27.うごめく陰謀
学院編は話が飛ばし飛ばしに進んでいくことをあらかじめご了承下さい。
※今回は不吉な表現が有るため○としていますので大丈夫です。
気付けば入学してから半年まで経った。今の時期は夏が明けて季節は秋に迎えようとしていた。夏の時期に制服も衣替えをしておりベージュの上着が特徴であった制服はワイシャツ白の所々にブルー色の清潔感のある物となっていた。
毎日変わらないように魔法実践授業を受けては武器を用いる訓練も日々誠心していた。
半年の歳月でクラスは一団結しており他のクラスとの交流も馴染めている頃。
この前夏に行われたトーナメント戦ではクラスの代表として二人一組で繰り広げる壮絶な闘いがあった。それはまた別のお話。
今、繰り広げられているのはのんびりと毎日を満喫している私の物語だ。それに関しては決して変わらないと言える....が。
「ほらほらこれ見てよ!私、この前の魔法技能テストで上位十位内に入れたわよ。どう?凄いでしょう。」
目の前に来てはドヤ顔を決めている人物が一人。
その人物こそがアリアの親友二号兼俺の友達でもあるマリー・クルシュアンである。
結局あの時の戦いから友達になろうとしつこく問い掛けてきてやがて面倒になったので仕方なく認めることにした。
それと親友二号というのはどちらが親友に相応しいか色んな対決をして勝利したのが俺であったから。
「へぇー凄いねー。流石だよ、マリー。」(棒読み)
わざと棒読みで語る。
「何で棒読みなのかしら。それよりもソフィーはまた最下位ですか。もっと頑張りたいとは思いませんの?」
何故か説教される。後、ソフィーとは俺の愛称らしい。別に頼んでそう呼ばれている訳ではなく勝手にそう言ってくるのだ。まあ良いけど。
「頑張れと言われても私、その気ないし。」
うつ伏せでダルそうな態度を取る。戦いなんて人が傷つき合うもの何か何が楽しいのやら。
「今時の若者は夢が幅広くて楽しそうで羨ましそうだな~。」
「貴方も若者でしょ!それも私より年下。」
今の声に出して言ってしまったか。思わず無意識に考えていたら口に出してしまうのは悪い癖。
確かに今の俺も若者同然、それにこの人より年下だったことを今思い出す。
学院に入ったの失敗したかな~。
今日もこんな感じの日常を過ごしていたのであった。
ーーー
放課後、先輩達との顔合わせをしないといけないのでレナ先輩の専用部屋に向かっている。これは週に三回程度三人で集まる。
今日がその日である。この専用部屋とは上級生から各自個人で持つことが可能となるらしく希望者のみに所有出来る。
特に使う意味とは研究や体を鍛えるなど様々な活用がされている。中にはスポーツをしている者が集まる一つの団体が形成され今では全部で二十ぐらいの小団体が出来上がっている。
その中の一つが我らEランク同盟である。活動内容はというと.....ただの遊んで雑談して終わりの気軽な所だ。学院のトップたちは気にしていない様子で見ているが中には批判の声も。
部屋の数も限られており主な活動をしていない俺たちにとって邪魔な存在でしか無いだろう。
今でもEランクの評価低く嫌われているが前みたいな嫌がらせをする生徒は確実に減っている傾向に見える。
その立役者こそが俺だと先輩に言われたことを思い出す。
別に好きでやった訳でもなく成り行きだけど。
ようやく到着したところで「レナ先輩、アルバート先輩。来ましたよ~。」と言い扉を開け入室する。
「やっと来てくれた、遅いよ。」
部屋の奥で何かをしているのか?姿が見えない。部屋にはカーテンが掛けられその先で何かしらの事をしているのだろうか。
「おう、ようやく来たか。」
体全体濡れているアルバート。シャワーを浴びて出てきたようだ。タオルで拭いている姿を目にとらえた。
「アルバート先輩は運動終わりです.....かぁ!?」
「ああ?どうしたソフィア。俺に何かついて....」
放心状態で固まる俺。何故こうなっているのは先輩の下を見たらわかる。アルバートは現在シャワー浴びたばかり、当然の如く彼は全裸であった。
私も迂闊でした。まさかあんなもの久しぶりに見せられるなんて。
彼の○○○がくっきりと見えている。懐かしき例のあれ。見てて恥ずかしそうに顔を赤らめてしまう。
「せ、先輩。早く下を....隠してください!」
手で顔を覆い隠して先輩のあれを見ないようにする。何故、私が恥ずかしくならないといけないの。生前男だったはずなのにどうして.....。
以前、見慣れていたとしても女の子としての生活が馴れてしまった為であるかそれに関しては無理になってしまってた。
「うおぉ!履いていない。」
「履いていないじゃありません!!早く着替えてください。」
気付くのが遅い事に呆れてしまうのと早く着替えてほしい。我慢が出来なくなったので後ろを向いて強くそう言う。
先輩の体格好良かったなぁ~。男の人は女性と違ってゴツく先輩は年齢的に十七だろうと思われるが筋肉がしっかりとしていた。
腹筋は割れておりそれに.....あれ?なに考えているのよわたし。先輩の体に惚れたら駄目でしょ!
