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三賢者同盟VSアミステリア連合 孤軍奮闘白剣姫 編

グレンダイル将軍…コルドバ共和国の最高司令官であり非常に実直な人物

ソロンド…ガルゾフ帝国の重鎮で事実上のナンバー2、軍事、外交にも口を出せる立場で皇帝であるネルリアスにも唯一意見できる存在

東条みゆき…拓斗の幼馴染で剣道の達人、見た目は和風美人だが中身はじゃじゃ馬、戦闘により死亡したがレオの力でゾンビとして行動している、しかしマスターであるレオにも遠慮なしの態度で接している

ステファン・レオ…闇の龍装備を付けるダークドラグナイト、闇の者には絶対的な支配力を発揮し夜の闇でこそ一番力を発揮できる、しかしなぜかみゆきには頭が上がらない

ラインハルト・カナ・ロマーヌ(沢渡香奈)…白剣姫ホワイトソードプリンセスとよばれるアミステリア公国最強の美少女剣士であり軍の最高司令官、そして国民的英雄でもある、拓斗の妹

チャングイ将軍…アミステリア公国の猛将、若いころは”暴走獣”と呼ばれたほどの猪突猛進型の戦士でアミステリアの双璧といわれている一人、ゲルハート将軍とは何かと言い争う事が多いが仲は良い

ゲルハート将軍…アミステリア公国の知将、ナイトの称号を持っている程の手練れだが指揮官が自分で戦う事を良しとしない、計略やはかりごとが得意アミステリアの双璧といわれた一人

フォレスト・シャーロット…ローゼフォン公国の最高司令官兼国務大臣を務める、冷却系魔法が得意で世界三大賢者の一人”氷壁の魔女”の異名をがあるが本人はそう呼ばれることを凄く嫌っている

ローゼフォン・ソレリア・フローラ…ローゼフォン公国の女王、歳も近い事からシャーロットとは仲が良く二人とも美人である事から”ローゼフォンの双華”と呼ばれている

リチャード・ハウゼン(ジェームズ・マクシミリアン)…世界の魔法使いのトップである”世界三大賢者”の一人で”スタネールの大賢者”と呼ばれている。

鳴沢栄治…脳科学の権威でワールドファンタジアのデータはほとんど頭に入っている

ジェームズ・ハワード…第64代アメリカ合衆国大統領

コンラート・ヴィ・リードヴィッヒ…スタネール共和国の第一王子で次期国王、精鋭騎士団”烈風の牙”のリーダー

須賀之清長…ジパングの摂政を務める陰陽師のトップ、”史上最強の陰陽師”と呼ばれていてハウゼン、シャーロットと同じ”世界三大賢者”の一人


エドワルド港はコルドバ共和国の玄関口ともいえる場所である、貿易と交通の要所でありアミステリア公国と同盟を組んだ今ではアミステリアからの物資も多く非常に活気のある港となっている、それゆえに海賊が度々出没するのでコルドバ共和国側もホトホト頭を悩ませていた、コルドバ共和国軍の最高司令官グレンダイル将軍が幾艘もの軍船を率いて港の警備にあたっていた

「グレンダイル指令、今日は海賊共は姿を見せませんな」

甲板の先頭に立ち水平線の先を見つめるグレンダイルに副官が後ろから話しかける

「まあな・・・しかし寧ろ今日は出没してくれた方が有難かったかもしれないけどな」

グレンダイルは副官には聞こえない独り言のような音量でボソリとつぶやく、スタネール共和国より会談の為に訪れる予定の一団を護衛する為に軍船を出したが、どちらかと言うと招からざる客の為先ほどの様な独り言になってしまったのだ

「まぁあれ程の面子が海賊風情にやられるとも思えないけどな・・・」

そんな事を言っているうちに水平線の先に一隻の軍艦が近づいて来るのが見えた、グレンダイルはマストにコルドバ共和国の国旗を掲げ味方であることをアピールするとその船を囲むように布陣し護衛にあたる、本心がどうであれコルドバに来た他国の訪問者が海賊に襲われたなんて事になれば国家としての恥であり、海賊たちと組んで襲わせた・・・なんてあらぬ疑いをかけられても面倒なので国家の威信をかけて護衛にあたっていた次第である、ハウゼンはそんなグレンダイル率いる護衛船団をジッと見ながら清長とシャーロットに話しかけた

「清長、シャーロット、この船団を見てどう思いますか?」

「まぁ悪くは無い布陣だな、正に教科書通りといったところか」

「そうね、基本に忠実って印象ね、これを見ただけで指揮官がどんな人間かわかりそうだわ…私なら小型船でかき回して布陣を崩してから巨大魔法による一斉攻撃で仕留めるかしら」

その答えに思わずハウゼンは軽くため息をついた

「なぜあなた方は戦う事を前提で考えているのですか!?まぁいざという時の事を考えておくのは正しい姿勢ではあるんですけどね・・・」

「当然だ、もしこの連中と敵対した場合どんな情報がいつ役に立つかわからないからな」

「敵対しない事が最善ではあるけれど、いざという時はね・・・それに味方になった場合もこの国の戦力を把握しておくことは必要じゃない」

三人がそんな事をあれこれ話しているうちに無事にエドワルド港に到着する、ハウゼン達が港に降り回りを見渡すと数名の屈強そうな男が上半身裸で大きな荷物を運んでいたのが目に入ったが迎えの人間は見当たらなかった、少し離れた所におそらく迎えの馬車だと思われる数台が停まっていたが勝手に乗り込むわけにもいかずどうしていいか困惑していた、そこにようやくグレンダイルが数名の部下を引き連れ現れる

「遅くなりまして申し訳ありません、私が今回アミステリ公国までの案内と護衛を務めさせていただきますコルドバ共和国軍司令官グレンダイルと申します、よろしく」

グレンダイルは非礼の無いよう毅然として振る舞ったが態度と表情には緊張と警戒心がにじみ出ていた、今回の話し合いが不調に終わった場合、この連中と戦わなければならない・・・という気持ちが隠し切れなかったからだ、促がされるまま馬車に乗り込む一同だが馬車の中に入り椅子に座ると同時に思わずクスリと笑う清長

「どうしました清長?」

「いや、わかりやすい反応だなと思ってな・・・先ほどの船団を指揮していたのも間違いなくあの男だな、軍の最高司令官がアレではアミステリアの連勝もたかが知れている可能性もあるな」

「そうね、あれだけわかりやすい反応じゃ計略とか策略とかにすぐ引っかかると思うし、数も質も劣る兵を用いて戦いに勝てるタイプではなさそうね」

「しかしアミステリアはグランシアにも連勝していますし、コルドバにも快勝していたと聞いています、勝った相手ならいざ知らず、負けた相手を物差しにして相手の力量を測るのは危険ですよ!?」

「そんな事は言われなくともわかっている、しかしこの程度の相手なら勝って当然という判断はあながち間違っていないと思うぞ!?戦いにおいて相手を過小評価するのは危険だが必要以上に過大評価するのも危険だと言いたいだけだ」

「珍しく清長と意見が一致したわね私もそう思う、戦う可能性がある以上、相手の事は正確に把握しておく必要があるもんね、もちろんこれだけで判断するのは危険だけどアミステリアはともかくコルドバ共和国に対しての評価は私も清長と同じだわ」

