3:部屋で二人きり
そして現在、学校からの帰りの馬車の中で。
私はミルキーを溺愛し、隣に座るクリスもミルキーを優しく撫でる。そのクリスの指は、時々私の指に触れる。偶然触れたのかな、と思うが、ドキッとしてクリスを見ると。ライラック色の瞳が、甘く輝いている。多分、意図的に触れたのだと分かり、急激に心臓がドキドキしてくる。
頬が熱くなるのを感じ、手でパタパタ扇いで、気持ちを落ち着かせようとしていると。
屋敷に到着した。
馬車はまず母屋でジェシカ、アンソニー、私を降ろし、そのまますぐに、離れへと向かう。各自部屋に戻ると着替えをして、その後は勉強部屋に集合する。そこで紅茶と焼き菓子などを出してもらい、それを食べた後、みんなで宿題をする。宿題が終わると、夕食までの一時間は、自由時間になる。ジェシカの恋愛相談を聞いたり、クリスとおしゃべりしたり。クリスにウィルとアンソニーが魔法を習ったり、ウィルにアンソニーが何か相談したり。そうしていると夕食の時間となり、夕食の後は……。
クリスと二人きりで過ごす時間だ。
私とクリスは既に婚約しているので、私の部屋にクリスがきても、誰も何も言わない。ということで今日も夕食の後、クリスが私の部屋にやってきた。
初めてクリスが、私の部屋にくるとなった時。
あの時は本当に緊張した。
クリスは転校初日に帰宅すると、すぐに私の部屋に来たがった。
前世と違い、部屋に乙女ゲーのパッケージが転がっていたり、ポスターが飾られていたり、推しのアクリルスタンドがあるわけではない。
現在の私の部屋は、塵一つ落ちていない。なぜなら私が学校に行っている間に、ケイトによって隅々まで掃除されているからだ。つまりいつ誰が入って来ても、恥ずかしくない部屋になっている。
それでも。
男子が部屋に来たことはないから……アンソニーは家族も同然なのでノーカウント……いろいろな意味で緊張する。前世でも勿論、自室に男子をいれたことなどないわけで。
ただ、ウィンスレット辺境伯家の屋敷は、とても広い。
割り当てられている私の部屋は、一部屋という扱いなのだが。その一部屋の中には、ドアがいくつもあり、寝室、浴室、トイレ、応接室、勉強部屋と、それぞれ分かれている。そしてクリスを通すのは、ソファがある応接室。
ワンルームだから、部屋に入るといきなりベッドが目に付く――なんてわけではない。だからそこまで緊張する必要は、ホント、ないのだけど……。
クリスがこの部屋に来るのは今日で四日目。
それなのに未だ緊張感が抜けない。
でも今日はミルキーもいる。
ミルキーがいるだけで、私の緊張感は、かなり緩和されていた。
「ねえ、ミルキーを銀狼の背中にのせたら……、お互いに嫌がるかしら?」
銀狼を連れ、部屋に入ってきたクリスに尋ねる。
制服から私服に着替えたクリスは、やはり同い年には思えない大人っぽさがある。白いシャツにラベンダー色のジレ、そしてズボンというラフな姿なのだが……。開襟シャツからのぞく胸元を見ると、なんだかドキドキしてしまう。
ちなみに私はラベンダー色のワンピースを着ている。襟と袖と裾に白いレースがついたもので、これを着るとお嬢様っぽく見える。もちろん、クリスを意識して選んだ服だ。
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