目がぐるぐると回るように思考が追い付けなくなっていく。
「もう大丈夫だ。前を見ても良い.....」
着替え終わったのか前に向き直る。もしかしたらまだ着替えていないとか先輩の悪事ならあり得たがしっかりと服を着ていた。
心のどこかで内心ガッカリとした気分が少し。その反面、まだあの○○○の事を脳裏でフラッシュバックしそうである。
「本当に悪かった。汚いものを見せてしまって。どうしてか君が男に見えてしまうときがよくあってな。そうだよな、ソフィアは女性だしな。」
直ぐ様謝ってきた先輩。男に見えるときね、それは俺が悪いかも知れない。幾度か俺は態度が変わるときがある。
その時はどう見ても女性とは思えない鋭さや威圧感を放っている。それと怒ったときは優しく穏やかで言葉遣いが一変して厳しく言葉遣いが荒くなる、男だった生前に戻ることが度々と。
どちらが本来の自分なのかわからなくなってしまっている。まあ、今の自分の方が何か好きだから良いけど。
「先輩も少しは恥じらいをしてください!私だけがその恥ずかしいようでその~。」
びくとも動揺とかしないアルバートがうざすぎてふてくれてしまう。
「ほほ~う、それで言葉の続きは?」
俺の反応をみて少しニヤリと笑みをしながらいたずらぽく言う先輩。
ちょーうざすぎてムカつくけど殴らないようにしょう。
拳に力を入れるが何とか抑える。こんなので怒ったら駄目だ。この先輩はまだマシな方である。もっとヤバいのが.....
「ちょっとーアーくん!」
「ん?なんだーレナ。」
レナ先輩に呼ばれたのでカーテンのその先に入るアルバート。
「後、ソフィアちゃんも来て~!」
俺も!?アルバートだけでなく俺までも呼ばれた。何事だろうかと考えながら先輩と同じくカーテンのその先に入る。入るとレナ先輩は端末を弄っていた、それも見た感じ高性能なモデルの。
それだけでなくレナ先輩の服装へと目に行ってしまう。普段は女性だと言うことを隠しながら男装している彼女。
現在は際どく肌の露出感の多い服装に上着は白衣を着用していた。ついでに言うと眼鏡も掛けている。本人曰く、レンズの入っていない伊達眼鏡だと言うが。
「で、何かわかったのか?」
「まあ一様そんな感じかな。二人ともこの端末をちょっと観てくれるかしら。」
先程まで弄っていた端末の画面を俺たちに良く見えるように動かせた。画面に映っていたのは何やら写真が。
「この写真に映っている男性は私たちと同じく生徒の子よ、上級科六年の先輩。名前は確か──ジオス・インバルク。不良として有名な生徒よ。」
ジオス・インバルク、その者の写真を見る限り目付きは悪いは服装は乱れているは態度が悪そうに見れるはそれは見た目が完全に不良同然の生徒。
この生徒がどうしたって言うんだろう?それと珍しく一人称が私になっている。レナ先輩の話はまだ続く。
「ジオスは幾度の暴行事件や学院の生徒を痛め付けは魔法の不正使用を行った前科を持っている。だが、学院側はこの事に動こうとしないのよね。」
腕を組み悩ませるレナ。それよりか俺は何の話をしているのかついていけていないので聞いてみることにした。
「あの、この人について先輩たちは何故調べているんですか?」
そう言うとはっと気付いたの様に目を開けて。
「そう言えばソフィアには言ってなかったな。この際だから教えよう。」
ゴクリと喉を鳴らせて真剣に聞く態度を取る。また面倒事だったらゴメンだけど。それも今の内だけであった、結局のところ面倒事に巻き込まれるとはこの後の言葉を聞くまでは思っていなかった。
「彼は現在、生徒会の犬として働いている駒らしく俺たちEランクを目をつけている。それで善からぬ行動をしないかと情報を集めていたところだ。」
やっぱり厄介事だったぁー。そのような予感はしていたので今さら気にしません。
「そして今、私たちの中で一番狙われているのはソフィアちゃん、貴方よ。」
「はぇ?わたし....ですか?」
狙われているのは俺だと!確かに俺の現在の功績は評価が上がりつつである。中には嫌っている生徒が狙っている可能性もそう高い。
それに相手は生徒会の駒と言った。だとすると生徒会は俺をねらっている?となる。
「生徒会が登場してきたと言うことはそろそろ本格的に潰そうとしているようね。何とかして防がないと。」
「だな!この場を無くされては困るしそれにお前が怒るしな。」
「当たり前でしょ!あいつらの勝手な思惑で潰されたら困るわよ。」
先程までのシリアス感が一気にぶっ壊れ何時も通りのお気楽状態へと戻る。
やはりこの方が一番しっくり来る。
「後、ソフィア。くれぐれも気を付けてよね。いつ狙ってくるかわからないから。」
「はい、わかっています。私も出来るだけ協力します。」
自分に関わる問題であるため自分の身は自分で護るってね。今回のことは正直断ろうと思ったが先輩達とこの日常の為協力することにした。
「ありがとう♪ソフィアちゃんかわいい、ぎゅー。」
抱きつかれ先輩のお得意ソフィアちゃん成分とやらを摂取していた。今となってはもう気にしていない。前は抵抗していたけど。
でも......まさかあんな事件が起こるとは思っていなかった。
*
暗闇に包まれている空間。その中の一人の人物がいた。声がぶつぶつと聴こえる。声的に男性だと思われる。
「ようやく計画は最終段階まで達した。これから行動に移る。」
計画──彼は極秘の計画を遂行出来る範囲まで完遂したと言う。
「お前を退学にまで追い込んでやる。これで成功すれば俺は.....あの人に認めてくれる!」
一人部屋の中で笑いだした。画面に目をやりながら。画面に映るのは三人の人物。三人とも女性で一人だけに注目していた。
「ははっ。こいつを使って誘きだして───」
男は何かに取りつかれたような顔で笑い続けていたのだった。
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