目を細めため息をつくハウゼン、しかし心の中ではこの二人と全く同じ判断を下していたことは口にしなかった、道中何事も無くアミステリアへの道を進む一同の中でハウゼン達の馬車の一つ後ろの馬車にハワードと鳴沢が乗っていた

「鳴沢博士、あの三人はいつも喧嘩ばかりしている印象ですが、今も当たり前の様に三人で乗り込んでいきましたよね、どうなってるのかね!?」

その質問に鳴沢は嬉しそうに目を細めながら

「いえあの三人はお互いかなり認め合っているんですよ、ただ性格とプライドが邪魔をしてあんな感じになっているだけです、彼ら三人は世界最高の魔法使いですが頭脳の方も世界トップクラスですから、今頃は早速相手の分析を始めていることでしょう・・・全ての面において敵に回したくない三人です、相手が気の毒になるほどですな」

それぞれの馬車の中でそんな会話をしているとはつゆとも知らないグレンダイルは警戒を強めながら真面目に道中の警護を務めていた。

一行がアミステリア公国の居城であるボレルガン城に着いたのは昼過ぎになってからである、移動中の馬車内でアミステリア側が用意してくれた昼食を済ませて、いつでも話し合いに応じることが出来る状態だった、城に着くと三大賢者の三人は誰よりも素早く降り鋭い視線でキョロキョロと辺りを観察し始めた

「これがアミステリアのボレルガン城ですか⁉︎大きくはないですが中々いい城ですねぇ」

「確かにな、しかし攻め手がない訳ではないな」

「そうね、各所に魔力結界が施してあるのが見えるけど魔法防御に関してはどの程度の対策がしてあるのかしらね⁉︎」

到着早々真剣な表情でボレルガン城の分析を始める三人に対し顔を歪めるグレンダイル、アミステリアの国家としての機密がどんどん丸裸にされている気分になってしまったのだ、道中の警護に当たっていたグレンダイルもコルドバの代表としてそのまま会談に参加予定なのでそのまま待機していると、そこにアミステリア側の兵が数人馬車に近づいてきて一同に軽く一礼すると

「ようこそアミステリア公国へ、到着早々お疲れだとは思いますがいつでも会談が始められるように皆会議室で待っております、それとも少し休憩を入れてからにいたしましょうか?それでしたら控え室にてお飲み物を用意して・・・」

ハウゼンは右手を差出しその兵の言葉を途中で遮るような仕草をすると

「休憩は結構、早速その会議室に案内してください」

「かしこまりました、ではこちらへ」

案内の兵について行き会議室までの長い廊下を進んで行くハウゼン達、その時ハウゼンが背後から近づく気配を感じふと振り向くとそこにはジェームズ・ハワードが近づいて来ていた、ハワードは他の人には聞こえないような小さな声でハウゼンの耳元で囁く

「こんなところまで来て今更なんだが私は一体何をすればいい?国と国との交渉の場には慣れているものの今回は少し勝手が違う、私はあまり口を出さない方が良いと思うのだが、しかしそれだと何のためについてきたのかよくわからない、一体どうしたらいいと思うかね⁉︎」

その問いかけにニヤリと笑うハウゼン

「大統領には大変重要な役目があります、しかし何かをする訳ではありません、ただそこにいて下さい」

ハワードにはその言葉の意味が全く理解できなかった

「よくわからないが、普通に居ればよいのだな⁉︎」

その問いにゆっくりと大きくうなづくハウゼン、小首を傾げながら元いた列に並び直すハワード、しかしその意味はすぐにわかる事となる、案内の兵が大きな扉の前で立ち止まると

「スタネール共和国及びその同盟国の代表様御一向お連れいたしました」

と中にも聞こえるように伝える、どうやらこの扉の向こうが会談をする会議室であるようだ、その兵の声に

「どうぞお入りください」

若い女性の声で返事が返ってきた、その言葉を受け扉を開けるとその大きな部屋の左右に一列づつ横つながりに机が並べられていた、右側にはアミステリア公国と連合の代表者と思われる人たちがずらりと座って入口の方に注目していた、案内の兵に反対側の左の席に促され次々と座っていくハウゼン達一向、両陣営左右に分かれ対面するような形で会合する事となるようだ、今回連合の代表として一番前の席に座るハウゼンが向こう側の陣営をつぶさに観察する

『一番先頭の右端にいる人物、風貌からしてあれが”白剣姫ホワイトソードプリンセスの異名を持つラインハルト・カナ・ロマーヌですかね!?確かに美しい女性ですが思っていたより随分若いですねぇ・・・』

左側に次々と座っていくハウゼン達、ハウゼンの横は須賀之清長、シャーロット、そしてキシェロとハラル両国の代表と続く、末席に今回の被害者の立場となるフローラ女王とコンラート王子が座った、護衛の為に付いて来た”烈風の牙”の兵はハウゼン達の後ろで直立して睨みを利かせている、しかしながら今回一同の護衛に任命された”烈風の牙”の兵達は”この面子に護衛などいるのか?”と心の中で少し感じたがそこは任務に集中する事に専念していた、その時香奈を始めアミステリア陣営は少し不可解に感じた事があった、末席に座ったフローラとコンラートの横の席が二つ空いていフローラとコンラートはてワザと二つ飛ばしで座ったようである、なぜそんな事をするのだろう?と感じていた時、香奈は思わず”アッ!?”声をあげそうになった、最後に入って来た二人の人物の内一人は見覚えのある人間だったからである

『えっ!?ジェームズ・ハワード!?アメリカ合衆国大統領がなんで???』

香奈は何とか声をあげずに堪えたが”えっ!?”と思わず声をあげた人物がいた、末席に座っていたみゆきであるレオも声こそ出さなかったがその表情は驚きに満ちていた、みゆきは思わず小声でレオに話しかける

「ねぇあれアメリカの大統領よね!?なんちゃらハワードとかいう・・・」

「ジェームズ・ハワードだ、そのくらい覚えておけ、しかしここにアメリカとはな・・・」

そんな三人の反応を見逃さず鋭く見つめるハウゼン

『向こう側に地球人は三人ですか、これが多いのか少ないのかは別としても中心人物であるロマーヌ殿が地球人であるのは有難い、これで交渉のやり方も少しかえられますからねぇ・・・』

ハウゼンが言っていたハワードの役目とは相手側にどれだけ地球人がいるのか、そして誰がそうなのか?の確認である、イチイチ一人一人に探りを入れるより最も手っ取り早い方法を取ったのだ、つまりハワードを試験用紙の様に利用したのである、しかし香奈もいつまでも驚いてはいられない向こう側の陣営が全て着席したのを確認すると立ち上がった

「この度は遠い所をご足労いただきありがとうございます、本来でしたらすぐさま歓迎の宴でも催すところなんでしょうが今回はそのような場ではない事はご承知の通りでしょう、まずはこちらから簡単な自己紹介をいたします、そしてそちら側の皆様にも自己紹介をしていただいた後に早速話し合いに入りたいと思います、それでよろしいでしょうか?」

ハウゼンは自分の右側にずらりと座っている自陣営の顔を見渡した、他の面子もハウゼンと視線を合わせるように見つめ返しながら軽くうなづいた、清長だけは目を閉じたまま無反応だったが暗黙の了解と認識し話を進める事とした

