23 嵐の行方
完結です。
あれから、12年。
この国に、たくさんのことが起こった。
1番早かったのは、フランツル侯爵家の当主及び、末娘の処刑。
セシリーナの兄姉は、計画のことを何も知らず、王家への忠誠が固いということで、刑はまぬがれた。
クレアとフレッドの結婚式も行われた。
袖がなく、裾の膨らみも、やや控えめ。
その奥からは、薄桃色のシルク生地が覗いており、純白のドレスの胸元には、蔓ばらの刺繍が施されている。
ネックレスは、瞳の色と合わせた、小粒のエメラルドが一つ。
手袋の生地は、ドレスと同じだか、こちらには、鈴蘭の刺繍がある。
そんなウエディングドレスを身にまとった花嫁は、アースバル王国史上、最も美しいと語り継がれた。
2年後には、第一子誕生。
のちにその子は、父王と肩を並べる名君となる。
第一王女の下には、王子1人、王女2人の4人兄弟だ。
ホセは、25で、黒髪碧眼の伯爵令嬢と結婚。
仲睦まじく、こちらも4人の子宝に恵まれた。
コーラルは、隣国の王子と政略結婚。
しかし、馬があったのか、とても仲が良く、あちらの習慣である、6年目の蜜月を迎えた今でも、熱々だ。
3年前には、フレッドの父が退位。
だか、未だに元気な前王は、こう語る。
〜 私は、この国を知っているようで、知らない。
たくさんの民のように、この国の良さを語ることができない。
知るためには、王と言う身分は、邪魔でしかないのだ 〜
と。
彼は、今日も、愛する妻と、この国のどこかを旅している。
クレア王妃は、王都をはじめとする、国の15箇所に、誰でも入れる図書館を建てた。
いつでも入ることのできるその場所は、天窓から見える月に魅入られた誰かがそう呼んだことで、
『月夜の図書館』
その場を造った王妃は、
『月夜の女王』
と、二つ名がついた。
人々に愛された彼女の最期の言葉は、
誰かを愛しなさい。
そして、笑なさい。
たくさんの経験をした彼女の、人生の答えだったのかもしれない。
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恋愛色どこだ⁉︎
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