18話 スパルタ
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ユウヤの姿を思い出しながら、確かに端から見て格好は良かった、そう思う。
ただ、良かったとは思うが、あそこまでしつこく言われると逆効果の気がする……。
「ねえ、アミスちゃんも俺の剣捌き見ただろ?」
その時の様子をその場で再現するユウヤ。
うーん、アミスは無視だ、ガン無視だ。
見ていない。
ただへこたれない勇者! さす勇だ。
「だから、俺が剣を教えてあげようか? ほら、そんなぼろ剣じゃなくて、ちゃんとした剣を買ってやるからさ。」
ビキッ!
うーん、アミスからすごい音がした気がする。
「ほら、そんな剣だと、ちょっと硬い魔物が出てきたら折れちゃうよ? ね?」
ビキビキッ!
ヤバいんじゃない? あれ?
うーん、そろそろ俺が止めに入った方がいいんだろうか。 ユウヤに恨まれそうだけど、妹を守るため仕方がない。
そう思っていると、ミーナが寄ってきて話しかけてきた。
「あはは、アミス、相当怒っているね?」
いやいや笑い事じゃないんじゃ?
「マズいんじゃないか?」
「本当にマズそうなら私とリアで止めるわ。でも、これからも旅は続くし、王都に着くとあんなのいっぱいいるわよ。ユウヤで慣れてあしらえるくらいにならないと。」
そう言ってアミスを見た。
なるほど、あれはミーナの教育なんだな。
思ったよりスパルタのような。いや、俺がアミスに甘いのか?
「いや、それより剣はやっぱり代えた方がいいんじゃないか? 木の剣だとまずいだろ。」
自分で渡しておきながら、魔物との戦いを何回か見ていると、さすがに木はどうかと思い始めた。
もし折れたらと思うとね。
ミーナはこっちをジト目で見てくる。
「リト、それアミスに言ったら殺される……ことはないけど、泣かれるわよ。それに折れないわよ。」
え? どういうこと?
俺が理解できていないことに気づいたのかミーナが教えてくれる。
「あなたが渡してくれた私のこん棒、どれだけ使っていると思うのよ。」
あ!? そうか、確かにここに実例があった。
なるほど、と納得する。
「まあ、アイアンゴーレムでも折れなかったわね。これ。相手がひしゃげてたわ。」
そんなのとも戦ったんですね、ミーナさん。
それより、そんなのに木のこん棒叩きつけたってこと?
「初めはユウヤだけじゃなく、教会の連中も私にこれを捨てろとかいろいろ言ってきたけどね。」
そう言ってアミスの方を見る。当時のことを思い出しているんだろうか。
ただ、ミーナの顔が不敵な笑みに変った。
「ストーンゴーレムやアイアンゴーレム、硬そうなやつを片っ端から叩き潰していったらみんな黙ったわ、あははは。」
と言って豪快に笑った。
その笑い声を聞いてユウヤがなんかビクっとした。
ミーナ、強くなったなぁ。
俺はそんなミーナを見ながら現実逃避するように遠くを見つめる。
「ま、急にはアミスにも無理だろうから、今日の晩にでも彼女の話でも聞いてあげてね。それで気がまぎれると思うわ。」
俺は頷く。
「あ、でもそれ以上は駄目よ。分かっているわよね。」
いや、それ以上って、何もしないってほんと。
だから、そのこん棒をチラ見セするのはやめてほしい。
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