「こちら側はそれで構いませんよ」

ハウゼンのその返答に大きくうなづく香奈そして自分から自己紹介を始めた

「今回はアミステリア国王サラボルン陛下が体調を崩され欠席しておりますので、まずは私から自己紹介をさせていただきたいと思います、私はアミステリア公国最高司令官を務めさせてもらっていますラインハルト・カナ・ロマーヌと申します、今回同時に進行も務めさせていただきたいと思っていますのでよろしくお願いします」

香奈の自己紹介を聞きキシェロやハラルの代表がその若さと美しさに驚き思わず声をあげる、そして次々と自己紹介が進んだ、香奈の隣にはゲルハート、チャングイと続きその隣がガルゾフ帝国のソロンドだった、さすがにソロンドは申し訳なさげに顔を伏せながらの自己紹介をする、そんなソロンドを露骨に睨みつける相手メンバーも少なく無かった、そしてアミステリアの重鎮達が自己紹介を終わりコルドバの代表グレンダイル将軍が紹介を終わると末席のレオとみゆきに回ってきた、みなそれぞれ所属国と役職を申告し名乗るのだがみゆきにはそんなモノないので緊張しながら立ち上がり

「東条みゆきと申します、よろしく」

というだけにとどまった、レオに至っては起立もせず

「レオだ」

の一言であった、その態度にやや呆気に取られるスタネール側陣営だったが気を取りなおし発言する

「今度はこちら側ですね私はスタネール共和国のジェームズ・マクシミリアンと申しますよろしく」

「ジパングの摂政をしている須賀之清長と申す」

「ローゼフォン公国最高司令官兼国務大臣を務めていますフォレスト・シャーロットと申します、よろしく」

三人が続けて自己紹介をするとアミステリア側の陣営から思わず声が上がる

「あれが”世界三大賢者”の三人か!?まさかこんな形で見ることになろうとは・・・」

「世界最高峰の魔法使いがここに集結したのか、こんな状況じゃなければ家族にも自慢できる場面なのにな・・・」

「あんなの相手に話し合いとか冗談じゃないぞ・・・」

三人の名と雰囲気に圧倒されるアミステリア陣営、そして次々と自己紹介を済ませる、ハワードと鳴沢が自己紹介の為に立ち上がろうとした時、咄嗟にハウゼンが口を挟む

「あの二人は今回アドバイザーとして来ていただいたハワード様と鳴沢様ですよろしく」

出鼻をくじかれ自己紹介ができなかった二人は頭を下げるだけにとどまった、そうしたのは何かハウゼンに意図があるのであろうと考えての判断である、そしてフローラ王女とコンラートが自己紹介を終わりいよいよ話し合いは本題に入った

「さて全員自己紹介が終わったところで本題に入りたいと思います、まず今回の事態に対しての説明をガルゾフ帝国のソロンド大臣にしていただきたいと思っています。ソロンド様よろしくお願いします」

力なくうなづき立ち上がるソロンド、そして今回の詳細を説明し始めた、グランシアの計略にまんまと引っかかりフローラ王女とコンラート次期国王には本当に申し訳ないと深々と謝罪した、その時キシェロの代表であるバレンシアという男が声を荒げて

「ふざけるな‼こちらは現女王と次期国王が暗殺されかかったのだぞ!?スミマセンで済むか‼そちらは一体どういう意図でそのような蛮行をおこなったんのか?そして今後どうするつもりなのかお答え願いたい‼」

ソロンドはもう一度事の詳細を説明すると最後に

「今回の件は本当に我が国の失態であり弁明の余地もありません、しかしながら皇帝陛下を処分してしまっては我が国自体が崩壊いたしまする、誠に勝手な提案ではありますがこの私の首をもって今回の失態を納めてはいただけませんでしょうか?」

深々と頭を下げるソロンド、その覚悟に一瞬たじろぐバレンシア、その時清長が一言発した

「その程度では足りんわ」

そこにいる全員が清長に注目する

「こちらは現女王と次期国王が狙われたのだぞ、そんなジジイの首一つで何とかなると思っているのか?」

アミステリア陣営だけでなくスタネール陣営すらも思わず息を飲む、それにシャーロットも続いた

「そうね、ローゼフォン公国女王の命がそんな軽いものだと思われてては心外だわ、そちらには悪いけどそんな条件では承諾しかねるわね、今回の事をそんなに甘く見ないで頂戴」

頭を下げたまま汗をダラダラ流し血の気が引いていくソロンド、そんなソロンドを見かねて香奈が口を挟む

「今回の件に関しては全面的にこちらが悪いと認めております、こちら側にできる事であればそちら側の要求に沿えるよう努力したいとは思っております、実際我々はどうすればいいのでしょうか?そちらからのご提案があるならば拝聴したいのですが」

アミステリア側は思わず息を飲む、今回の事態を考えればどんな要求をされても文句は言えないというほどの大失態である、どれほどの賠償金や領土の分割譲渡を要求されるのか!?それとも一気に宣戦布告されるのか?戦々恐々でスタネール側の沙汰を待つ、すると不意にハウゼンが口を開いた、がその提案の内容は意外な程容易いものに感じられたのだ

「今回の事態に際し我々陣営を争わせる為に仕組まれたモノであるというソロンド殿の主張は至極理解できるものです、ならばこの機会に両陣営を統括し八か国による連合を結成する事こそ大事なのではないでしょうか!?」

思わぬ展開に驚きを隠せないアミステリア側のメンバー、さらにハウゼンの話は続く

「グランシアの暴走を止める為にも、世界から争いを無くすためにもこの両陣営の統合は必要不可欠なのではないでしょか?おそらくそちら側もそう感じていたと思いますが?」

その問いかけに大きくうなづく香奈

「はいその通りです、いずれかはそちらと統合して巨大連合を形成できたら喜ばしいと常々思っておりましたが・・・」

その言葉にニヤリと微笑みうなづくハウゼン、そして話を続けた

「この両陣営が統合されれば全てにおいてグランシアすら圧倒する事が可能な連合が結成されることは間違いありません、それはここにいる全員の意思と言ってもいいと思います、ですから我々はこれを機会に両陣営の統合を提案いたします」

その言葉を聞いたアミステリア陣営は”ワッ”と沸いた、どれほどの過酷な要求を提示されるのか!?と戦々恐々としていた所に寧ろこちら側も望んでいた事を提案されるとは思ってもみなかったからだ

「それが実現すれば凄い事になるぞ!?」

「正に世界最強の連合という事になるな」

「グランシアなどもう恐れるに足らん、いつでもかかって来いというほどだな」

沸き立つアミステリア陣営をよそに腑に落ちない香奈が口を開いた

「あのマクシミリアン様、その提案は本当に有難いのですが・・・」

香奈はあまりに話が上手過ぎると感じ、どういう意図なのかと探ろうとした、確かに向こう側からしてもこちら側との統合は考えていたであろうがあまりにも・・・という不安が頭から消えなかった

