人生はうまくいかないものなのか
時間軸では前話の前になります。
まず最初に…
ディーンのバカヤローーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!
そりゃあ言ったよ。『王族』じゃなきゃ何でもいいと。
だけどまさか今世で生まれた国の『準王族』である『大侯爵家』に転生させられるとは思ってなかった…
嫌がらせかよ、くそっ
黒髪は珍しいらしいが居ないわけではないらしく、特に迫害されるでもなくのほほんと生きている。
穴に落ちてから25年も経っている。つまり、俺は現在25歳。
正式名称ディアン・カイ・ムーブィル
親しい人にはミドルネームの『カイ』と呼んで貰っている。
『未海(未完成の海)』から『カイ(海)』になったのがなかなか面白い。
変わったことと言えば、一人称を公式の場以外は心機一転『俺』にしたことだな。
そんな俺の今までの人生をダイジェストでお送りするとこんな感じ。
何やかんやで幼少期を過ごす。
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15歳、西洋風の我がサンリス国では成人なので城で働き出す。
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16歳、俺が順調に働いてるのを見て高齢の両親は安心して亡くなる。宰相就任。
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9年間ずっと宰相。(今ココ)
宰相の仕事は最初は色々あったけど今はそんなに難しくないし、給料は高額で安定している。
治めている大侯爵家の領地の領民はみんな優しくて、毎年納める税なんかも高くないなんて言ってしっかりと納めてくれる。領民がリラックスできる施設でも作るべきかな…
俺が仕えるべき主は、親友でもあるルーティリアス・アレキサンダー・サンリス。愛称はルース。
妄想癖があるのが玉に瑕だが、俺が仕えるのはコイツしかいないと思える何かを持っている。
うん、とても良い世界だ。
理想の女の子が見つからないけどな。
人生ってそんなにうまくいかないのな…
こんな特殊設定の話を好きだと言ってくださった皆様、ありがとうございます!!