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19話 危なかった

切りがいいのでいつもより少し多めです。

また、いつも評価を頂きありがとうございます。やる気に繋がりますのでまだの方もどうぞよろしくお願いします。

誤字報告ありがとうございます。いつも助かっております。


その日の夜。


飯の時もしつこく話しかけていたユウヤを、ミーナ、リア、それにメリッサまで手伝ってうまく引きはがしてくれた、



引きはがす少し前。三人が俺のところにやってきた。


ミーナに加えてリア、メリッサまでやってきたので何事かと思ったが、二人もアミスのことは気にかけていたそうだ。


「すまない。御礼にまた何かお返しでもするから。」


俺は二人にそう言って頭を下げる。


「い、いえ気にしないでください。」


「うーん、私は何にしましょうか。」


「「え!?」」


俺とリアの声が重なる。


「え? だってリトさんが何かしてくれるのでしょ。めったにない機会ですもの。よく考えないと。うふふ。」


そう言ってにっこり笑うメリッサ。悪魔の笑みに見える。

それを聞いてリアも顎に手をやると考え込む。


「確かにそうですねぇ。」


そんな二人を見て俺は焦りだす。



「お、おい。あまり無茶なことはやめてくれよな。」


「えーっと、なんでもいいんですよね。なんでも。」


いやいや、メリッサ。俺はそんなことは言っていない!


「うーん、なんでもいいんですか。」


だからそんなこと言ってないって、リア。


「あはは、まあ、無茶なことはやめてあげてね。」


「うふふ、冗談ですよ、冗談。」


「そ、そうですよね。」


ミーナの助け舟が入った、助かった?

まあ、できる範囲でお願いします、いやほんと。





ユウヤがアミスから引きはがされてどこかに連れていかれた後、アミスの傍に座る。


あれ、いつのまにかラキもいなくなっていた。

どうやらユウヤについていったみたいだ。



アミスを見ると、少しぶすっとしていた。

そういえば、ユウヤが連れていかれるとき、ミーナがアミスの耳元で何か言っていたな。


「どうした、アミス。」


彼女はぶすっとしたまま。


「貸してあげるって。」


え?何を?


「兄さんを貸してあげるって、ミナ姉が。」


俺、いつからミーナのものに……。


「兄さんはミナ姉のものじゃないし。」


「ま、まあミーナもアミスを元気つけようとしてだな。」


「分かってるもん。」


む、難しい。

なんて話しかけたらいいんだ。


「ねえ、兄さんはこの旅、大丈夫?」


「ん? ああ、何とかついていけてるよ。」


「そっか良かった。」


そう言ってほっと安心するように溜息をつく。


「だって、わたしとミナ姉がむりやり連れ出したから。」


「そんなこと気にするな。けっこう楽しくやってるよ。めったにできない経験だからな。」


俺はアミスの方はどうだと聞いてみる。


「わたし? わたしの方はもっとできると思ってた。でもみんなに比べたら全然で……。」


「そりゃそうだろ、だってあいつらはずっと旅をしてきたんだろ? 経験値が違うよ。」


俺は気にするなと言う。


「そうかな?」


「おまえだって時間が経てばできるようになるさ。王都で修行だってするんだろ?」


「うん。……そうだね、分かった。」


どうやら元気が出てきたみたいだ。


「……ねえ、リト。あの村で過ごしていたらどうなってたのかな?」


へ?


アミスを見たら、少し潤んだ目でこちらを見ていた。

心なしか距離が近づいているような気がする。


座っていた俺は後ろに下がることもできず彼女の目をじっと見つめたままになる。


彼女は前のめりになりついに俺に覆いかぶさるかのような姿勢になっていた。



その時、アミスを通り越して向こう側。視界の端に何か見知った姿が入る。



俺はそちらに目をやった時。



ビク!?



そこにはミーナが木の陰からこちらを見ていた。


彼女は笑顔だ。誰が見ても笑顔。ただ手にはこん棒を持っている……。

長年の付き合いのある俺にはわかる、あれは爆発寸前だ。


あれを通り過ぎるとたぶんあのこん棒が俺とアミスの頭の上に振ってくるだろう。


俺の視線がアミスを向いてないことに気が付いたのか、彼女は後ろを振り返った。


「ちっ!」


ミーナに気が付いたアミスは舌打ちをした。

彼女はこちらを向きため息をつく。


「兄さん、今日はこれ以上は駄目みたい。はあ、もう少しだったのに。」



まあ、元気が出たようでなによりです。

でも、今日はってどういうこと?

次回もよろしくお願いいたします。

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