「ロマーヌ殿、そこまで警戒されないでもよいですよ、これはこちら側も事前に話し合って決めていた事ですから、これが実現すれば八か国による巨大連合が結成されることになりますが、そうなると一つの問題が浮上します、各国の意図や要望が違う方向を向いてしまい意見が合わなくなってくることです、大所帯になればなるほどそう言った問題は起こりやすくその問題が大きくなれば連合崩壊という事態になりかねません、細かい条約の締結などは後々話し合いで決めるとしても大前提として連合としての意見が提案された時、各国がそれぞれ一票づつ持ち多数決により方針を決めたいと考えております、よろしいですね?」

そのハウゼンの提案に厳しい表情を見せる香奈

「非常に有難い提案ですがその条件では承諾できません、申し訳ありませんが・・・」

香奈の一言に湧き上がっていた場内が一瞬で凍り付いた、その時ゲルハート将軍も香奈の意図に気が付き顔を歪めた、それを不思議に思ったチャングイ将軍が隣のゲルハートに小声で問いかけた

「おいゲルハート、お嬢は何で今の条件を蹴ったんだ?俺にはすごくいい話だと思うんだが・・・」

「それはですね”多数決”というシステムが問題なのですよ・・・」

「なんでだ?メンバーが増えれば意見も割れるのは当然だし八か国もあったら全員の意思や要望が一致するなんて事有り得ないだろ!?多数決ってやり方は我が国でも多く取り入れられている方法だし、俺には至って公平だと思えるんだけどな・・・」

「良く考えてみてください、あちら側スタネール陣営は五か国、我々アミステリア陣営は三ヵ国という事は多数決をした場合5対3で負けるという事なんですよ」

”あっ!?”と声をあげるチャングイ、しかし再び問いかける

「でもよ、向こうのメンバーだって必ず同じ意見とは限らないし一か国でもこちらに取り込めば4対4に持ち込めるじゃねーか!?」

そのチャングイの問い掛けに目を細めて静かに答えるゲルハート

「多数派に対しての切り崩し工作というのは思っている程簡単じゃないんですよ、しかもこちらにはガルゾフがいます、今回の件でスタネールとローゼフォンに対して引け目を持っているガルゾフはそれを材料に脅されれば簡単に向こう側に寝返るでしょう、それに今回の事でわかったと思いますがガルゾフはおいしい話をぶら下げてやれば必ず乗ってきます、つまり相手側を切り崩すよりもこちら側が切り崩される可能性の方が遥かに高いということです、何と言ってもあちらには”世界三大賢者”がいますから陰謀策謀で勝てるとはとても思えません・・・つまり事実上は5対3どころか6対2なんですよ」

あまりの事に唖然とするチャングイ、しかし思い直し再び語り始める

「で、でもよ俺達が属国としてこき使われるって事じゃないんだろ!?あくまで立場は対等なんだし、今回の件で無茶な要求をされるよりはマシだと思わなくもないが・・・」

「その意見にはある程度同意です、しかしロマーヌ殿はもっと危惧する事があると判断したのでしょう、それが何かはまだわかりませんが・・・」

二人がそんな話をしている時ハウゼンが香奈に問いかける

「何がご不満なのですか?私達は精一杯譲歩した条件を提示したと思いますが、寧ろそちらにとっても悪い話じゃないと思いますが・・・」

少し間を置いてから落ち着いた口調で話始める香奈

「はい、そちら側との連合というのはこちらでも以前から望んでいた事であり願っても無いとは思っております、しかし提案が出た時の決定方法が”多数決”というのが承諾できない理由です」

「なぜですか?貴殿の国アミステリア公国でも多数決は多く使われていると聞いておりますが?」

「はい、我が国でも多く採用しております、しかし今回の話ではあまりに危険だと判断しました、それは多数決というシステムは多数派の意見を取り上げるという裏側に少数派の意見を切り捨てるという側面があります、具体的に申しますと今回我らとの統合が成立し八か国による巨大連合が成立すれば確かにグランシアすら圧倒する戦力を持つことになります、しかしそれをグランシアが黙って見過ごしてくれるでしょうか?」

香奈の意見を聞きシャーロットが問いかける

「言っている意味が分からないわね、グランシアが黙って見過ごせなかったらどうだっていうのよ?統合前に攻めて来たってそんなの返り討ちにしてやればいいだけの話じゃない、今のままでもそれができているんでしょ!?」

香奈がゆっくり首を振る

「そうではありません、グランシアが恥も外聞も捨ててこちらに対抗するために他国と連合を組もうとしたらどうするのか?ということです、まだ世界には我々やグランシア以外にも列強と言われる国はあります、メルトラント王国やゲルムガルン連邦などと連合を組む気配が出てきたらどういたしますか?」

シャーロットの眉がピクリと動いた、ローゼフォン公国の隣国であるゲルムガルン連邦には今まで散々苦しめられてきていて、先日もフローラの姉シェリルが死んだ原因もゲルムガルンの策略のせいだったのであった、香奈が話を続ける

「グランシアの動向は通商連合から逐一報告されていました、我々もそうでしたがおそらくそちら側にも連絡は入っていたと思います、各国諜報機関を持ってはいるでしょうが情報の速さと正確さにおいて通商連合に勝るところはありません、おそらくグランシアの大陸制覇を阻止する意図があって我々に情報を流していると思われますが、そういった側面からも我々に知られずにグランシアが秘密裏にそれらの国と連合を組めるとは思えません、そこでグランシアが連合を成立させる前にダメージを与えて阻止するのか?それとも見過ごすのか?いっそグランシアに侵攻し滅ぼしてしまうのか?という選択肢が出てきます」

その時香奈の意図にようやく気が付いたゲルハートが”アッ!?”と声をあげた

「おそらく見過ごすという選択は無いと思います、であればダメージを与えて阻止するのか?グランシアを攻め滅ぼすのか?という二択になりますがそうなった場合、ダメージを与えて阻止するといったような対処療法的な消極的な策よりも”いっそ滅ぼしてしまえ”という意見に傾くのではないでしょうか?その気持ちはわからなくはないですが我々アミステリアは侵略の為の軍は出しません、これは国家としての理念ですから」

そうキッパリと言い切る香奈、それに対して清長が問いかける

「ではダメージを与えて阻止するという選択肢がそれほど優れているというのか?結局戦う事には変わらないだろう、戦う以上敵味方双方に被害が出る事は避けられないし、もしそれで一旦止まったとしても再び力を蓄えて同じことを仕掛けてくる可能性は高い、ならば滅ぼしてしまうという策の方が結果的に良いとは思わないのか?侵略の為の軍は出さないというのは単に綺麗事を言っているのに過ぎないだろう」

「そうかもしれません、しかし綺麗事というのは言い換えれば理想です、現実は理想通りにはいかない事は嫌というほど知っていますがそれでも国家として理想を追い求めるという姿勢は捨てたくは有りません、それに最大の理由はもし戦わなくてはいけない場合でもその理由を他人の決定によって行うという事です、自分たちの意思とは関係なく不本意な侵略戦争をしなければならないというケースだけはどうしても承諾いたしかねます、多数決による決定はその可能性が十分に含まれていますのでその条件は飲めないと言っているのです」

今度はシャーロットが口を挟む

「そんな綺麗事ばかり言っていたら自分の国すら守れないわよ!?結果自国民が侵略によって殺されてもいいっていうの!?」

「そんな事は言っていません、自衛のための戦い、もしくは同盟国を守るための戦いであるならば我々は戦います、基本的には戦いを起させないための抑止力として連合が理想だと考えているのですから、それに先程の話に戻りますがもしグランシアを滅ぼしてしまったら後はどうするのですか?」

