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幻焔の黄昏(トワイライト)~女の子に転生したらもっと大変でした~  作者: 夜空りえる
セイクリッド魔法学院編
37/49

34.夏だ!海だ!バカンスを楽しもう

水着回です!特にサービスシーンはありませんよ?

活動再開できるため今日もひたすら頑張ってます!


あれから日が経ち今年も夏がやって来た。ここ最近、夏は暑くなっていると言われている。

気温の高いこの地では生徒たちは多分キツいと思われる。そんな中、別に暑さなど気にしないソフィアはのんびりとして夏を夏の長期休暇を満喫していた。


「やっぱり夏は海だよねー!」


大声で海に向かって叫ぶ。この声は俺の声だ。夏になって久しぶりに海にやって来たのだ。

それも一人で。


あ、嫌、別に誘う人が居なかった訳じゃないんですよ。居たのは居たんですが他に持っていかれただけです。

え?違う。クラスの皆から除け者にされただけだって?

またまた御冗談を~。


(と言っても本当の話なんだけどな。)


「はぁ~♪久しぶりにのんびりできるなぁ~。」


うんっと背伸びをして日差しを浴びる。海も綺麗し砂浜から伝わる熱も足に来て気持ちいい。


「お嬢様、私が居ることをお忘れになられていませんか?」


突然耳から聴こえる声。聞きなれた声だ。


「あれ?リアーナ。居たの?」


「居たの?じゃありません!お嬢様を海に連れて来たのは私ですよ。」


本来、海に行くと言っても一人では普通行けない。そんな中、リアーナに「海に行きたい!」と甘えた結果、馬車を用意してくれた。

そして何故かリアーナも同伴してきたのだ。

同伴してきた理由は俺が海でトラブルに会わないか心配でと言う。加護保か!


「それとさあ~一つ聞きたいんだけど何故海にメイド服?水着じゃないの?」


こんな水着だらけの中のビーチにメイド服は目立つ。そしてその近くにいる俺にだって目立つことになる。

中には何処かの貴族のお嬢様か?とか噂やこそこそと会話声が聴こえる。


「そう言うお嬢様も水着では無いのですね。」


「いやいや、これはちゃんとしたれっきとした水着ですよ。ほら下を見てください。」


下は確かに水着を着用している。しかし、上側はパーカーを着ていた。


「確かに水着ですが何ですか!上を隠して!」


「隠したって良いじゃん......恥ずかしいのだから。」


頬を赤く染めてそわそわと落ち着かないような仕草をする。肌をさらけるどころか水着姿が恥ずかしい。

だって女物の水着だよ。今だ男の精神としては何か行けないところまで到達してしまった感覚がするんだよ。


「そう言ってますけどお嬢様、色んな殿方に見られてますよ。」


「あ、それは気にしていない!!」


「な、何で!?」


面白い会話をしていたところでそろそろ海に入りたい。そう思うがまずビーチパラソルや椅子など用意しないと。

準備に取り掛かろうとして動こうとした瞬間いつの間にかそれは完成していた。


「さあお嬢様、出来上がりましたよ!」


「え?早くない!?」


先程まで無かった筈のものが十秒嫌、一秒も経たずにそれは設置させていた。

しかも陣取りも完璧で上手く日差しが通らない場所に心地よい涼しい風が通るような良い場所だった。


「お嬢様、お飲み物ですよ~♪」


「う、うん.....ありがと?」


飲み物を渡される。グラスに入った飲み物は私の好きなorangedrinkだった。え?無駄に発音良く喋るなって?良いもん!そっちの方が格好いいし。


「夏だねー」


「夏.....ですね。」


ぼんやりと青空を眺めながら呟く二人。特にすることがない───嫌、暇と言えば良い。


「ねぇリアーナ。私ちょっとそこら辺をぶらぶらとしてくる~」


「?いってらっしゃいませ?」


椅子から立ち上がり力のない体を楽にした体制で歩き出す。別に暑いからだらけているのではない。日々外出してないからだ!


(別にニートじゃないからね!勘違いしないで欲しいんだからね!)


何故にツンデレ?自分自身の思考に突っ込みを入れた。


歩くほど十分は経過したと思う。

人だかりは多くなっていきほとんどの人が特に男性の方々の目線が俺に向かって集中していた。


(うわ!むっちゃ見られてる~!)


先程まで全く視線を気にしていなかったであろうソフィアは突然になって恥ずかしがる。

必死に上着のパーカーを引っ張って下を隠そうとする。


「うっひょー!あの子可愛い!」


「あの仕草がたまらねぇーわ」


と言った言葉が次々と聞こえてくる。丸聞こえですよ!男としてあまりそう言うのは控えておいた方が嫌われないと思うのですが。

男共の考えは理解できる。俺も昔はそうだったからわかるよ君たち。


泣きそうな表情(泣けない)で噛み締め共感のするように頷く。


「おいおい。この場所人だかり多くないか?」


「確かに多いですね。どうしますエド君?」


遠くから聴こえるてくる声。はて聞き覚えのあるこの声。そして女性の方が言った言葉に『エド君』と言うのが......


