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異世界転生して人外娘と恋がしたい!  作者: こま
第二章 龍喰らいの悪食
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強力な力

黒?いや白か?


とてつもない音と共に見たこともないエネルギーが雷の様にハルトの指から放出され、目の前の大岩は抉られた様に消失した。


残った岩の断面は高熱で溶けたマグマの様に赤々と溶けている。


これが太陽の精霊アポロの力……ハルトは下級魔法のコロナと言っていた。


って事はさっきの雷はプラズマの一種か何かだったのだろうか。


そんな事を考える間もなく自分の体温の上昇に気付く。


暑い……いや、熱い。


ここら一帯の気温が尋常じゃなく上がった気がする。


今は夜で太陽の光など全くないのに、砂漠のど真ん中で太陽に容赦なく焼かれているような。


攻撃力も凄まじいが強力過ぎて環境にも影響を与えるのか。


これを使いこなせればもうその辺の冒険者じゃ太刀打ちできないほどの戦力強化だ。


「凄いなハルト」


そう言って振り向くと、ハルトは屈みこんでいてオグが心配そうに背中をさすっている。


近付くとドバっとハルトが吐血し苦しそうだ。


「どういうことだ?」


「腕輪のせいだよ」


そう言ってオグがハルトの両腕の腕輪を見せる。


気付かなかったが左腕のジジの腕輪だけではなく、オークの族長のみが扱う事の出来るザザの腕輪も装備しているようだ。


「なんでザザの腕輪まで?これ族長のだろ」


「姉さんが持たせてくれたんだ」


オグの説明によると、ハルトはアポロの力を使うとユニークスキルが暴走してしまうようだ。


初めはジジの腕輪だけで抑えようとしたが上手くいかず、ザザの腕輪も使いかなり強い抑制をハルトにかけたようだ。


それでもアポロの力を抑えきれずに今みたいにダメージが入るらしい。


しかも魔力を使う器官が損傷するのか、この状態から丸1日は魔力が使えなくなるそうだ。


ちなみに、腕輪でユニークスキルに制限をかけていないじょうたいでアポロの魔法を使うとハルトのユニークスキルが暴走し、今より悪い状態。


つまりは死んでしまう可能性があるということだ。


「なら、なんで今俺に魔法を見せたんだ」


「それは……」


オグが話そうとするのをハルトが止め、「――知ってほしかった」と苦しそうに言った。


悪い事をした。


確かに口で説明されただけではどこかでハルトを疑っていたかもしれない。


これだけの吐血をしているんだ、正直覚悟が必要だっただろう。


「わかった。残りの期間、ハルトはアストリッドと回復に関しての取り決めをしてくれ」


ハルトが頷いたのを確認するとオグがハルトを抱き上げた。


抱き上げたっていうか、お姫様抱っこだ。


突っ込もうと思ったが、そのままオグはハルトを家へ連れて行った。


あの二人は元々仲が良かったが、オークの村から戻ってきてからより絆が深まった気がする。


具体的に何かと言われれば答えるのは難しいが、以前より間に入る隙が無い。


「ケティ、ハルトのあの力はどう思う?」


「ニャーなら使わせないニャ」


「絶体絶命の状況でも?」


「絶体絶命の状況でもニャ」


「そうか」


ケティが言うのであれば今は信じよう。


つまりはエンシェントドラゴンとの戦いの要になるのはやはりセラになりそうだ。


あと、戦力を強化するとすれば……。




――――――



冒険者ギルドの中にある酒場。


今は夕食のピークを大分過ぎて、酒場は比較的落ち着いている。


そこでまだ一人で飲んでいる有名なソロの冒険者。


今回はそいつに一時的に仲間になってもらう。


「約束を果たしてもらう時が来たよタカシ」


そう言ってカウンターで一人で飲むガタイのいいスキンヘッドの男の横へ座った。


彼の名前はタカシ。


この世界に来て初めに仲良くなった冒険者であり、セラがハーフエルフである事も知っている。


そして彼にはとんでもない秘密がある。


というか、ヒロが知らなかっただけなのだが、彼は六英雄の一人なのだ。


かつて魔王と戦い西の大陸へと追いやった伝説の六人。


30年前の事とは言ってもまだそこら辺の冒険者より圧倒的に強いはずだ。


「聞いたぜ。エンシェントドラゴンのクエストを受けるんだってな」


「だから今回はあんたの力が必要なのはわかるだろ?」


顎で合図すると店員がタカシにジョッキで酒を出す。


「この一杯で仲間になれって?」


「いや、酒は別だ。純粋に助けてほしい。」


タカシは六英雄のパーティが解散になった後はソロで活動している。


というか、今はほぼ冒険者ギルドの用心棒などモンスターとの戦闘は殆どやっていない。


50歳を過ぎてまともに戦える気がしないと周りに入っているらしいが、セラの話ではハリー達を一撃で無力化したとか。


兎に角、本人は冗談だったんだろうが仲間が揃えば仲間になるというあの言葉を今は本当にさせたい。


意外にもタカシの要求はまともだった。


まず成功した場合の報酬の半分をタカシが受け取ること。


正直成功報酬の半分、1000ゴールドで伝説の英雄が加わってくれるのはありがたい。


そして次に作戦の全貌をしっかりと説明することだった。


今回は行き当たりばったりで行おうというつもりはない。


事前に地形は把握しているし、参加するメンバーの事も理解している。


敵についてもそこらの冒険者より理解しているはずだ。


どの位話していただろうか。


酒場を閉める時間が過ぎ鍵を預かったのだが、結局話終わった時にはギルドの開店の時間になっていた。


「わかった。そんじゃ3日後にな。俺は帰って寝る」


タカシは大きな欠伸をすると冒険者ギルドを後にした。


良かった。


タカシはあくまでもバックアップで参加するということで、当日までは特に打ち合わせなどはしないということだ。


他の仲間たちとコンビネーションの確認などをしたかったが、やりたくないの一点張り。


タカシはパーティを組まないと聞いているので、集団行動が苦手なのだろうか。


それとも六英雄の解散に理由があるのか。


あまり無理を言うと協力を断れそうなので仕方がない。


作戦は三日後。


出来ることはしたはずだ。


俺も帰って寝ることにしよう。


数時間寝たら仲間たちと練習だ。



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