その問い掛けにハウゼンの表情が厳しくなった、そんなハウゼンの態度には構わずに香奈が話を続ける

「もしグランシアを攻め滅ぼしてしまったらあの広大な領土をどう分けるのですか?その国の国民や残存戦力は?そして最大の問題はグランシアの財源の元であるケネルカン山脈から出る大量の金をどう分配しどこが管理するのか?という事です、おそらくどんな分け方をしても不平等感が生まれ不平不満が出る事でしょう、そして世界最大国家グランシアを滅ぼしたら我々が第二のグランシアにならないと言い切れますか?」

その意見に即座に反論したのはシャーロットである

「そんな事にはならないわよ‼グランシアに代わって私達が世界征服に乗り出すっていうの!?馬鹿馬鹿しい・・・」

「そうでしょうか?人間は変ります、特に力を持った人間は変ってしまいます、あなたの祖国ローゼフォン公国もゲルムガルン連邦より度々侵攻されていますよね?ならばいっそゲルムガルンを攻め滅ぼしてしまおうという気が起こらないと言い切れますか!?」

「そ、それは・・・」

香奈の問いに口ごもるシャーロット、続けて香奈は今度は清長の方を向くと

「清長様も普段から”正成様を世界一の王にするのが目標”と聞いています、もし世界を統一できるだけの力を手にした時、それを行使しないと言い切れますか?」

清長は目を閉じたまま何も答えなかった、ハウゼンは思わず天を見上げた

『う~ん、ガルゾフを暴走させないためにこちらで主導権を握ってしまおうと考えていたのですが・・・こちらにも同じ懸念を抱かれるとは・・・どうしたものか!?・・・』

ハウゼンがそんな事を考えている時、今まで黙って聞いていた清長が口を開いた

「随分と偉そうな御高説を聞かせてくれたがお前の言っている事は危険性があるのでやりたくないと言っているに過ぎない、その危険性を回避するために結果自国が滅ぼされては元も子も無いではないか!?今回こちらは被害者だという事を忘れていないか?その我々がこれほど譲歩した条件を提示しても承諾できないという事ならば交渉は決裂、戦う事になってもやむなしと取っていいんだな!?」

清長のその言葉でその場に緊張感が走る、香奈がどう答えるのか?皆が注目していた

「我々としてはあなた方とは共存を望んでいて戦いたくはありません、賠償金の請求という事であればできる限りの額を支払う用意はありますし、他に要求があればそれに沿えるよう努力はするつもりです、しかし先程提示された条件は飲めません、もしその条件を飲めないなら戦争というのであれば・・・不本意ではありますがお相手いたします」

その香奈の返答に城内がざわつく、清長にしてみれば向こうが喧嘩を買ったという形になってしまったからだ、清長の表情が厳しくなる、その時思わずシャーロットが口を出した

「あなたいくらアミステリアに勢いがあると言っても私達に勝てると思っているの!?」

「勝てる勝てないではありません、これは理念の問題ですから・・・我が国は侵略の為の軍は出さない、自分の意思とは関係の無い戦いはしないという決意です」

そう言い返されたシャーロットの表情も少し苛立ちが見えた

『まずいですねぇ・・・』

ハウゼンの脳裏にその言葉が思わず浮かぶ

『清長も自分の思惑とは外れた展開に苛立ちと焦りが見えますね、当初アミステリアに同情的だったシャーロットでさえ今は熱くなってしまっています、自分より年下の女性にあれ程言われてしまっては・・・元々気が強くて負けず嫌いの性格が仇になっていますね・・・』

清長とシャーロットが香奈を睨みつけるような視線で凝視する、それを目を逸らす事無く真っ直ぐ見つめ返す香奈、沈黙の重い緊張感が場を支配する、その沈黙を破るかのように発言する者がいた

「アンタ達さぁ、みんな凄い魔法使いなんでしょ!?それが揃いも揃って一人の女の子をいじめて楽しい訳!?」

その場に合わない意見を言ったのはアミステリア側の末席に座っていたみゆきである、その意見に対し少し呆れた感じで清長とシャーロットが反論する

「いじめるとかそんな低次元の話をしているのではない、我々は高度な政治の話をしているのだ」

「そうよ、そんな視点でしか見られないお子様は黙っていなさい」

二人の意見に少しカチンときた様子で言い返すみゆき

「何言ってるのよ!?そもそもガルゾフのやった事が原因ならガルゾフに直接言えばいいじゃないの‼大体今回の事でもグランシアの策略だってわかっててこっちにねじ込んで来てるのが見え見えじゃない、しかもその弱みに付け込んで言う事聞かないなら戦争で潰すぞって脅す事のどこが高度な政治的の話なのよ‼」

痛い所を指摘されて思わずたじろぐ清長とシャーロット、しかし元々シャーロットも負けん気が強い、年下の女の子に黙っていい負かされるなんて事は自分のプライドが許さなかった

「そもそもあなたは一体何者なのよ!?アミステリアの人間じゃないみたいだけど!?」

「そ、それはその・・・アミステリアの人間じゃないけどさ・・・」

「あなたが何の権利があって発言したかわからないけど、関係ないなら引っ込んでなさいよ‼」

シャーロットの強い口調と迫力に思わず黙るみゆきだったが、その瞬間香奈が今まで出したことのない程の大きな声で呼びかけた

「シャーロット様‼」

そこにいる一同が驚き香奈を見つめる、呼ばれたシャーロット自身も何が起きたのだろう!?とばかりに驚いていた、そんな一同をよそに香奈が再び口を開く

「その人は私の姉にも等しい人物です、この国の危機を救ってくれたこともあります、だから私の要望でこの場に同席していただいているんです、何か問題ありますか!?」

今までの口調と違って香奈は明らかに怒っていた、その態度がスタネール陣営を驚かせた

「姉・・・」

一言つぶやくようにそう言うとシャーロットは黙って椅子に座り直した、フローラの姉シェリルの一件以来”姉”という言葉にはトラウマを感じているのか、驚くほどあっさり引き下がった 場の空気が悪くなり旗色も悪くなったと感じたのかハウゼンが落ち着いた口調で問いかけた

「ロマーヌ殿、先程もしもの時は我々との戦いも辞さないと言いましたが、それは本気ですか?」

「えぇ、本気です・・・ただそれはあくまで最終手段です、戦いたくはないというのが偽らざる本音です」

「しかし我々があの条件を飲めなければ戦争だと言えば迷わず戦いを選ぶという事でいいんですよね?」

「はい、不本意ながら・・・」

「ではロマーヌ殿に聞きたいのですが戦いには大義というモノが必要です、何の為に戦うか?兵は命を賭けて戦うのですから当然です、侵略者から自国民を守る為、自由と権利を勝ち取る為・・・戦う理由は様々ありますがもし今回我々と戦う事になったらそちら側にどんな大義があるというのですか?そちら側が原因で今回の騒動が起こりました、しかもこちらとしては過度な要求は一切せず最大限の譲歩をしたつもりです、それにもかかわらず戦うという事であれば兵士や国民には何と言って説明するのですか?そこにどんな大義があるというのでしょうか?ぜひお聞かせ願いたい」