エド君?......ああー!


「そうだねー。確か彼方側なら人だかりは少ないと思うよ。」


「確かに!(ですね!)」


二人揃って言葉が重なる。

と言うかこっちに向かってくるしヤバい。

彼らは俺の方向に向かって進んでくる。当然、彼方は俺に気付いていない。それはまだ幸いであるが気付かれるのも時間の問題。

咄嗟に逃げようとしても不自然で怪しまれるかもしれない。


(どうしょうー!)


この時、突然ふと何かに思い付く。俺の着ている服───パーカーであったこと。


(そうだ!これを頭にかぶれば良いんだ!)


パーカーに付いているフードをかぶることにより顔を隠せれる。急いで顔を隠しこの場から離れることにした.....が。


「あれ?あの子って......」


「もしかしてアストレアさん?」


何故に気付かれた!?しっかりと顔を隠したはずであったが二人には気付かれてしまったようだ。


「アストレアってあのアストレアか?」


恐らく気付いていないであろう後、一人は二人の反応を見てようやく俺の方を見てくる。


無言のまま見つめ合うこの意味不明な間.....この空気が嫌いだったため観念することにした。


「こんにちは。奇遇ですね。まさかここで会うとは思っていませんでしたよ。」


フードを脱いで顔を見せる。


「やっぱりアストレアさんだったか。」


「どうして私だと気付いたんですか?」


どちらにしろ気付かれるだけ彼らは只者ではないと再び実感はした。

流石はAランクの持ち主。


「いやー何と無くそうなのかなーと。」


「私もあの雰囲気は何処か見たことがあったので。でもまさか当たっていたのですね。」


エドワードとフェリスは微笑みながら語っていた。

その隣には眼鏡を掛けた真面目君のリュートがいた。


「.....アストレアも海に来てたのか。少し意外だ!海とか楽しいことに縁がないと思っていたが.....」


「それ私も思った。だってアストレアさんって何時も教室の隅で暇そうにしてるんだもん。」


縁がないって.....それに暇そうって、侵害な事言われた気がする。

確かにこの方たちの言うとおりなのかも知れない。だとしても少しは言葉を選んでもらいたい。


「こらこらお前たち。アストレアさんにそんな失礼な事言うなよ。」


へぇ~俺に気遣ってくれたんだー。


「そう言うお前こそアストレアの事がす───」


「おい!それ以上言ったらどうなるかわかってるだろうな!」


「はぁ~また始まったね~」


え?え、何これ......


現在、リュートがエドワードによって絞められている。それを見てやれやれと呆れているフェリス。

そう言えば眼鏡君が言いかけた言葉の続きって何だったんだろう?

首を傾けて考え込んでしまう。


「ごめんねアストレアさん。こら!貴方たちじゃれ合いは程ほどにしなさいね!」


「は、はあ~仲がよろしくて正直に言うと羨ましい.....いえ、なんでもありません。」


三人が仲良くしている姿を見ているとつい羨ましい感情を引き出されるが途端に引き止めた。

先程のは自分の正に合わないと思い心の奥底に否定した。


「ねぇアリアはどう思う?」


「え?わ、私!?嫌々私はそんな感情無いよ~」


あれ?この声何処かで聞き覚えがあるような無いような......

偶然、クラスメイトに出くわして会話していたところの直ぐ近くから聴こえる。

それにアリアって......


この時、俺は察した。嫌、多分色んな意味で察したと言おう。

偶然と偶然が重なり合い、その上また偶然と言う奇跡がこの後起きる。


「えー!私だったら好きになるわよ~多分.......」


「うん?どうしたのマリーちゃん。そうやってソフィアちゃんが男の人と密会しているところを目撃したような顔をして......」


「あ!」(全)


目線が合いそして沈黙が流れる。

後、一つだけ言っても良いですか?アリアって俺の事を何だと思ってるんだよ!

突っ込みと怒りを合わせ心の中で呟いた。




まさかクラスメイトに出くわすとは思わなかった。あっ皆さん今語っているのは私です、アリアの唯一無二の親友マリー・クルシュアンですわ。

突然の視点変更に戸惑いがあるかも知れません。え?早く話を進めろですって?


簡略に説明しますと私とアリアは夏休み、海にやって来ました。と言ってもやって来たのはついさっきですけど。

何故か恋話の話になり語りながら二人して歩いていると偶然目撃してしまいました。

クラスメイト......ソフィーとエドワード君、リュート君、後、フェリスさんが居ました。


勿論、突然見かけたので驚きましたが別の方で驚愕していた。私たちが誘おうとしていたソフィーは私たちをそっちのけで彼らと海に来ていたことに驚いていた。


「ひ、人違いです.....」


「嫌々明らかに私たちの知るソフィーですわ。」


ソフィーは人違いを主張してくるがな訳ない。明らかに銀色の髪に碧眼、雪のような肌、そして少し大人っぽさを持った子どもと言ったらソフィー以外居ない。


(う~ん。ってアリア?先から静かですがまさか怒ってらっしゃる?)


不安そうにこの後どうなるのだろうと考えていた私は怖かった。

遂にアリアが口を開き.....


