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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
76/365

赤碧の帝王5

神帝の道 第一条は大混乱に陥った。


幅50kmの最初の交差点第一条。


ザバナ10000頭が群衆に襲いかかる。


ケラム地帯 ミルゲリア生態系で最も危険な生物が。


ザバナは、ジニリウムの鎖をいとも簡単に引きちぎった。


慌てて、シムキャストの巨兵達が立ち向かう。


しかし、時間稼ぎにしかならない。


白の巨兵とザバナは、ほぼ同等の体格。


しかし、化粧兵曹の彼等にはザバナは凶暴過ぎる。


ザバナの吐く火焔放射に、白の巨兵団は次々と真っ黒に焼かれ、動かなくなった。


巨兵達の振りかざす、大きな催事用の鉈は、ザバナには擦りもしない。


手足をもがれた化粧兵曹達がのたうち回る。


ザバナは化粧兵曹の脳神経だけを食べている。


人工物である他の部分は不味くて食えないのだ。


白帝軍のアンドロイド達は、ザバナを恐れ固まって動かない。


援護に出ようとする装甲兵や、兵曹達の進路を完全に塞いでいる。


...コ..コ...コーーーーーーーーーーーーーーー...


...ドゥン...ドゥン...ドゥン...ドゥン...


...ゴゴゴゴーーーーーーー...


白帝軍の空軍が来た。


巨大航空要塞バルジトーが三艇。


第一条上空で停止した。


爆風が地上で吹き荒れる。


飛ばされる人間が後を絶たない。


バルジトーの下限主砲は、全てザバナに向いている。


しかし、砲撃は不可能。


ここは神帝の道。


神帝がお許しになる訳が無い。


償いにどれだけの人命が必要になるのか。


気が遠くなりそうだ。


バルジトーの後には、最新鋭戦闘艦2000機が控えている。


空中で停止することを想定していなかったのだろう。


反重力風が互いに干渉し、途轍もない爆風が地上に吹き荒れている。


アルマダイを含むその爆風は電波通信にも影響を与えている。


この数倍の規模の、エルマーの空軍は、幾度となく全軍が空中で静止した。


しかし、地上にはそよ風すら起きなかった。


自軍のスーパーシナプスフレームによって、緻密な配置や出力調整が成されていた。


白帝軍が戦略的にも、軍の能力的にも、欠陥があることは明らか。


これは、他国への圧力に大きな影響を与える。


そして、何よりも神帝 カーの威信に、多大な傷をつけた。


逃げ惑う、鳥竜は次々とザバナに食いちぎられ、貴族達は逃げ惑う。


爆風で、倒れる者や、パラソルや竜車に巻き込まれ飛ばされる者が後をたたない。


倒れたポットが、映像を映し始めた。


『...緊急ニュースをお知らせします!。第一条で大変な事態が発生しています!。神帝の道、最初の横断一条までの区画。大変な事態に。...』


誰も見ていないポットが爆風に揺れている。


ポットは、スタジオにいるアナウンサーを映し出している。


『...砂埃で、何も見えません。パラソルや竜車のホロが巻き上がっております。え?...。繋がらないって...どうして!。...な、なんで、あんなに低空にバルジトーが。...』


アナウンサーとスタッフが本番中に話をしている。


狼狽している様子は、つつみ隠さず全世界に放映されている。


...ドン...ドン...ドーン...


...ドン...ドン...ドーン...


空気が激しく振動する。


『...ひ、東の空をご覧下さい!あ、あれは!?トランプさんあれは!?。...』


『...おぉぉ。...』


『...月が、月が..落ちて来る。いや..あれは。..』


『...おぉ..お。...』


『...月では..ありません!。あれは..あれは一体。...』


『...おぉ、ぉ..お。...』


『...い、隕石?!。お、大き過ぎる...あ..あれは、一体何なんです?!...」


『...り、リバベリア。...赤碧のリバベリア。...』


『...リバベリア?!...』


その物体は、リバベリア。


世界最大の浮遊基地。


まるで、落ちて来た月。


高度は、軽くメルエンラカーの高さを越えている。


リバベリアは、立ち往生している、アマルのバルジトーの上を悠然と通過する。


3隻の巨大航空要塞が、まるで枯葉のように揺れている。


リバベリアは、群衆のいない、神帝の道 二条に到達するとゆっくりと降下し始めた。


途轍もなく大きい...。


こんなものが空に浮かぶこと自体、恐怖だ。


主砲の一つ一つが、航空要塞の主砲の数十倍、そして無数に装備されている。


もし、これが本物なら、アマルの体制はより盤石なものとなる。


リバベリアは、白帝軍の前方を完全に遮り、大混乱を、物理的にも、心理的にも世界から隠した。


この浮遊基地の存在そして緻密な航行が、再びアマルの威信と恐怖を蘇らせた。


リバベリアから、2体の飛馬艇に跨った兵士が降りて来る。


...ブルルルルルルルルルルルルル...