「そ、それは・・・」

言葉に詰まる香奈、さらにハウゼンが話を続ける

「それにこう言っては何ですが我々とそちら側では戦力が違います、こちらは我々三人ばかり注目されていますが、我が国の精鋭部隊”烈風の牙”やジパングのサムライ軍団と陰陽師衆の戦闘力は凄まじいですよ、それにローゼフォンには”魔道化学兵器”という物があります、詳細は言えませんがこれは魔法と科学を融合した兵器です、ロマーヌ殿にはその意味わかりますよね?」

ハウゼンの言葉にたじろぐアミステリア陣営一同、香奈自身も厳しい表情を浮かべている

「そんな万に一つも勝てない戦いをして自国民を死の危険にさらすのが本当に国を預かる者のする事でしょうか?理想と共に死ぬのか?現実と共に生き延びるのか?と聞かれ理想を追って死にました・・・で国民は納得しますか?」

厳しい表情のまま言葉を発する事ができない香奈、しかしハウゼンもギリギリの発言なのである、この両陣営が戦うという事態ははもっとも避けなければいけない愚策である、それは正にグランシアの思惑通りになってしまうからだ、それをわかっているからこそどちらも戦争は避けたい、しかしこういう展開になってしまった以上ハウゼン達もスゴスゴと引き返す訳にはいかないのだ、自分達に有利な条件で挑んだ会談で三大賢者が揃って一人の小娘にいい負かされて帰って来たなんて事が知れると非常にマズイ事になる、三人の名前を前面に押し出し宣伝やアピールも兼ねて連合を形成している以上国際的な信用にかかわるからであり清長やシャーロットもプライドが許さない、香奈にしても今回スタネール側も戦いはしたくないであろうという推測からある程度強気に出てはいるものの明らかにヒートアップしている清長やシャーロットを見て内心は焦っていた

「ここまでコケにされて黙ってられるか‼戦争だ‼」

と開き直られてしまったらアミステリア公国存亡の危機である、グランシアを相手にするよりも厳しい戦いになる事は明白だ、というよりまともに戦ったら絶対に勝てない事は先程ハウゼンの言った通りである、沈黙の中凄まじい緊張感が場を支配する、そんな中、当初の思惑から外れて一触即発の雰囲気になっていく今の事態をローゼフォン公国女王フローラはハラハラしながら見守っていた、清長はともかくシャーロットの負けん気が強い性格を良く知っているフローラはいつシャーロットがブチ切れて”こうなったら戦争よ‼︎”と言いださないか心配しているのである、そんな時フローラがふと横のコンラートを見るとコンラートは前を見つめながら汗をダラダラ流していた、鋭い目線で一心に前を見つめるコンラート、その体はかすかに震えてさえいた、そんな明らかにおかしいコンラートの様子を見て

「どうなさったというのですかコンラート様?どこか体調でもお悪いのですか?」

コンラートの尋常ならざる態度に思わず小声で話しかけるフローラ、コンラートは目線を外す事無くフローラに答える

「いえそういう訳ではありません、ただ彼が・・・」

「彼?」

フローラはコンラートが見つめる視線の先を追ってみるとどうやら先頭の香奈では無く末席に座る金髪の青年に向けられていた、フローラも改めてレオを見つめるが特別凄さのようなモノは感じなかった、というよりこの会談の中でレオの場違い感だけが際立っていたのだ、皆がこれだけ白熱して議論を交わしている最中でもどことなく他人事というかその両陣営のやり取りを面白がっている様にすら見えた、ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべ香奈たちを傍観している、最初は病欠の国王の代わりに王の血族の放蕩息子でも数合わせの為に呼んだのだろう・・・と思っていたほどだ

「彼がどうかしたのですか?」

フローラの質問に対し今回も視線を動かさず目の前のレオを凝視しながら答えるコンラート

「私達一族は相手の強さをある程度感じる事ができるという能力を持っています、もちろん正確にわかる訳ではありませんが、こう肌で感じると言いますかある程度の力量は感じ取る事ができるのです、ですから相手側のロマーヌ殿や彼の隣に座っている女性がかなり強い事は判ります、自分と同等・・・もしかしたら自分より強いかもしれません」

「まあ!?あんなに若くてきれいな女性たちがそんなに強いのですか!?」

驚くフローラに対して返事もせずに話を続けるコンラート

「だからマクシミリアン様や清長様、シャーロット様が私より数段強いというのもわかるんです・・・しかし彼は・・・強すぎるんですよ!?こんな人間がいる事が信じられない、いや彼は本当に人間なんでしょうか!?そしてこの禍々しい邪悪な感じは・・・いうなれば悪意の塊のような印象すら受けます」

コンラートは汗をかきながら歯ぎしりをする、それほどまでにレオに脅威を感じたのである、そのコンラートの言動を受けフローラも不安げにレオを見つめた、香奈たちのやり取りを楽しげに見ていたレオがようやくコンラートとフローラの視線に気づく、コンラートの今にも斬りかかってきそうな切羽詰まった様な目とフローラの恐ろしいモノを見るような目がなぜか楽しかったレオは思わずニヤリと不敵な笑みを浮かべた、その時コンラートの中で何かが弾けた、思わずその場で立ち上がり半身の姿勢で戦闘準備に入ると腰の剣に手をかけたのだ

「いけませんコンラート様‼」

重い空気の静寂の中でそれを切り裂くようなフローラの叫び声が会議室全体に響き渡る、皆がその声の方向に注目するとそこにはコンラートに抱きつきながら必死で制止するフローラの姿が見えた、コンラートは今にも斬りかかりそうな表情を崩さず前かがみの姿勢でレオを睨みつけていた、香奈を始めアミステリアの陣営はもちろんハウゼン、清長、シャーロットも一体何があったのか理解できずにその事態に驚きコンラート達を見つめた、しばらくの沈黙の後コンラートが我に返り腰の剣にかけていた手を放す、そしてその場で直立して深々と頭を下げた

「申し訳ありませんでした、私の乱心行為でこの場を乱したことを心よりお詫びいたします、私はこの場にふさわしくないのかもしれません、すぐにこの場から出て行きますので後はよろしくお願いします」

そう言い放ち立ち去ろうとするコンラート、それに対し引き留めるための声をかけたのは何とレオであった

「おいちょっと待てよそこの兄ちゃん、あんた自分がこの場にふさわしくないなんて言ってたが俺の強さを見抜くなんざそっちにいる”三大賢者”とかいうボンクラ共よりよっぽどこの場にふさわしいと思うぜ!?」

レオはゆっくりと立ち上がると両手をズボンのポケットに入れたままハウゼン、清長、シャーロットの方を向いて語り始めた

「さっきから聞いてりゃアンタら随分好き勝手な事言ってたなぁ、そちらの方が圧倒的に強いから戦ったらどうなるのかわかるだろ!?みたいにそこの姫様を脅してたけどよ、俺はそういう自分たちが強いと思い込んでいる奴らを軽くブチのめす事が好きなんだわ」

