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ガールズトーク

セインさんではなくて、テトラさんにパーティに誘われたのは事実の為、上手い言い訳が見つからない。焦る私は必死に思考を巡らせて、何か良い言い訳は無いか必死に考える。


しかしそう簡単に出てくるわけでもなく、


「ご、ごめんなさい!」


謝るしかなかった。それはもう土下座の勢いで頭を下げて謝る。



「はぁ……もういいよサーラ。誘ったのはテトラ様だもん。サーラは悪くないから……悪くないからぁ、テトラ様のバカぁぁぁぁ」

「という事はサーラさんはセインさん達と迷宮に行くんれすね」


うわぁクゥさん思いっきりほおっておいてる。


「あ、まだ返事はしてないんです」


そう言うとアーテミスさんに私の顎をクイッと上げられ、私の目を真っ直ぐ見つめてくる。


「なら私と共に()こう」

「えーっと……」

「何を迷う必要があるんだ。私には君が必要だ。必要なんだ」


下手に男が言うとひかれそうなセリフもアーテミスさんが言うと様になっていると言うかカッコいい。思わずはいと返事しそうになってしまう。

だけどそれも隣で黙って見つめてくるアリエルに気がついて言葉を飲み込む。


「えーっと……あはは、少し考えさせてください」

「な、私の申し出が断られた!」

「アーテミス、断ってはいないですよぉ」


それでもショックだったのかアーテミスさんは落ち込んでしまう。


「良い返事を期待しているのれすよ」




ひと段落したところでカトレアさんが余計な事に気がついて、それを言ってしまった事によりまた話に火がついてしまう。


「気になったんですけどぉ、ここって2人部屋ですよねぇ? しかもベッドは1つしかないですねぇ」


おっとりしながらもしっかり気がついたことを言い放つ。


「あ、あああ、私、その、えと、寝相が悪くって大きくないと、その、落ちちゃうんです」


慌てて必死にごまかす。


「ふ〜ん……そぉなんだ」


立ち直ったキャッティさんが目を細めてニヤつきながら何か言いたげにしている。



「何か誤解してるみたいだけど、仲良くなって一緒に泊まっているだけ。それのどこか悪い事でもあるのかしら?」


うわあぁぁぁせっかく誤魔化したのにぃ。



だけどあまりに堂々とアリエルが言ったのが功を奏したのか、キャッティさん達のあらぬ疑いの目が晴れたように見える。若干1名だけ嫉妬の目で見つめてくる人がいたけど放っておく事に。



「そういえば、サーラさんあの時どうやって扉を閉めたんですかぁ?」

「そうだ、あの時手も触れずに扉を閉めた」

「あー、実は……」



前々から準備しておいた通り騎士だと明かした。冒険者証には戦士としているので、当然秘密にしてもらう約束をしてからその事を話す。


騎士魔法が使える騎士は、今はマルボロ王国となっているけど、以前はレドナクセラ帝国と呼ばれていて、その国に所属する騎士だけが騎士魔法を扱えた。そして騎士になれるのは男だけとされている。

マルボロ王国になった時には騎士はたった数名しか残っておらず、セッターと言う私の友人が世界の秩序を守る騎士として、独立して今は残った騎士を引き連れて活動しているはず。



「というわけでして、女である私が騎士なのは極秘なんですよ」

「そうなんだぁ、って、じゃあサーラはマルボロ王国の騎士様なわけ!?」


やっぱりそうなるよねぇ。ここは適当に答えなきゃ。


「いえ、今のマルボロ王国に騎士はいないんです。あと騎士道は実は父が騎士だったので、内緒で教わりました」

「でも、武器は剣ではなくて杖れすよね?」


うひゃあ、クゥさんその鋭いツッコミやめてー!


「剣だと、その、バレちゃいますから」

「確かにそうねぇ、でもそんな杖も戦い方も初めて見たわ」


こ、これはまずいじゃないですかぁぁぁ!


この世界には私が持つ(クォータースタッフ)は存在していなくて、一般的な杖といえばどちらかの先端に宝石が埋め込まれたウィザードが扱うものしかない。

ましてや武器として扱われる事などなかった。

しどろもどろになりながら必死に我が家に伝わる一子相伝の杖術と言うものだと説明をした。


もちろん疑いの目で見られはしたけど、空気を読んでくれたのかそれ以上の追及をキャッティさん達はしないでくれた。



「つまり、サーラが騎士魔法を扱えるのは内緒にしたいの。だから貴女達余計な事を他所で喋りでもしたら……」

「い、いいい、言いません。言いませんよぉ」


アリエルがドスを効かせた脅しで口封じをしてくれる。



ここで話のネタが尽きたかと思われた時に、キャッティさんが好きな人の話を持ち出し、また話に花が咲き始める。


「キャッティはテトラさん一筋れすよね?」

「うんうん、でもなぁ、最近テトラ様誰かさんにお熱っぽいのよねぇ」


ギクゥ!


