カーテンコール:第4話の人たち
●P:プライマン(プリマ)
麗しい美貌を誇る、柔らかな笑顔の優し気な貴公子。
国中の女性を虜にしているのではないかというくらいくっっっっっっそモテるが、幼少期のトラウマにより女性には興味が持てなくなり、男に走った。
幼い頃より伯爵家の令息と道ならぬ恋を貫き、二人の真実の愛に感銘を受けた人々に祝福されて結ばれる。
晩年まで仲睦まじい彼らの姿が目撃されている。長年連れ添っていても、愛する人に触れるときには緊張している様子が見られて微笑ましい、と語られていた。
●Q:クインフォルス家
王弟が臣籍降下した公爵家。
現クインフォルス公爵夫妻はどこか浮世離れしており、次期公爵である一人息子が同性愛者だと公言しても「おやおや」と一言。いきなり伯爵家の次男を連れてきて、面倒を見ると言ったときも「おやおや」と一言。
国王陛下も認める真実の愛の相手としてロジェを紹介されたときは「おやおや……」と言いながら感涙に咽ぶばかりだった。
一方で、一人息子に無体を働いた遠縁の娘とその家族に対しては容赦ない処罰を与えるなど、厳しい一面も持ち合わせている。
●R:ロジェ
田舎の伯爵家に生まれた伝説の天才魔法使い。彼の行使する魔法はどれも幻想のようなものであるが、手違いで公開処刑されそうになった際に見せた『天上の舞台』は、類を見ない大魔法だとして王国魔法史に記されている。
十歳の頃から仕えている公爵家の子息と、真実の愛を貫き結ばれる。王太子殿下とも親交があり、長年公爵夫人として公私に渡って国を支え続けた。
貴族女性からは何故か熱い視線を向けられ、貴族男性からは何故か尊敬の眼差しを向けられている。
●S:シルドガード家
突然、王都で公爵家の若様の側近をしてた次男から、公爵家に嫁ぐことになったと言われて「?????」となっている。
大方、公爵家のお嬢さんにでも見初められたのだろうということで話は纏まるも、新郎二人による結婚式で初めて“嫁ぐ”の意味を正しく理解したため、シルドガード家の関係者は晴れの日に全員で白目を剥く羽目になった。
◆令嬢たち
イケメン次期公爵という極上の餌が目の前にいたために、鼻息を荒くしすぎた猛禽類。餌から虫呼ばわりされているとは露知らず、日々自分磨きと、妙に可愛らしい伯爵家の次男を蹴落とすことに執心していた。
良家のご令嬢とは思えぬあの手この手でロジェを虐めていたが、実は本人たちも「なんかこれ違くね?」と思っている。
薔薇の会結成後は、獄中から声高に「我々は三次元に興味はない!」と謎の宣言をし、プリマとロジェ本人からは完全に手を引いた。
◆令息たち
甘やかされて育ち「あんな弱っちそうなのが貴族で一番偉いのかよ。俺様の家来にしてやるぜ」とゴロをまいてはいけない人物にアヤつけて、心身ともに返り討ちにあった。
しかしこの国、次代を担う令息令嬢がこんなんばっかで大丈夫だろうか。
プリマのことは恐れているが、プリマに執着されてとんでもない変態プレイを強いられて(いると思われる)も壊れることなく、逃げ出すこともないロジェのことは、心から尊敬している。
◆公爵家に滞在していた遠縁の令嬢
家の事情で数日間クインフォルス邸に滞在した。
両親の「うちの子は世界一可愛いから、公爵家の息子に見初められるかも」という親バカ発言を真に受けてプリマに突撃し、親子共々クインフォルス公爵にごりごり消された。
数年後、とある娼館に彼女に似た娼婦がいたとかいないとか。
◆公爵家の新人メイド
細い伝手を辿り、見習いとして公爵家に雇われることに成功。仕事は厳しいけど福利厚生のしっかりしたホワイトな職場で良かったと思うも、子供の強姦未遂現場を目撃してしまい、貴族社会の恐ろしさを味わった。
とはいえ給料がべらぼうに良いので、そこはそれとして公爵家で働き続けている。
◆国王
この国で一番偉い立場だが、周囲からはあまり敬われてないような気がしている。
素直な性格なのはいいが、素直すぎて思ったこと全部言っちゃう上に、下手に権力があって行動力もあるため、とんでもないトラブルになることもしばしば。
王宮務めの官吏たちからは「悪い人じゃないんだけど、良い人でもないんだよなぁ」と評価されている。
腹芸はできないが、礼拝堂に隠した酒のことだけは絶対に秘密。(※みんなしってる)
息子のことは、何だかわからないが何だか怖いと感じている。
◆王太子
素直な国王を見て育ったからか、お腹の中がまっくろに育っちゃった人。
従兄弟とその従者のことを割と気に入っており、本人たちには内緒でたびたび事件に巻き込んで、国内の問題を解決している。
そのうち、じわじわと周囲を固め、国王を口先だけで丸め込んで、穏便に政権交代する予定。
後に隣国の姫を娶るが、これがまた彼に負けず劣らずお腹まっくろなお姫様だったので、二人で結託して、多少の犠牲(主に国内初の同性カップル)と共にこの国をとても良くしていった。
◆王宮警備隊中央隊隊長
王国一の固茹で男と呼ばれるほどの頭の固さ。脳の話ではなく、骨の話。
彼が卵だったら、塀の上から落ちても割れなかっただろう。
規律違反をした隊員には王国一の固い頭突きがお見舞いされるため、中央隊は王国一規律正しい隊として名を馳せている。
好物は、十五分しっかり茹でた固ゆでたまご。
◆王宮警備隊西宮隊
実家の爵位が高く、チョケてウェーイな人材が豊富なことでお馴染みの西宮隊。
公爵家の若造一人に壊滅させられたため、責任をとって解散させられた。
当時の西宮隊にいた隊員たちは「あんときあの人マジ酔っぱッピーだったし! アルコール最強伝説っしょ!」と、しょうもない嘘をついては真っ昼間から酒をかっくらう日々だったとか。
隊長は爵位の高さだけで決まったが、傲慢で横柄で乱暴なためにウェーイ軍団からも全く慕われていない模様。
◆広場の民衆たち
滅多にない娯楽として処刑を見物に行ったが、世紀の大魔術と歴史的な求婚の瞬間を目撃することになった。
興奮のまま「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!」と、見たことをそのまま話しても最初は誰からも信じてもらえず、歯痒い思いをした。
◆薔薇の会
貴族平民を問わず、広く門戸を開放している謎の会合。会員の多くが少女だが、中年女性や男性もそれなりに存在している。
秘密主義で団結力が強く、月一回『春の薔薇園』という会報誌を発行しているということしか情報がない。
根も葉もない噂ではあるが、会の立ち上げには王国の王太子が関わり、国王が在籍しているという眉唾な話もある。
◆吟遊詩人
気ままに旅をしながら、その地で聞いた恋の話を詩曲にして披露するのが生業の青年。
とある王国を訪れたときに依頼された歌を作ったことで、彼はその筋のご令嬢方の間で一躍有名になってしまった。
彼が酒場で「まあ確かに恋の歌だし、自分で言うのもなんだけどかなりの傑作ができたとは思うんだけど……ぼくが作りたい歌はこういう、その、あれじゃないんだよ!」とぶつぶつ言っていたらしい。
通り名は「麗しく腐る薔薇を唄う天才」