レオのあまりの発言にハウゼンや清長、シャーロットも唖然として言葉にならなかった、そしてくるりと振り向き香奈に向かって話始めた

「おい姫さんよ、もしよかったら今回も俺がコイツラをブチのめしてやろうか?」

その提案に香奈自身もどう答えてよいか戸惑っていた、その時

「なんだよ姫さん、俺がコイツらを・・・痛ててててて・・・」

急にレオが顔を傾け痛がっていた、それは話している最中のレオの左耳をみゆきが引っ張っていたのである

「アンタって人は!?こんな重要な場でおかしなこと言ってるんじゃないわよ‼全くもう・・・あっ皆さんどうぞ、このバカの言った事は気にせずに話をお続けください」

「おいこの馬鹿女‼放しやがれ‼・・・おい、聞いているのか!?」

レオの左耳を引っ張り自分たちの席に引き戻すみゆき、そんな光景を目の当たりにして呆気に取られる一同、そんな中でハウゼンが思わず香奈に問いかけた

「あの・・・ロマーヌ殿、彼は一体何者なんですか?」

「えっ!?いやその・・・彼はステファン・レオ様と言って我々アミステリアの・・・」

香奈が話している最中に今度は鳴沢が大きく目を見開き目の前の机を激しく叩くと急に立ち上がった

「ステファン・レオだと‼︎君は本当にステファン・レオなのか!?」

今度は鳴沢の行動に驚く一同、問いかけられたレオでさえ少し戸惑っていたが

「なんだこのジジイ・・・テメエ誰だよ?俺の事知ってるのか!?」

その質問には答えず今度は鳴沢がレオを睨みつける、その様子にハウゼンが

「鳴沢博士、彼をご存じなのですか?」

「うむ良く知っておるわい、もちろん面識はないけどの・・・ステファンレオ、フランス在住のプレイヤーでWFワールドファンタジアプレイヤーランキング第四位・・・」

その言葉に鳴沢の反応の意味がようやく理解できたハウゼン

「第四位ですか!?という事はまさか・・・」

そこでようやくうなづく鳴沢、そして静かに話始める

「そうじゃ彼こそプレイヤーランキング第四位 闇の龍戦士 ダークドラグナイトじゃ・・・」

その鳴沢の言葉でそこにいた全員の視線が一斉にレオに集まる、アミステリア陣営の中でも香奈とゲルハート、チャングイの三人以外は知らなかった事なので両陣営の一同がざわつき始めた、そんな中レオが再び立ち上がり鳴沢にゆっくり近づく

「どこかで見た顔だと思ったら、テメエ鳴沢英治じゃねーか!?」

「ほう若いのにワシの事なんてよく知ってたな!?」

「一度雑誌で見た事があるからな、しかしこの世界の創造主様がそっち側にいるとは・・・で?その力でこの世界を作り替えたりするつもりなのか?」

「別にワシだけで作った訳じゃないしワシは単に制作と管理の責任者というだけじゃからの、この世界でも大した力は持っておらんわ・・・しかしのこの世界の事は誰よりも知っておるつもりじゃぞ、誰よりもな⁉︎」

今度は不敵に笑い返す鳴沢

「テメエ・・・管理側の責任者が個人情報ダダ漏れさせていいと思っているのかよ!?こっちが告訴したら絶対勝てるぞ!?」

「そう思うなら裁判でも何でも起こすがいい、お互い生きて帰れたらの話じゃがの」

二人は睨み合いながら軽く笑った、チャングイがゲルハートに小声で問いかける

「おいあの二人何の話をしてるんだ?あの爺さんが世界の創造主だとか裁判とか、個人情報とか・・・」

「私にもさっぱりです、一部の人間しか知らない事実の様ですが・・・何かの暗号かもしれませんが、わからない事は無視しましょう」

「まぁそれもそうか⁉︎」

二人がそんな話をしているとレオはスタネール陣営を改めて見渡していた

「噂に名高い“世界三大賢者”に合衆国大統領、そして創造主様か⁉︎中々の面子じゃねーか⁉︎面白れぇ 姫さんよ改めて聞くがアンタが頼むならまた助太刀するぜ⁉︎どうするよ?」

ハウゼンはジッとレオを見つめながら緊張感のある言葉で鳴沢に問いかけた

「鳴沢博士、我々が三人がかりで彼と戦った場合 勝算はあるのでしょうか⁉︎正直にお答えください‼︎」

その問いに鳴沢は腕を組み目を閉じて考えていたが

「それは・・・わからん」

「わからないとはどういう意味ですか?力が均衡しているから予測すらつかないということでしょうか⁉︎」

その問いには静かに首を振る鳴沢

「いやそういう訳ではない、ダークドラグナイトと戦うならばその条件が重要なのじゃ」

「条件とはどういう事ですか!?どこで戦うか?とかどうやって戦うか?という事でしょうか?」

「まぁ有り体に言えばそういう事じゃが、重要なのは戦う場所や方法では無い・・・」

「では一体なんだというのです!?」

「いつ戦うか・・・つまり時間じゃ」

その時レオの眉がピクリと動く、そして鳴沢は話を続ける

「ダークドラグナイトは七人のドラグナイトの中でもやや特殊でな、昼と夜では強さがまるで違う、夜の闇が深ければ深いほど強さを増すのじゃ」

「ならば昼の明るい内に我々三人がかりで戦った場合勝てますか!?」

「うむ、昼の明るい内なら三人がかりであれば倒す事は可能じゃろう・・・」

清長とシャーロットの表情から少し安堵の色が見えた、しかしハウゼンは質問を続ける

「では夜に戦った場合どうなのでしょう?もちろん三人で・・・という事ですが!?」

鳴沢は目を細め一旦間を置いてから静かに答える

「絶対に勝てん・・・絶対にじゃ」

その答えに清長とシャーロットが驚愕の表情を浮かべた

「我々が三人がかりでも絶対に勝てないだと!?」

「そんな事って・・・ドラグナイトってそんなに・・・」

二人と同じくハウゼンも少なからずショックを受けた、それもそのはず”世界三大賢者”と呼ばれたこの三人は全魔法使いの頂点であり、自分より強い者と会った事すらないのだ、それゆえに自分と同等程度の力を持っている他の二人を認めているのである、その三人が総がかりでも勝てないという宣告に信じられない、というか信じたくない気持ちでいっぱいであった、その思いを清長がぶつける、勢いよく立ち上がりレオを指さすと

「この若造が我々三人よりも強いなどと世迷い事を‼こんな奴私一人でも倒して見せるわ‼」

その言葉に冷静に反論する鳴沢

「止めておいた方が良い、お主一人では昼のダークドラグナイトにも勝てん・・・明るい内ですら三人がかりでようやく・・・といったところなのじゃ、夜のダークドラグナイトとまともに戦えるのはドラグナイトの中でも二人しかおらん程じゃからな・・・」

