の出や日の入りのような影のつき方をしてる時点で凄くおかしいもんな

けどいつまで経っても落ちない日と誰もいなくなったこの空間、それに同じところをグルグル歩かされていたという事実が影のことをさりげなく気にさせないように出来ていたってことか


陽「…………けど、と言うことは『物の影』が出口ってことになるのか?」


光が動かした桶の影はまるで筆で墨を一本の直線のように引き伸ばしたような形になってるってことだ

もし戻れるとしたら適当な家屋に入るだけで戻ることが可能となる訳だが………


こいし「どっちにしろ出るのが簡単すぎる気がするんだけど……………」


陽「だよなぁ……………物の影で戻れるって言うのなら本当に簡単すぎる

なんか罠とかありそうだけど」


そうなるとどちらにせよ一番はじめの『路地裏に入る』っていうのであってるしな………分からないな


光「…………試しに、戻ってみたらいいのではないでしょうか

どちらにせよ手が無さすぎるのです」


陽「…………それもそうだよな」


ものは試し、危なそうなら一気に引き戻してもらえばいいだけの話だ

下手したら出てきた瞬間に敵が襲いかかってくることがあるわけだしな


陽「………よし、俺が先に行こう

この布を俺に巻き付けておくから俺が危なそうだと感じたら引っ張って戻してくれ

危ないと思ったら俺も最初に引っ張るから」


能力で何枚もの布地を作り出し、それを結んで繋げていく

それを繰り返して2mくらいのロープ状になる


さとり「相変わらずものすごい能力ですね…………私の能力とは違い使い勝手もいいですし…………」


陽「この能力だって万能な訳じゃないさ

出来ないことの一つや二つある」


制限が辛いしな…………この布地だって下手したらすぐちぎれそうだしな


こいし「でも………それしかなさそうだよね

私も手伝うけど………本当に危ないと思ったらちゃんと事前に引っ張ってね?死んだら元も子もないんだから……………」


陽「分かってるよ…………心配してくれてありがとうな」


こいしの頭を軽く撫でる

気持ちよさそうに目を細めるが今は急がないといけない、後でまたたっぷり撫でてやらないとな











陽「じゃあ……………行ってくる、危なくなさそうなら俺がお前達を強く長く引っ張るからその時は一気にこっちに来てくれ

危ない時は一回軽く引っ張るだけにとどめておくから」


さとり「分かりました……………気をつけて」


そういうさとりの頭をポンポンしてやると一度深呼吸をして、一気に飛び込む


陽「っ!!」


暗い、まるで日の光どころか何の光も届かないような空間に放り込まれた様な気分だ

だが確実に歩けている、進めているかどうか謎だけど間違いなく歩けている


陽「………………あ、あれ……………?ここは…………」


気づいたら、人里に出ていた

いや、さっきまで人里だったのだが…………俺は周りをキョロキョロする

すると近くにさとり達の姿を確認する

まぁ見回さなくても目の前にいたんだが…………

というかなんか頭がひりひりする…………まさか、壁に頭をぶつけてたのか?


陽「……………まさか解く条件は頭に強烈な衝撃を与えることか?

飛び込むことが正解だと思っていたが…………」


そう言えば幻覚がどうのって話をしていたが……本当に幻覚だったとは……………


陽「じゃあ…………ちょっと気が引けるけど………さとり達の体を引っ張って無理やり頭をぶつけさせて意識をこっちに持ってくるしかないか…………」


解く条件は本当にこれであってるのかちょっと怪しく思えてくるけど実際にこれで解けたんだし………そういや今ここで布引っ張ったらちゃんとこっちに来てくれるんだろうか


陽「すー…………おらっ!!」


一旦息を吸って思いっきり腕に力を込めて引っ張る

すると幻覚にかかっているにも関わらず、ちゃんと引っ張り返さずにこっちに来てくれた………………『引っ張られた力に逆らわず寧ろジャンプして飛び込んできているのだが』


陽「ちょ、まーーー」


だが俺の静止は無論聞こえているわけでもなくそのままギャグ漫画のように頭をぶつけた

子供みたいな見た目をしているとはいえ頭同士をぶつけるというのはとんでもなく痛いものなんだな………………


さとり「う、うーん……………何故か頭が痛みます……………」


こいし「なんでこんなに痛いのさ………………」


光「ヒリヒリとズキズキが同時に来ているのです……………」


やっぱり痛いんだよな…………とりあえず説明はさとりに任せよう、俺だって頭が痛いから俺の考えてることを読んでそれで理解してもらって他二人に理解してもらうしかない


さとり「………えぇ、分かりました

もうちゃんと何がどうなったか理解してますよ」


陽「流石にやることが早い……………んじゃあちょっと説明頼んだ………俺は周りの状況整理しとかないと」


そう言って俺は周りの様子を確かめるために陽鬼か月魅がいないか確認するために民家の屋根に登る、悪いとは思っているが……………


陽「…………………」


少なくとも見渡す限りでは戦ってはないみたいだな

もし弾幕をしていたらどこか不自然に明るくなり場所がわかるのだが今その不自然な明かりが見当たらないので恐らくは俺達を探しているのだろう

今いる場所は人里でも少し離れた場所、所謂端っこだ


さとり「陽鬼達は見つかりましたか?」


陽「心を読んで理解してると思うけど………………いない

少なくとも空中であの罠を張った人物と思ったやつと戦ってる訳では無いみたいだ…………少なくとも『今は』だけどな」


もしかしたら2人が戦って既に勝負が決してる可能性がある

その可能性もあるということは…………『負けている可能性』もあるということだ


さとり「……………心配です、急いで探しに行きませんか?」


陽「人里はでかいんだ、探そうと思えば探せるかもしれないが全員で固まって探しているとすれ違いが起こるかもしれないし、全員個別で探すのは愚策の極みだ」


探しには行く、だがその前提は『敵を見つけて戦うこと』が含まれる

敵を倒してから探しに行く他ない


さとり「………分かりました、けれど二人を探すにしろ敵を探すにしろどうするんですか?ここは人里の端なんですからどちらにせよ探すのは時間がかかると思いますよ?」


陽「………………とりあえず固まって動こう、さとりの能力があれば近くに来れば多分分かるはずだ」


ある一定の範囲内に入れば心を読めるので完全なロボットでない限り何でも発見することは出来るだろう


さとり「分かりました、こいし…………はちゃんといますね

流石にこの状況であの子までいなくなるのは悪化させてしまうだけですし………………」


こっちは4人、敵の数は不明

とりあえず騒がれてないってことはこのあたりで戦いは起きてないってことだ、終わったとしても多少の野次は飛び交ってそうだしな


陽「…………よし、行くぞみんな」


さとり「はい」


こいし「はーい!」


光「なのです!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