エスカトラの女3
あ!。汗
ぁ...あ...あ..汗。
ケイとビンセントが!。
おばさんと女の子に覆いかぶさる。
ば..ば..ば...バカ!。防げる訳ないだろ。汗
に..に..逃げろ...泣。
助けて!。
神ナジマ様!。
...。
ぁ..あ..汗。
...。
ぁ...あ...あ..汗。
.....。
.....。
ぁ..あ..汗。
.....。
.....。
ん?。
んん?。
.....。
.....。
え...?。
落ちてこない....。
ん!?。
衝撃が来ない。
どした?
!?。
...ゴゴガッ...
ひっ!?汗
...ゴゴゴゴガアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンン...
「ひぇぇ..汗。」
「ううわっ。汗」
「きゃあぁぁぁーーーーーっ!。」
....ズガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...ゴガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
電波棟?鉄塔が路面に落ちた。
タイオールが掴んでいた。
...ググウェーーッ...ググウーーーェッ...ググウェーーッ...ググウェーーーーッ...
この鳴き声は...?。
え!?。汗
ぇえ!?。汗
浮いてる...?。
た..た..タイオールが宙に浮いてる!。汗
...バウッ...ボバウッ...バウッ...ボバウッ...バウッ...ボバウッ...
サーチライトに照らされて橋脚に映ってる影。
脚をバタつかせてる!?。
まるで締め上げられてるチンピラみたいに...。
タイオールが!?。汗
風が来る...。
獣の匂い...。
臭い...。
「うっぷ...。汗」
「うっ...。」
...ググウェーーッ...ググウーーーェッ...ググウェーーッ...ググウェーーーーッ...
...ググウェーーッ...ググウーーーェッ...ググウェーーッ...ググウェーーーーッ...
苦しそうに吠えてる。
...バウッ...ボバウッ...バウッ...ボバウッ...バウッ...ボバウッ...
ウグッ...臭い...。
必死に何かから逃れようとしてる。
...うそ?。
何で?。
サーチライトが橋脚を舐め回す。
はっ!?。汗
何か..居..る!。汗
何か...。汗
タイオール以上に大きい何か...。
巨大な影が...。
デカい。
「...でっか...汗。」
「うわぁぁ...。」
「こ...これは..無理... 流石に。」
今度は?...これは...な...何?。汗
「これ.....も..もしかしてトリオール....?。」
ケラムの生態系で進化したタイオールが、トリオール。
3つ首の猿人。
...ググウェーーッ...ググウーーーェッ...ググウェーーッ...ググウェーーーーッ...
...グウェ...グウェッ...グウェッ...グウェッ...
タイオールの声がさっきまでと全然違う。
凄く怯えてる。
さっきの勢いはどした?...。
あんなに大声で吼えて暴れまくってたのに。
まるで暴君みたいに。
そんなに怖いんか....?。汗
きっと防護壁のどこかが欠壊してるんだ。
じゃなきゃ、こんなに立て続けにケラムの生き物が来るはずがない。
「今だ!。行くぞ!。今のうちに道の反対側に!。」
ビンセントはおばさんを担いで走り出した。
火事場のバカ力...。
ケイは女の子を背負って。
俺は橋脚を警戒して走る。
この化け物たちが来たら、俺が行く。
頑丈で力が強い俺が。
でも、どれだけ時間を稼げるか...。汗
...グ..グウ..ェー...ー..ッ...グ..グ..ウーー...ーェ..ッ...グ..グウ..ェー...ーッ...グ..グウ..ェー..ーー..ー..ッ...
...グ..ウ..ェ...グ..ウェ..ッ...グウ..ェ..ッ...グウゥゥッ...グウゥゥッ...グウゥゥッ...