その言葉にレオが反応する

「二人・・・だと!?」

「あぁ二人じゃ、闇との相性が良い炎の龍戦士フレイムドラグナイトと圧倒的な力で全てをねじ伏せるプレイヤーランキング一位、氷の龍戦士 フロストドラグナイトじゃ」

鳴沢のその言葉に驚きを隠せなかったのはレオも同じである、相性的に炎とは戦いたくなかったため拓斗と共闘する事にしたのだ、それ以外のドラグナイトならば負けるはずがないと考えていたレオにとって、まさかもう一人いた事は予想外だった、レオがその事実に少し動揺していた時ハウゼン達は先ほどとは逆に追い詰められていた、自分達が圧倒的に有利だと思っていた軍事力がたった一人の人間によって覆されようとしたからである、そしてもし戦った場合プライドとか国際的信用などでは無くそれこそ国家の存亡に直結してしまうのだ、そしてなによりタチが悪いのは”昼に戦えば勝てるかもしれない”という可能性である、どうあがいても絶対に勝てない相手というのならば戦うという選択肢を諦め別手段を探すべきだが、なまじ希望があるだけに、迷ってしまう事になる、ハウゼンが再び鳴沢に問いかける

「鳴沢博士、我々三人に加えて各国の精鋭を総動員しても勝率は変りませんか?」

その質問にゆっくりと首を振る鳴沢

「それは止めた方が良いの、恐怖や絶望というモノは伝染する一度それに取りつかれてしまったら止めようが無く広がっていくからの、ダークドラグナイトは絶望、恐怖、不安といった負の感情を糧として力に変えていく、しかも殺された兵はあ奴に使役されて敵に回ってしまうんじゃ、多人数で戦えば戦うほどどんどん敵が増えて行くという寸法じゃ、あ奴にとっては精鋭も雑兵も大差ない、君達にとっては文字通り足を引っ張るだけの存在になってしまうからのぅ・・・」

その言葉に絶句するハウゼン、清長も言葉を失っている、シャーロットが思わず

「何なのよそれ!?・・・そんなの一人で簡単に国を滅ぼせるレベルじゃない!?・・・そんな事って・・・」

「確かにダークドラグナイトは他のドラグナイトと比べても恐るべき能力を持っておる、それゆえに昼の明るい内は弱いという設定・・・いや能力なんじゃ」

静まり返る会議室内、レオの存在で一気に立場が逆転したかに見えたが鳴沢の話を聞きアミステリア陣営すらレオに畏怖を感じてしまったのだ、本来ならばスタネール側との連合を望んでいたのにとんでもないモノを引き込んでしまったのではないか!?という疑念が頭から消えなかった、そこで再びみゆきがレオに近づく

「あんたまたおかしなこと言ってみんなを困らせるんじゃないわよ!?しかもまた喧嘩売ってるの?まだ怪我も治ってないのに」

そのみゆきの言葉に”ちっ!?”っと舌打ちするレオ、それを見逃さずツッコむ鳴沢

「ほう、天下のダークドラグナイトが怪我とは、お主何か重大なヘマでもやらかしたのか?」

意地の悪い感じでニヤけながらレオに質問する鳴沢、その言葉にカチンときたレオがぶっきらぼうに答える

「しゃあないだろ、相手もドラグナイトだったんだから、しかも二人もいたしな・・・まぁ二人ともぶち殺してやったけどよ、お前らは知らないだろうから教えてやるよ、そいつらはグランシアの手先として俺の前に現れやがった”お前も仲間になれ”って勧誘に来たからよ、断ったら迷うことなく殺しに来た、結局返り討ちにして伝言付けてグランシアの皇帝に送り返してやったけどな、まだ三日前の話だ」

レオの話に再び会議室内がざわつく

「グランシアがドラグナイトを配下にしていただと!?」

「グランシアがドラグナイトを探しているという情報は聞いていたが実際見つけていたとは!?」

「おいおい冗談じゃないぞ!?我々が争っている場合じゃないんじゃないのか!?」

ざわつく会議室内で鳴沢がレオに質問する

「そのドラグナイト達の名は何と言った?」

「う~んよく覚えてねーが・・・確かシェルチェンコとアインゼルとか言ってたような気がしたが・・・」

「そうか・・・」

鳴沢は目を閉じ深くため息をついた、慌ててハウゼンが問いかける

「鳴沢博士、その二人も?・・・・」

「あぁビヒテバルト・アインゼル プレイヤーランキング6位の水の龍戦士ウォータードラグナイト、イゴール・シェルチェンコ プレイヤーランキング5位の雷の龍戦士ライトニングドラグナイトじゃ・・・間違いないの」

「ドラグナイトを二人も!?・・・何という・・・」

ハウゼンがその事実に驚くがレオは拓斗と共闘して戦ったという事はあえて言わなかった、そこで香奈が満を持して発言した

「マクシミリアン様そして連合の皆様にも、わがアミステリア公国が小国ながらなぜここまで連戦連勝だったか、その理由をお分かりいただけたと思います、改めて言いますが我々はあなた方とは戦いたくありません、しかしどうしてもというのであればお相手いたします」

その香奈の言葉には一歩も引かないという意思が感じられた、再び追い詰められるスタネールの陣営達、レオは思わずほくそ笑む

『あのお姫さん良く言うぜ、俺が手を貸したのはグランドレッドの時の一回きり、拓斗も一度しか手を貸してないと聞いてるしな・・・あの言い方じゃまるで今までの連勝は全て俺の協力のおかげと聞こえるじゃねーか!?俺は前回も今回もたまたまここに寄ったというだけでいつもいる訳じゃねーのに・・・、全くいい度胸してるぜ』

会議室の緊張感がピークに達する、誰もが一言も発する事ができない状態の中勢い良く立ち上がった人物がいたフローラ女王である

「皆様私から言わせていただいてよいでしょうか?今回の会談は何かの行き違いで一触即発の雰囲気になってしまいましたがお互いの思いは同じはずです、平和の為に、グランシアの暴挙を止める為にお互い協力しできれば共に連合を組みたいという気持ちがあるはずです、我々が争っていてはグランシアを喜ばせるだけという事を全員わかっていながらなぜ戦わなくてはならないのでしょうか?今回は皆熱くなってしまい引くに引けない雰囲気になってしまいましたがもう一度冷静になって考えてみてください、今回のお互いのわだかまりの要因である私とコンラート様への暴挙はロマーヌ様とソロンド様の謝罪をもって解決といたします、これは私とコンラート様が判断した事です、異議は有りませんね!?」

そのフローラの毅然とした発言に誰も反論できずにいた、唯一シャーロットがフローラに問いかける

「でもフローラ、あなたは暗殺者に狙われたのよ!?それを謝罪一つで解決なんて・・・」

その発言にフローラは珍しく厳しい視線と強い口調でシャーロットに言い返す

「黙りなさい‼当の本人である私とコンラート様がそれでよいと言っているのです、これ以上の反論は許しません、いいですね‼」

そのフローラの言葉にシャーロットを始め誰も反論できるはずも無かった、結果フローラの決断が両陣営を救ったのである、その後香奈とソロンドが立ち上がりスタネール陣営に深々と謝罪をした

「今回は本当に申し訳ありませんでした、もう二度とこのような事を起さないようにいたしますのでどうかお許しください・・・そしてありがとうございます、本当にありがとう・・・」

ソロンドと香奈はフローラの配慮に心から感謝した

「はい、わかりました」

先程とは違い満面の笑みで答えるフローラ、その笑顔は”ローゼフォンの双華”の二つ名にふさわしいものであった。


今回2部で終わると思っていたのですが、思ったより長くなってしまい入りきれませんでした・・・

三部はやや短くなるかもしれませんがなるべく早くアップしたいと思いますのでよろしくお付き合いください、では。

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