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異世界転生して人外娘と恋がしたい!  作者: こま
第三章 囁く狼
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増える虎の猫又

「なんだよあれ」


「大丈夫ニャ。まだ生きているニャ」


遠目だとよくわからないが、ケティに夜と一緒に戦っていたオーガ達はまだ生きているようだ。


少しすればリロイも来るだろうし、状況を察していればアストリッドが先に飛んでくるはずだ。


今は他の物のことなど考えず虎の猫又に集中するしかない。


「ケティもとに戻る?」


「だとしてもカウンターしかダメージが入らないならこのままの方が戦いやすいニャ」


「なら作戦は変わらずだよな」


そう言ってヒロが前にでる。


虎の猫又の前にはヒロたち3人しかいない。


まだ村にオーガ達は残っているが、虎の猫又はヒロたちを倒そうとするだろう。


予想通り虎の猫又がヒロに襲い掛かる。


それにあわせ盾に攻撃が当たるか当たらないかのタイミングでケティが顎を思い切り蹴り上げた。


虎の猫又はたまらず後ろに飛びのいたところをミカゲが止めと言わんばかりに思い切り金棒を振り下ろした。


しかしボヨンといった感じにミカゲの金棒が跳ね返される。


それにあわせて少し弱くなっていた虎の猫又の纏っている補脳が勢いを増した。


「ミカゲ、今のは魔法だった!?」


「もう魔力残ってないよぉ」


「ケティ聞いた?」


「多分同じこと考えているニャ」


ミカゲの返事にヒロとケティが顔を合わせる。


二人が考えているのはこうだ。


虎の猫又の能力は物理攻撃を蓄積し爆発のエネルギーに変える。


先ほどの大爆発はヒロたちが合流するまでのオーガ達が与えたダメージだろう。


ならしばらくはあの攻撃に怯える必要はない。


「ミカゲ、攻撃はカウンターだけを狙ってこちらからの攻撃は仕掛けないで!」


「え?なんで」


「あいつは魔法以外に攻撃を吸収する力があるんだ。その力が無くなるのは攻撃の瞬間だけ」


「そっかぁ、わかったぁ」


本当にわかったのかわからないが、ミカゲからはあまり緊迫感が感じられない。


長所なのか短所なのかはわからないが、今はその方がいいのかもしれない。


虎の猫又が今度はミカゲに飛びかかっていく。


先ほどのケティの攻撃でヒロへの攻撃を警戒したのか、それともミカゲを使って爆発のエネルギーを貯める為だろうか。


ミカゲが攻撃に合わせて金棒を振る。


攻撃は虎の猫又に直撃したが、またボヨンと金棒が弾かれミカゲが体当たりをもろに受ける。


虎の猫又はカウンターを狙うのを分かっていたのだ。


なので物理攻撃を吸収する状態になるように攻撃ではなく飛びかかって来た。


虎の猫又に攻撃の意思がなかったとしても、ミカゲとの体格差でぶつかるだけでダメージになる。


ミカゲが覆いかぶされる状態になり何とか蹴り飛ばさそうとあがいているが虎の猫又は全く動く気配がない。


少しずつ虎の猫又の炎が少しずつ大きくなっていく。


どうやらこのままミカゲを使ってエネルギーを貯めるつもりのようだ。


「ケティ、どうする?」


「どうもこうにも何も思いつかないニャ」


「ホエールキャノン!」


突然、大量の水が虎の猫又に放出される。


驚いて水の出所を見ると全力で走ってきていたのかセラが肩で息をしながら両手を掲げ魔法を制御している。


「ヒロ様お待たせいたしました。」


いつの間にかカラスがヒロの前に片膝をつき現れる。


「よかった。あいつは魔法攻撃以外は攻撃のタイミング以外はきかない。あと物理攻撃を吸収して爆発を起こすから無駄に攻撃しないように」


「承知」


カラスはすぐにセラの方へと走っていく。


どうやら言わなくてもセラの護衛に集中してくれるようだ。


虎の猫又がホエールキャノンによって押し流されミカゲの上からどく。


ホエールキャノンは本来大きいモンスターを押し出すものではなくボロ雑巾の様にする魔法なのだが、ここ最近戦っている敵はやたら硬いやつが多い。


「ミカゲは俺の後ろに!」


ホエールキャノンが終わったのを確認してミカゲの前に立って盾を構える。


今の状況から言うと次にセラが使うのは上級魔法のフリーズダスト。