「ふあぁ~ソフィアちゃん~♪可愛い!」


あれ?全然違った。

怒ってなど居なかったと言うより益々と近付きベタベタと抱きつける。


「すりすり~お肌きれーい!それに水着姿だぁ~♪」


「ちょ!やめてアリアちゃん。すべすべしないでー!」


あ.....これはこれで地獄かも知れない。

至るところ触られ反応してしまいそうになるが必死に抑える。


(ぐう~!ダメダメ反応しちゃいけない。でも自然と力が)


力がガクッと抜けるような感覚に襲われる。胸、太もも、腕、頬など触られいけない気持ちになりそう。


「アリア!これ以上はやめて」


「ふぇ?」


ガツンと言ってやった。この変態さんには厳しく言わないと治らないとシルヴィアから聞いたことを思いだし言った。

流石に驚いていたが自然と触るのをやめてくれた。


「ごめんね!あまりにも可愛くて。」


「はぁ~それは良いけど少しは自注しなさい!」


軽くアリアのおでこにデコピンを食らわせた。うう~と嘆くように痛がっていたがそんなに力強かった?

もうちょっと力の加減をしよう。


「それよりもこうしてアストレアさんに会えたのは嬉しい。良かったらこのメンバーで遊ばないか?」


「それ良いね!はいはい私はエド君のいうことにさんせー!」


「ふむ。俺も賛成だな。人数が多いほど楽しいしな。」


エドワードはこの今いるメンバーで遊ぼうと提案してくる。彼と一緒にいた二人は勿論賛成を表明する。




でもこうしてクラスメイトと出くわしたのも何かの縁であるだろうし皆と遊んでも良いかも......別に暇だったからであって別にこの人たちと遊びたいわけじゃないから。


「お帰りなさいませお嬢.....様?」


「うん、ただいまリアーナ。」


皆を連れて私の陣取っていた場所まで連れて来た。当然リアーナはお嬢様が後ろに人を連れていることに頭に疑問が浮かんでいた。


「お邪魔しますリアーナさん!」


「ええ、アリア様?」


困った表情で私を見つめてきた。辞めてその目。俺にどうしようと言うのです。


後ろの四人も少々静か気味だがどうしたんだ......


「リアルメイド来ましたね!」


「ふ~ん、これがメイドと言うものか。初めて見た。」


(え!?二人ともメイドを見てそんなに驚く?嫌々、この時代メイドってものは普通じゃないの!?)


リュートとフェリスの反応を見る限り興味深そうに我らアストレア家のメイドをジロジロと見ていた。


「これは美しい麗しのメイドではありませんか!僕は貴女と言う御方に会えて光栄です。」


(えぇーー!?貴方誰ですかぁ!?キャラが変わってますよ!)


横から見知らぬの人がしゃしゃり出たと思いきやこの場にいる彼.....エドワードその者であった。


「始まったわね......」


「うん。そうだね.....」


アリアとマリーは機嫌を損ねて溜め息をつく。


「ちょっと落ち着いた方が良いんじゃないか?」


「そうね。」


御二人もやれやれと呆れた態度で見つめていた。


(何これ.....知らないの私だけ?ねぇ私だけ?)


この状況に一人取り残される。嫌、まだもう一人居る......が。


「エドワード様、それぐらいにお願い致します。お嬢様が大変困ってらっしゃいますよ♪」


その瞬間私は呆然とした。何もかも停止するかのように......のは嘘です。


「これはどういう.....」


「お嬢様......大変申し訳ありません。が私からこれだけ言わせていただきます。」


急に改まったため鼓動の心拍数が上がりゴクリと唾を飲み込んだ。


(何、改まって......)


「お嬢様様......お誕生日おめでとうございます!」


「おめでとう~!」


盛大な拍手が巻き起こった。皆が俺を見る。その瞳にはとても温かく優しい気持ちが包まれていた。


「み、皆さん......」


嬉しかった。とても嬉しかった。喜びと感動が込み上げてくる。しかし、唯一感じなかったのが眼から溢れる涙だ。

涙は出ない。通常このようなサプライズされると人は感動のあまり涙が自然に出る。


「お誕生日、今日なんだって?僕たち事前に打合せしてたんだ。」


「そうよね。結構大変だったけどね。」


「それを言ったらお仕舞いだろう。」


ようやくわかったことがある。ちょっとだけよそよそしかったアリアとマリー。普通なら誘って来るはずであろう二人が誘わずクラスの人気者たちについた時点で可笑しかった話。


「お嬢様、私からのプレゼントです。受け取ってください。」


渡されたものとは俺のいいえ、私の大好きな小さなクマサンぬいぐるみ。

とても愛おしかった。


次に皆からのプレゼントを貰い初めてアリア以外の友達からプレゼントを貰えて嬉しかった。


その嬉しさを私は─────


「ありがと.....皆♪」


過去最大の笑顔になり『ありがとう』感謝の言葉を伝えた。




読んでいただきありがとうございます。まさかの水着回と思わせて最後にソフィアの誕生日と言う話が入ってくる。

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しないとどうなるかは.....わかっているよね?

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