表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい  作者: 椰子ふみの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/41

ミヤの報告 2

1、お嬢様がドラゴンをブランという名で従魔としました。ポチそっくりだったのですが、今は白くて小さくなっています。

2、お嬢様は王太子ジョージ殿下に勧誘され、生徒会に入りました。

3、ジョセフィン様はお嬢様の友人になりました。おかげでお嬢様のマナーが洗練されてきています。

4、お嬢様の弟子、ライル様は武闘会でジョージ殿下と共に優勝されました。

5、お嬢様は武闘会で治癒に勤しみ、ファンを増やしました。添付のリスト1はその内、婚約を申し込む可能性の高い生徒のリストです。

6、お嬢様はクロスステッチで絵画を作るという新しい刺繍を生み出し、ハーモニー学園にブームを巻き起こしました。同封のハンカチは父様にとお嬢様が刺繍したものです。

7、裏山でのライル様とお嬢様の修行に生徒会のメンバー全員が参加することになりました。武闘会でのライル様の活躍からジョージ殿下が参加したいと言ったところ、他のメンバーや護衛の方まで参加することになりました。添付のリスト2がメンバー一覧です。

8、ライル様とイアン様がお嬢様にアピールし合い、それをジョージ殿下が観察しているようです。


 ミヤの報告書をヴィオラの父、ハイラムは握りつぶした。


「こんな、いろんなことがあったのになぜ、ミヤはこまめに報告しないのだ。ヴィオラもヴィオラだ。生徒会に入ったので忙しくなりました。落ち着いたら、連絡しますって、ヴィオラが落ち着くことがあるのか」


 ヴィオラの母、マドラはハイラムの肩に手をのせた。


「今回、侍女達が騒いでいるので、わかったんですけど、学園にいる間にヴィオラに忠誠を誓う人が何人出るか、賭けをしているそうです。しかも、ミヤが胴元。忠誠者が出た時に賭けの参加者に連絡するついでに私たちに報告しているようです」

「おい、ということはもう、忠誠を誓った者が二人いると?」

「前回はイアン様、今回はライル様だそうです」

「あまりにも勝手すぎる。ミヤ以外にヴィオラにつける侍女はいないのか」

「みんな、ヴィオラ信者になってしまうから、ヴィオラの歯止めにならないんです。少なくとも、ミヤは対外的には正しい行動が取れるので」

「……仕方ないか。それより、このブランというドラゴン、ポチそっくりというが、ポチなんだろうな」

「ポチであれば、いいんですけど。ドラゴン二匹を従えていたら、もう手に負えません」

「おまけにジョージ殿下まで従えたら」


 ハイラムはぶるっと震えた。


「でも、やっと、お友達ができたって。私、夢が叶いましたわ」

「うむ。あの子のマナーを向上させるなんて、なかなかすごい友達だな。刺繍のブームが起きたのもジョセフィンという子のおかげだろうか」

「見てみましょう」


 ハイラムは包みを開けた。出てきたハンカチに一面に施された刺繍の柄はヴィオラの顔だった。


「これ、ハーモニー学園の受験の時に作った肖像画の絵だわ」

「なんて、上手いんだ。これは執務室に飾るぞ」

「客間にしましょう。この素晴らしさを独り占めするのはずるいです」

「仕事中に見たいんだ」


 その日、二人の言い合いは遅くまで続いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