効くかはどうかは分からないが虎の猫又から攻撃を仕掛けてこなければこちらは何もすることが出来なくなる。


次の攻撃はいつかと虎の猫又のを見るとなにやら様子がおかしい。


全身がピクピクと震えているのだ。


「ケティ、ミカゲ」


名前を呼ぶと二人が念のためにいつでも盾の陰に隠れられる距離まで近づいてくる。


虎の猫又の体が破裂音を上げて爆発する。


だが、先ほどの爆発ほどの威力はない。


焚火などに竹などをいれて爆発した感じだ。


虎の猫又のからだが真っ二つに裂け左右に倒れる。


その後、体のそれぞれがドロドロと赤いマグマのようになりそれぞれが元の虎の猫又の姿になった。


尻尾もそのままなので妖精の森に行く途中に戦ったマモンとは違うようだ。


でも、なんで今分裂したのだろう。


奴の能力ならと戦っているときから二つに分裂した方が早かったはずだ。


なのになんで……。


ふと嫌な予感と共にある映画を思い出す。


「セラやめろ!」


咄嗟に声を上げたが間に合わなかった。


「フリーズダスト」


セラの魔法で二匹の虎の猫又を白い霧が覆う。


あの霧の正体は小さい氷の刃の集合体で、セラの合図で回転をはじめ敵を切り刻む。


霧が回転すると中から破裂音が二回起こる。


その後、霧が晴れると虎の猫又は4匹に増えていた。


「水はダメだ。あいつは水で増えてる!」


正直、水で増えたのかウンディーネの力が関係した魔法で増えるかは分からないがとにかくセラの魔法はダメだ。


「0時過ぎに飯食べたらもっと強くなるんじゃないか」


「ニャ、何を言っているニャ?」


「俺の世界のグレムリンみたいってね」


「ニャ!?グレムリンがいたのかニャ!?」


「話はあとだろ」


ケティがやたら気が抜けていると思ったら虎の猫又達からの殺気が全くない。


今のうちにと後ろを見るとリロイ達が既に怪我をしたオーガ達の回復を始めている。


あとどの位したら動けるようになるだろうか。


だが、時間の猶予はあまりないようだ。


突然、虎の猫又達が攻撃を始める。


その攻撃はヒロに出もセラにでも他の仲間に向けられたものではない。


一匹の虎の猫又に攻撃を始めたのだ。


まずい……。


このままエネルギーを貯めてあの爆発を連続で起こすつもりだ。


だが、こちらからは一切の打点がない。


一匹だけ身にまとった炎の勢いが凄まじい虎の猫又がヒロに向かって走ってくる。


まずい。


リロイから借りた盾にも耐久の限界はある。


あんなものを何度も喰らうわけにはいかない。


「ぐおおおぉぉっぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉっぉ」


突然横から大槌グラントで虎の猫又が殴り飛ばされる。


大槌グラントはリロイが使う柄の長い武器で、身長の低いリロイでも威力が出るように柄がかなり長い。


だが、今それを使っているのはリロイではなかった。


バッキバキの筋肉を纏った真っ赤な体に頭に生えた一本角。


赤鬼のアンキだ。


バシャッとスイカでも割ったかのように虎の猫又が血と肉をばら撒き破裂する。


「ま、まじかよ・・・・・・」


正直、ちゃんと声が出ていたか分からない。


虎の猫又は攻撃のタイミングだったのかアンキの攻撃は吸収されることはなかった。


「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ」


アンキが雄たけびを上げて残りの虎の猫又に突っ込んでいく。


そして次々とグラントで殴ると虎の猫又達はパンパンと音を立てて地肉をまき散らした。


「ちょ、最初から戦ってくれよ・・・・・・」


あまりの出来事に気が抜けたが、カラスがセラを連れて直ぐにやってくる。


焦っているのか顔色がいつもと違う。


「ヒロ様今すぐここから離れましょう」


「なんで」


「私たちは鬼を戦わせてしまいました」


「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお」


話を割ってアンキの雄たけびが響き渡り、ヒロ目掛けて走ってくる。


「ちょ、ま」


咄嗟に盾を構えたが盾ごとヒロはゴルフボールの様にアンキにぶっ飛ばされた。



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