カーテンコール:第1話の人たち
「人物紹介」というにはあまりにコレジャナイ感が強いですが、1話に登場した人たちの紹介と、その後とか日常とかを少しだけ。
●A:アールス
現ブランブルーム侯爵。ぼんやりしてるうちに周囲の過激な人たちに人生を翻弄されて、最終的に死にかけていた人。
いくら子供の頃のこととはいえ、実の姉に人目のないところでハグされたりキスされたりするのはちょっとおかしいかなーと薄々気付いていたが、ぼんやりしていたのであまり深く考えていなかった。
最近の口癖は「早く隠居したい」
●B:ブランブルーム家
そこそこの上級貴族なのに、一族全員詰めが甘いのが欠点の侯爵家。
長く病に臥せっていた当主が、突然奇行に走ったと思ったら快癒していた。謎。
しかし復帰して数年でもう働きたくないとゴネ始め、養子に迎えた息子が成人を迎えると同時にさっさと爵位を譲ってしまった。
●C:セシル
可愛さ余って憎さ百倍の意味を、正しく知っていた人。
子供の頃は、貴族令嬢とは思えないやんちゃなお転婆娘だったが、大人になるにつれて立派な淑女になった。
大人になるって、色々なものを失ったり諦めたりすることだよね……。
生まれてから死ぬまで、ろくでもない男たちに人生を翻弄され続けた。
●D:ディアス
周囲の大人の殆どが人としてアレなのに、どういうわけか真っ直ぐキラキラに育った子供。
ぼんやり侍な義父の教育で、更に真っ直ぐキラキラに育つこととなる。
しかし遺伝子というのは優秀なので、もしかしたら彼が大人になった頃にアレな感じになるかもしれない。ならないといいなぁ。
◆ブランブルーム前侯爵
亡き恋人が大好きすぎて、人としての道を踏み外してしまったおじさん。
実の娘にものすごく嫌われて、なんだかんだあって病気になって死んだ。ちーん。
嫌われていると思っていた娘が病床に毎日花を持ってきてくれるので、なんだ俺ってばそんなに嫌われてないんじゃん、とかニヤついていたとかいないとか。
◆アールスの母
愛のない政略結婚は仕方ないとしても、初夜に夫からいきなり「お前との間に五年間子供がなければ、恋人を第二夫人にして生まれたばかりの娘を認知する」とか言われてさすがに白目剥いた。
あまりに頭に来たので、指一本触れて来ようとしなかった夫に媚薬を盛って、五年のタイムリミットぎりぎりで逆転ヒットを当てた執念の人。
産後の肥立ちが悪くなければ、もっと昼ドラみたいな展開になっていたかもしれない。惜しい人を亡くした。
◆セシルの実母
男爵領の世間知らずな田舎娘だったが、どうやらなんかすごく偉いお貴族様に気に入られてしまったらしい。
五年経ったら迎えに来るとお貴族様は言っていたが、そりゃいくらなんでも無理だろうと思って本気にしていなかった。
娘と二人暮らしの狭くて小汚い家に、べらぼうに高価そうなお衣裳のお貴族様がたびたび入って来るので、生きた心地がしない。
◆男爵
侯爵の秘密のアバンチュールを知ってしまったばかりに、とんでもない爆弾を押し付けられてしまった人。
ある日、娘が女中に「ちょっと! あのおっさんの靴下とわたくしのハンカチを一緒に洗濯しないで!」と怒鳴っているのを聞いしまってちょっぴり涙が出た。
◆男爵家第一夫人
本人は可哀想なあてくし……のつもりだったが、真っ昼間からギラつく宝飾品やド派手なドレスで茶会に参加し、べらべら家の恥を話しまくって全く可哀想感が出せていなかった。
当然、良識のある淑女たちからは毛虫のように嫌われていたが、一部のウワサ大好き淑女BBAからはある意味大人気だった。
◆男爵家長女
目が痛いくらいド派手な色彩感覚を持つ母親に育てられたため、十歳にして目が潰れるくらいド派手なセンスをもってしまった子。カエルの子はどうやってもカエルにしかなれない。
父が亡くなり侯爵からの援助も無くなってからも、母親譲りの気の強さと金使いの荒さで家は傾きに傾いたが奇跡の低空飛行でギリギリ没落は免れる。
しかし当然、十五歳になっても彼女と結婚したいという男は現れなかった。
せめて爵位が高ければ、もう少しなんとかなったかもしれないのに。無念。
◆騎士学校の同期
全寮制で世間から隔絶されていると思われているが、多くの訓練生はこっそり夜の街に繰り出したりしているので、割と世間のゴシップには詳しい。
辛い訓練と厳しい勉強の合間の息抜きとして、これは教官たちも見て見ぬフリをしている。
ただし、外の話をうっかり学内でした訓練生の部屋には“鬼教官のドキドキ地獄レッスン”の招待状が届けられ、半死半生の特別授業を受けることになる。
そのため学内では決して外の話は出ないので、街に出ない真面目な訓練生の耳には世間の噂は届かない。
◆ブランブルーム家の家令
勤続四十年の大ベテラン。歳をとってから、急に耳が遠くなって都合の悪い話が聞こえなくなったり、急に腰が痛くなって都合の悪い場所に行けなくなったり、急に目が見えなくなって都合の悪いものが見えなくなったりすることが度々あったが、それを差し引いても優秀な家令だった。
しかしさすがに真夜中にいきなり呼び出された挙句、死体と血だらけの部屋を片付けろと当主に言われて退職する決意をした。
◆ブランブルーム家使用人たち
高位貴族なのになんか変な家だなーと思い、ついつい出入りの業者に愚痴を溢していたら、いつの間にかその話が小説や舞台になっていて青褪めた。
更に、当主がとうとうおかしなことを言い出したことに始まり、呪われた令嬢は病を患って田舎へ静養、長年勤めていた家令の突然の引退と次々起こりてんやわんや。
この混乱の最中に暇を出された使用人も多くいたが、残った者たちは前より高い給金と高待遇になったため、変な家だけどまあいいかーとそれなりに納得して働き続けている。
ぼんやり侍な当主のぼんやりに毒されてきているのかもしれない。