ザバナが、倒れている馬車やホロの中から、狂ったように何か探し回っている。


...ブルブルブルブルボボボボボボボボーーーーーーー...


ザバナが咆哮を上げる。


何かを、ホロの布に包まれた何かを咥え上げた。


布はバタバタと暴れている。


「...キャアーーーーーーーーーーーーーー。...」


あの悲鳴...。


また女だ。


ザバナは女ばかりを探している。


女の方が美味いらしい。


...バリバリボリボリボリ...


「...ぐうぉ...痛いん...あぁぁ...ひぃぃ...い、い、痛い...く、苦し...た、助けて...ぐふぉ...。」


布から、断末魔が聞こえる。


鮮血が、ザバナの口を濡らしている。


ザバナは、女を執拗に探している。


見つけると、なぶるように手足をもぎ取り、むしゃぶりついている。


爆風や、イナトナや、翡翠の縁石に邪魔され、群衆は逃げられない。


カポーティとミッチャムも、ついに追い詰められた。


ザバナは3体いる。


「だ、大丈夫かい、ウサギちゃん...。」


ミッチャムは、動けなくなったカポーティの上に覆い被さった。


小柄なミッチャムにはカポーティの巨体は隠せない。


「ハァ...ハァッ...フゥ...フゥ...ヒィ...ゼィ...ゼィ...あ、あーた..。逃げて..。フゥ...フゥ...あたしは、あたしは、...ヒィ...ゼィ...ゼィ...もうだめざます。...ハァ...ハァッ...あーた。どうか生きて...あーたと共に過ごした日々は..ハァ...ハァッ...女として、あたしの宝ものざます。...」


「ハァ...ハァッ...何を...ハァ...ハァッ...ゆうとる!。」


ミッチャムは、カポーティのアゴをプルプルさせながら言う。


「ずっと一緒...ゼィ...ゼィ...で、おじゃる。...フゥ...フゥ...ヒィ...麗しのウサギの君よ。...ハァ...ハァッ...おまえ無しの人生など...。」


「..あなーたぁーー。...」


カポーティは、しゃくりあげながら、最後のキスをした。


二人の世界にはザバナも関係無い。


...ブルルルルルルルルルル...


...ブルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


...ブルルルルルルルルルルルルル...


30mのイカ蛙が吠える。


ミッチャムをつまみあげ、腕を引っぱる。


「あなたぁーー!。あなたぁーー!。あなたぁーー!。」


今度はカポーティが捕まった。


「いや〜〜〜!。いや〜〜〜!。いや〜〜〜!。」


ザバナは、カポーティを眺めまわしている。


子供がおもちゃを見るように、縦にしたり、横にしたり。


...ブルルル...ゴゴゴゴーーーーーーー...


別の一体がカポーティの豊満な腹にかぶりつく。


...ビュウゥッ...


...バッ...


「ひっ!。」


カポーティは、宙に浮き、いつの間にか、大きな手の平の中にいた。


夫は!?。


愛しいあの人は!?。


ミッチャムは、別の巨人にゆっくりと地面に降ろされている。


地面には、ザバナの生首が蠢いている。


2体の巨人。


両方ともザバナの倍以上の大きさ。


一体は、巨大な槍を、もう一体は、大きな鉈を持っている。


鉈の巨人は赤い大きな一つの目を持っている。槍の巨人は赤い大きな二つの目。


まるで昆虫のような複眼。


しかし、車のヘッドライトのような材質。


鏡のように光っている。


昆虫に似た特徴を持っている。


ザバナとは違いかなり人間に近い風体。


身体全身が金属でできている。


大鉈がザバナの首を弾き飛ばす。


...ズドーーン...ドーン...ガスッ...ドーーーーーーーーン...


ザバナが怯えている。


...ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


...ゴーーーン...バッスーーーーーーーーン...ガッスーーーーーーーーン...


...ギュルルルルルルルルルル...


ザバナが震えている。


今までの野蛮さが嘘のように。


...ギギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


10000のザバナは逃げ惑う。


...ギュギュルルルルルルルルルルルルル...


巨人に比べると、ザバナは華奢で小さい。


まるで大人と子供。


いや、もっと差がある。


最強の格闘家と幼い子供。


...ギュギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルル...


