019_異世界の尋問は色々と痛い
賊をロープで胴体部分とふくらはぎ部分をす巻きにして拘束に成功したので、とりあえずケラー醸造所の事務室に連れてきた。どうするかこれ。セシリアさんはさっき外行ってなんか採取して来てるし、ジルはジルで起きたらどうしてあげましょうかってずーっとブツブツ言っていて怖いし……この人はこのまま起きないほうが幸せな気がしてきたな。
「う、こ、ここは?」
「あらあら、お気づきになられましたか?」
セシリアが席から立ち上がり族の目の前にゆっくりと腰を下ろす。
「お、お前はさっきの魔術師!すぐにこの縄をほどきやがれ。俺にこんな事してどうなるかわかってるのんだろうな、ぐふぁ」
横から勢い良く蹴り出されたつま先が族の脇腹に突き刺さる。
「ジルさん、まだ私がお話をしてるのですから、横入りはやめて頂けますか」
「何言ってるの、こいつは職人の命とも言えるタンクに穴を開けたのよ。体に穴を開けられても文句言える立場に無いわよ」
怖い、目がマジだよこの人。
「それはこの人が喋る事喋ってからお願いしていいですか。その後でしたらええ、ええ、私も是非一緒にこの方が、自分が何をしたのかをご理解頂くために努力を惜しみませんので」
「……わかりました。私の分残しておいてくださいね」
「おいおいおい、俺を無視するんじゃねえ!!いきなり蹴りくれやがってこの雌狐が、てめえ顔覚えたからな、この後ただじゃおかねえからな」
やめろ、コレ以上挑発するな、言えば言うほど絶対後でひどい目にあうぞお前。
「さて、ではそろそろ宜しいでしょうか。貴方のお名前から教えて頂けますか?」
「へへ、ねえちゃん良い体してるな。俺に喋ってほしいなら、ベッドの上で聞いてくれれば幾らでも喋ってやるよ」
「ふう、ご自身の立場を理解してないようですね。わかりました、まずは色々と体験して頂いた後に質問しましょう」
「へへ、その胸で体験って何しやがる、モゴモゴ」
セシリアが、男の口にタオルで猿ぐつわをしていく。
「次そのタオルを外す時に何か喋りたい事が有ったら、是非聞かせてくださいね。ちなみに私が聞きたいのは貴方のお名前、所属してれば組織のお名前、組織のわかってる限りの情報、アジトの場所、最後に今回の目的と一通り聞ければと思っていますので、喋りたくなったら言って下さいね」
そう言うと、セシリアは立ち上がり、机の上に置いてたさっき採取してきたばかりの木の枝を片手で束ねると、族の方に戻っていく。
「これ、なんだかわかりますか?さっき外の木から頂戴して来た枝です。まだ切ってきたばかりだから切り口の緑が綺麗でしょ。」
30センチ程の枝が7~8本ほどだろうか、セシリアが族の足元に握っている枝の束を1本づつぽとぽとと落としていく。
「さて、これからこの枝を貴方の太ももに突き刺して行きますね」
「ふご!!!ふごふごふごおおおおおおお」
男の顔が見る見るうちに青ざめていき、芋虫のように這って逃げようとするが、セシリアの手が足のロープをつかみ、がっと自分の方に引き戻す。
「直哉さん、これから少々厳しい内容になりますので横の部屋に行っていても大丈夫ですよ」
「いや、セシリアさんがやるならここに居るよ。一応聞くけど、この世界だとこう言う風に尋問するの普通なのかな」
「ふふ、直哉さんは賊に情けをかけてあげるなんて優しいんですね。こう言ったやからはその場で殺されても文句を言えないのに。私は優しい方だと思いますよ」
「そうね、野党なんてその場で殺されて当たり前だし、今生きてるだけでも優しいわね」
「わかった。じゃあ2人にそこらへんは任せるよ」
セシリアが1本の枝を手に取る。枝の切り口は綺麗に斜めに切られており、多分ショートエッジで切ってきたんだろう。
「さて、直哉さんからの許可も頂いた所で1本目行きましょうか。ふふ、がんばって下さいね、えい!!」
「ふごぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