「キャッティ、また蒸し返すような事はぁ、やめましょうねぇ」

「うんうん、じゃあアリエルさん好きな人はいるのれすか?」

「いるわよ?」


その返答に、おおぉぉぉぉぉとキャッティさん達が湧く。


もしかしてもしかしなくても、私との関係をバラすつもりとか!? 今だと女同士だから変な目で見られちゃうよ。


「誰? もしかしてオルカさんとか?」

「違うわよ、オルカはあくまでも仲間。あたしの好きな人は、自然均衡の神の代行者のサハラさんよ」

「あ、僕知っているのれす。黒目黒髪で黒いローブを着た人で、大戦の最中キャビン魔道王国の援軍を引き連れたあと、忽然と姿を消したと言われる影の英雄れすよね?」


か、影の英雄!? 私が?


「あー、それ私も知ってる知ってる。なんかいいよねぇ。表舞台に立たないで裏方に徹する陰の立役者って雰囲気っていうのかな?」

「彼は男の中の男だ」

「私もなんだか興味湧いちゃいますねぇ」


わ、わ、私、なんか人気!?


ついニマニマと顔が緩んでしまう。



「あ、サーラさんは気になってる人とかいるんれすか?」


一斉にみんなの目が私に向き出す。


なんでそこで私に話を振るかなぁ。

困った、なんて言おう。そうだ!私も話に合わせちゃえばいいんだ。


「私もサハラさんですよ。だって格好を見てください。実は彼の真似してるんですよ」


おおおおおお! っと一斉に湧いて納得してくれる。1人アリエルだけ除いて。



そんなこんなで夜も更けていき、クゥさんがコックリしはじめたところで解散になった。





キャッティさん達が部屋から出て行き、2人きりになる。


「えーと、寝よっか?」


アリエルは何も言わずにベッドに横になっている。


あれ? え?


私もベッドに横になるけど、何かおかしい。


「アリエル?」


返事がなく、こちらも向いてくれない。


「アリエル、何か怒ってる?」

「怒ってる」


なんで? どうして? 怒らせるような事したっけ?


必死に思い当たる事はないか考える。けれど全く思い当たるものがわからなかった。


「アリエル、ごめん。なんで怒ってるのか私、わからない、よ……」

「モテモテでさぞ気分良かったでしょう」


あ……


「ご、ごめん。そんなつもりじゃ……」

「やだ。サーラなんか嫌い」


嫌い。その言葉が心に突き刺さる。


「どうしたら……許してくれる?」


その言葉でやっとアリエルが私の方を向いてくれて、ジッと私の事を見つめてくる。


「あたしの言う事なんでも聞くのなら許してあげる」

「聞く。なんでも聞くから許して」


その瞬間、アリエルがしてやったりな顔でニマッとさせ、私を抱きしめて触れてきた。


「え? あっ! アリエル!?」


身体が否応なく反応する。


「なんでも言う事聞くって言ったよね?」

「ズル……くぅうっ、いよ。あっ! はぁあっ! そこは……」


アリエルの指が私の体を這う、何か言い返そうとすると口を塞がれた。私はなされるがままになる……


「サーラ可愛いよ。本当の女の子みたいに声だして感じちゃってる」

「だ、だって……」



そこで不意にアリエルが真面目な顔で私を見つめてくる。


「サーラ……うううん、サハラさん、あたし、絶対に戻ってくるから」


真剣な表情で、少し不安そうにアリエルはそう言ってきた。


これは、ここはこう返すべきなのかな?


必死に(サハラ)であった頃に言ったであろう言葉を思い出す。


「分かった。アリエルが戻ってくるのを俺は信じて待っているよ」


真っ赤な顔をしてアリエルが目をパチクリさせて私を見つめ返してくる。


まずった、かな?


「うぷっ、ぷぷぷ……あはははは。

そんな可愛い声で言われてもねぇ。あはは」

「うわぁ、せっかく頑張って言ったのにひどぉい」

「でもね、ありがとう。大好き」

「うん。私もっ! んっ! あっ!」


まるで楽器を奏でるかのように身体に触れて、甘い声を出させ続けられた。



そして私達は抱き合いながら眠りについた。



本日分の更新です。


なんかジャンル間違えたかなぁと思うようなストーリーになってる気もします。

異世界恋愛の方が良かったのかな?と。


でも恋愛ものは苦手なんで、主力は戦闘とかになるはずなんですが、これはもうどっちなんだろうか……



さて次回更新ですが明日更新です。というか毎日更新出来てます。


話数も稼いであるので、ブックマーク数とかがいくつ達成とかしたら、思わず突発更新とかありえるかもしれません。


最も本編に比べてブックマークが少ないところを見ると、つまらないか、やはり苦手な人が多いのかなぁと残念ながら思っています。


それでは

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