巨人が鉈を振り回し次々と、ザバナを切り裂いて行く。


ザバナが巨人から逃げる。


ザバナは、必死に逃れようとしている。


生き延びようと必死だ。


愛も法も幸せも知らない悲しい生き物が。


何とか生き残ろうとしている。


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


ジェットタービンのような回転音が響いている。


切り裂かれたザバナは、再生すること無く、バタバタと死んでいく。


ザバナも自然炉といわれる肉体再生器官を持っているにも関わらず。


ザバナは1匹で国を滅ぼすと言われている化け物。


簡単に排除できる怪物ではない。


この兵曹達は特別強力だ。


一太刀で同時に数十頭の首を刎ねて行く。


全く無抵抗な子供達を。


一突きで同時に数十頭の心を貫いて行く。


無邪気な動物達の心臓を。


巨人達は容赦も慈悲も無い。


巨人の槍がザバナを纏めて串刺しにする。


何体も同時に串刺しにして、釣り上げる。


ザバナの体液の洪水がエンダル石を染めて行く。


強酸の体液が排水溝を雪崩れて行く。


世界最高峰の排水施設が、強酸の洪水を跡形なく消して行く。


大きな槍も鉈も恐らくアルマダイの炉を持った武器だ。


「あなたぁーー!。あなーたぁーー!。」


カポーティは、ミッチャムの元に、ミッチャムはカポーティに向かって走って行く。


二人は堅く抱き合った。


「赤碧様の使徒におじゃる。」


逃げ惑っていた貴族達は、集まり始めた。


「ダイダレス..。」


「ダイダレス様っ..!。」


「あの大鉈、ダイダレス様じゃ!。」


「あの槍を見ろ!アモン様だ、アモン様..!。」


「使徒が...赤碧帝の使徒がマロ達を...。」


「18使徒が我らを護ってくださる!。」


アモンとダイダレスは、たった二体でザバナの群れを次々と始末して行く。


第1条には、無数の化け物の亡骸が積み上がっていく。


アモンとダイダレスは、目を見合わせてコミュニケーションを取っている。


アモンが何かをするようだ。


!?


...チカッ...チカッ...


目が眩む。


...コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


アモンの目から閃光が走る。


ザバナの亡骸に向けて。


...


...


...ッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


迫撃粒子砲だ。


地面が激しく撓んでいる。


キノコ雲とともに、ザバナの亡骸が空に噴き上がる。


粉々になって。


手荒い清掃作業を。


高価な、塵一つ無かったエンダル石の石畳は、まるでクレーターのような跡が出来る。


このクレーターは、白帝軍に転嫁することが出来ないはずだ。


バリケードのように積み重なった、白帝軍のアンドロイド群も吹き飛ばされる。


進路が確保できた。


『...市民の皆様。...リバベリアへ。リバベリアに向かって走って下さい。...繰り返します。市民の皆様。...リバベリアへ。リバベリアに向かって走って下さい。...』


スピーダーに跨る装甲歩兵からだ。


黒い装甲に、赤、青のライン。


赤碧の軍だ。


隠れていた、無数の貴族達が、一気にリバベリアに向かう。


第二条まで50kmはある。


残存しているザバナもまた、雪崩れのようにリバベリアに向かう。


兵曹から逃れ、貴族を捕食するために。


...チカッ...チカッ...


空が白む。


...コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


今度はダイダレス。


口から閃光が。


...


...


...ッドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


キノコ雲と共にザバナの群れが空に噴き上がる。



...ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


....ズーーーーーーーンズズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


リバベリアを動かしている巨大なアルマダイ高圧炉は、重く大きく、そして厳かに穏やかに、メンファーの大地を揺るがし続ける。


-----------------------------------


メルエンラカーの第一ゲートが開く。


純白で大きな真珠を研磨して作られている、「神帝への階段」の上に、神帝の楽団が待っている。


リバベリアの飛来で、騒つく中、厳かに神帝の楽団が演奏を始めた。


聖歌隊が合唱を始める。


不世出の歌手の中から、7オクターブ以上の声を持ち、ホールを揺るがすほどの声量を持つものだけが、入ることを許される。


人気歌手の売り込み文句とは違い、神帝聖歌隊の歌声は本物だ。


その歌に世界中の誰もが心酔する。


様々な場で開催される歌の大会で優勝する者は、必ず神帝聖歌隊の退役者だ。


敵う者などいない。


聖歌隊の国歌斉唱が終わり、神帝の楽団が演奏を始める。


楽器を吹くために生まれた者や作られた者ばかりだ。


その、圧倒的な音楽性、ハーモニー、音色、技術は、世界一という言葉では過小評価にしかならない。


耳にする者で、感動のあまり泣き出してしまう者は多い。


神帝の楽団の演奏が終わり、大司祭が二番目のゲートの上に現れた。


エルマーに、祈るよう命じている。


彼はおきまりの豪華な祭壇に上がり、目を閉じ、腕を胸に当てた。


この景色は過去30年に渡り変わり無い。


エルマー自身も、その自信は揺るぎない。


エルマーは、詩を朗読するように、祈りを捧げ、それは全世界にメディアを通して放映された。


-----------------------------------


第一条は、緑色の肉片が散乱している。


もうここには、生きているザバナはいない。


全てが死に絶えた瞬間、そこには、ただ、生物のひたむきな生への欲求と、悲哀が漂うだけだ。


哀れなザバナの肉片と体液の前で、ダイダレスとアモンは息を乱すことも無く、立ち去らずにいる。


誰かを待っている。


ダイダレスとアモンによって切り開かれた道。


別の兵曹が現れた。


白い巨兵。


粉々に吹き飛んだアンドロイドのバリケードをぬって。


化粧兵曹とか、明らかに違う。


白帝軍の軍事兵曹だ。


こちらも二体いる。


白い兵曹は、砂利道を踏むように、低級アンドロイドの残骸を踏みつけ進んで来る。


地響きを轟かせながら。


そして、アモンとダイダレスの前に到達した。


ダイダレスやアモンと同じく60m超えの大きさ。


その風格から、同じく白帝軍の主力の兵曹のようだ。


しかし、その炉は、アモン達の高圧炉とは違う、揺らぎのある回転音をさせている。


白帝軍の兵曹は、ダイダレス達の前に立った。


『...こちらは、白帝軍 ニック•ニダーナそして、エルカメオだ。貴様達は?。..』


兵曹達のアルマダイ通信を受信することが出来る。


暗号化はされていない。


『...名乗る必要は無い。...』


『...何?...』


アモンは続ける。


『...貴軍が、この残骸を片付け、現状に復し終わった段階で、リバベリアを浮上させると、我が赤碧帝はおっしゃっている。...』


『...いや。まず聞け。この度の不手際につき、白帝様は遺憾の意を表明されている。我が軍は登頂に間に合う。しかし、赤碧軍は時間に遅れる。即ち、神帝の謁見式にへの出場は叶わない。我が軍の不手際により、迷惑をかける。お詫び申し上げるとのこと。後日、白帝様より赤碧へ、褒賞が与えられる。...』


『...神帝様の登頂命令は絶対。遅れることなど許されない。貴軍の不手際を事前察知した。赤碧帝は既に手を打たれている。速やかに、現状に復し、登頂されよ。くれぐれも間に合わぬことのなきよう。...』


ダイダレスだ。


『...手を打った!?。何のことだ?!。...』


ニック•ニダーナだ。


アモンは、リバベリアを指差した。


数千のリバベリアの巨大なゲートが開きアマル東軍が、神帝の道へ進みでる。


無尽蔵だ。


そして、地面とリバベリアの間の空隙をメルエン•ラ•カーに進み始めた。


『...ま、まさか?。赤碧は、登頂順位を変える気ではなかろうな!?。...』


エル•カメオが言う。


ダイダレスは、空を指差した。


空には、世界最大かつ最強と言われる、赤碧軍の戦闘飛行空母、ヒステリア、パイロメニア、スキゾフェニアの三隻が、リバベリアの上空で停止した。


次々と飛来する空軍艦隊は、隊列を整えた後、一斉に進行し始める。


その規模は、エルマー•ザフィーラ軍の規模をも遥かに上回っている。


圧倒的な物量と迫力に、誰もがのま込まれている。


「..................」

「......」「..................」

「......」

「.............」「......................」

「.....」

「.............」「..................」

「......」

「.............」

「......................」

「.....」

「......................」

「.....」


『...こ、これは。...』


群衆も、放送局も、宰相も、大臣も、公爵も、教師も、老婆も、子供も、ただ、あんぐりと口を開け空を見上げるだけだ。


筆頭行進であったはずの、スカルヤクマー ザフィーラ軍ですら、もはや、赤碧軍の前座でしかなくなった。


『...お、おまえ達、一体何のつもりか!?。...』


『...陣位は!?。第一神殿での、陣位は!?。後から、前方に抜くことは出来ぬ!。...』


アモンも、ダイダレスも応えず、背を向け歩き始めた。


『...待て!貴様等!。...』


『...背を向けて去るとは、無礼千万!...』


『...待たぬと言うのなら!...』


エル•カメオが構えた。


『...過ちを上塗る気か?。...』


ダイダレスは、少しだけ振り返り言った。


『...もし、そのようなことになれば、今度こそ、神帝はお許しになるまい。我が赤碧軍は、賊軍として、おまえ達白帝軍を滅ぼすだろう。...』


アモンは言った。


そして、二体は、リバベリアに向かい歩き去った。


ニック•ニダーナは、苛立ちエンダル石の敷き詰められた大地を踏みしめた。


ザバナの青い体液で染まった神帝の道には、更に大きな陥没が出来た。

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