男の太ももに小指ほどの太さの枝が深々と突き刺さり、刺さったズボンの周りがじんわりと赤黒く湿っていく。
「ふふ、どうですか。何か喋りたくなりましたか」
セシリアが男の猿ぐつわに手をかけて、ゆっくりと外していく。
「お前この恨み忘れねーからな!!絶対縄解けたら殺した後に犯してやる!!!!」
「ふう、流石にコレぐらいでは駄目ですか」
セシリアが猿ぐつわで改めて男の口を塞いでく。
「ねえ、貴方のその強気な態度は、このまま私が太ももに枝を挿すだけだと思ってるのからなのかしら。ふふ、貴方はすごく楽観主義者なのね。直哉さんをさっき殺しかけたんですよ。ほら、見なさいあの頬の傷を、あと少し矢が右にずれてれば頭に直撃していたんですよ、ねえ分かってますか事の重大さが。そうですよね、わからないですよね。ふふ、大丈夫ですよこの枝でちゃんと理解できるようにしてあげますからね」
セシリアがショルダーホルスターから杖をゆっくりと、男に見せつけるように取り出していく。
「わたくし、大家庭魔法使いをしているんですね。聞いた事も無いし、理解も出来ないでしょうけど、大丈夫ですよこれから体で理解できますから。ほら、グリーンブースト」
「ふぉ、ふぉほあああああああああああああああああああああ」
セシリアがグリーンブーストと男の足に刺さってる枝に唱えた瞬間、枝の先が急にニョキニョキと成長していき、枝分かれし、赤い若葉が芽吹いていく。それと同時に男がさっきとは比べ物にならないぐらい声を出し、涙目になり脂汗がダラダラと流れていく。
「ふふ、痛いですか?枝が急成長して、太ももの中を伸びてく枝がお肉をグチャグチャにしていくのはなかなか体験出来ない痛さですよね。ほら、もうこんなに根をしっかりと張ってますよ」
セシリアが枝つかみグリグリとよじるように引っこ抜こうとするが、全然抜ける気配は無く、男は枝を動かす度に凄まじい勢いで逃げようとするが、逃げれば彼女の持ってる枝が動き、その瞬間激痛が走り体が動きまたそれで太ももの中の肉が内部でエグれて、地獄のようなループになっている。
「ふふ、ちょっとだけでも自分のした事を理解できましたか?」
「おあああ、おあああああ」
男が首を縦に振りながら必死に、セシリアに訴えかける。
「ふふ、さっきとはうって変わって素直になりましたね。そんな良い子には1つ良い事を教えてあげましょう。この成長させた枝なんですけど、この後喋れば取ってもらえると思ってますよね。残念でした、私枝を成長させる事は出来ても戻す事は出来ないんです。なので、この枝取る時は力づくで引っこ抜く事になるんですよ」
「ふごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「あらあら、またさっきの悪い子に戻っちゃいました?そう言う子にはこうですよ」
「ふがあああああああああああ」
2本目の枝が男の太ももに突き刺さる。男は凄まじい形相でセシリア視線だけで殺せす勢いで睨みつける。
「あらあら、本当にさっきの悪い子にもどっちゃったんですか。そんな子はこうしましょうねー」
セシリアが地面にす巻きにされてる男の横に両手を添えたかと思うと、勢い良く横に転がし始める。普通ならそのまま転がって目が回るだけだが、太ももに刺さった枝が邪魔をして半回転ほどで枝が邪魔で止まってしまい、傷口が枝でおもいっきり横に押し広げられ男のうめき声が部屋に響き渡る。
「セシリアさん、そろそろ猿ぐつわ外してあげて下さい。もう彼は喋りますよ」
「直哉さんを殺そうとした男ですよ。お優しいんですね。ほら、貴方も直哉さんにちゃんとお礼を言いなさい」
セシリアがヨダレまみれの猿ぐつわを外す。
「有難うございます、本当に有難うございます」
「さあ、直哉さんの素晴らしさを理解したなら今すぐにさっき聞いた事全部喋りなさい」
そして、男はさっきとはうって変わって情報を喋りだした。
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