悲惨な鳴き声。
懇願してるように聞こえる。
助けてくれって...。
殺さないで...食べないでって...。
さっきまであんなに傍若無人に振る舞ってたのに。
凶暴で、無敵に見えるタイオールにもケラム地帯の生態系の中では天敵は多い...。
タイオールが、クロマニオン原人なら、トリオールは、ゴリラの肉体を持ったホモサピエンス。
人類との違いは、トリオールとタイオールは同時代に生きて、トリオールがタイオールを集団で狩り、好んで捕食すること。
トリオールは、知能でも、腕力でもタイオールを圧倒してる。
そして、感情をコントロールできる。
進化って残酷...。
って、ビンセントが言ってた w。
...ダッ..ダッ..ダッ..ダッ...バタ..バタ..バタ...ドタ...ドタ...ドタ......ダッ..ダッ...ダッ...ダッ...バタ..バタ...バタ...ドタ..ドタ...ドタ......ダッ...ダッ..ダッ...ダッ...バタ...バタ..バタ...ドタ..ドタ...ドタ...
...はぁ..はぁ...はぁ...はぁ...
..ふぅ...はっ..はっ...はっ...
タイオールの悲鳴が遠ざかって行く。
真夜中の海みたいな漆黒の闇を走り抜ける。
陸上競技場を丸ごと横断するほど遠い。
...ダッ..ダッ..ダッ..ダッ...バタ..バタ..バタ...ドタ...ドタ...ドタ......ダッ..ダッ...ダッ...ダッ...バタ..バタ...バタ...ドタ..ドタ...ドタ......ダッ...ダッ..ダッ...ダッ...バタ...バタ..バタ...ドタ..ドタ...ドタ...
やっと...中央分離帯まで来た。
中央分離帯だけで15m以上あるよ...。汗
この片側13車線やけに広い道。
...はぁ..はぁ...はぁ...はぁ...
...はぁ..はぁ...はぁ...はぁ...
時折サーチライトに照らされる。
いくつものサーチライトが交差する。
ケラムの生き物を警戒してる。
赤外線レーダーだけじゃなくて目視でも...。
..ふぅ...はっ..はっ...はっ...
...はぁ..はぁ...はぁ...はぁ...
...はぁ..はぁ...はぁ...はぁ...
「.ふぅ...はっ..行く...ぞ!..はっ...はっ...」
ビンセントが叫ぶ。
「ビンセント。代わるよ。ケイも。」
「..はぁ..あり.....ふぅ...ふぅ..がとう...」
「..ふぅ..この子..ふぅ.は...私が......はぁ..はぁ..まだ...はぁ..はぁ...小さいから...はぁ..はぁ...そっと運んで...はぁ..はぁ...はぁ..はぁ...あげないと...」
すごい汗...。
2人とも全身で息してる。
もう限界だ。
「ここで、橋脚の裏で少し休もう。」
「..はぁ..だな.....ふぅ...ふぅ..」
ケイは声も出せない。
2人がおばさんと女の子を下ろすのを手伝う。
2人とも気絶してる...。
...ドタッ...
ビンセントが倒れ込む。
「..んあぁーーーーーーーーーーつっ!....はぁ..はぁ...はぁ...はぁ...」
「..はぁ..はぁ...静かに..はぁ..はぁ...しなさい..よ..バカね....ふぅ...ふぅ..」
さっきいた道の端...歩道を見る。
この50mのジニリウムの橋脚越しに。
化け物も、強烈な匂いも、漆黒の海の向こう。
巨大な橋脚、防護壁、化け物達のいた、20mあるバカ広い歩道...。
あんな広い車道に人なんか通るか?。
...グ..ウ..ェ...グ..ウェ..ッ...
奴らは嗅覚が半端ない。
タイオールを食い終わったら、直ぐにここに来る。
ケイもビンセントもそれは分かってる。
最悪、俺が全員抱えて走る。
道の反対側まであと100mくらい。
歩道の先に、ガードレールが見える。
太いジニリウムのガードレール。
でも、その先どう逃げる?。汗
ここはハイウェイ。
地上は100m以上下。
その先は...。
大地...そして山。
彼方にやっと街の微かな灯り。
「見て..。」
ケイは大分落ち着いてる。
「星が落ちて来たよ。」
ん?。
確かに...。
...チカーーーーーッ...チカッ..チカッ...チカーーーーーーッ...チカーーーーーーーーーッ...
一際まばゆい星が、ゆっくりと降りてくる。
不規則に光りながら。
まるで、シャンデリア。
冷たい透き通った光...。
「...ハイドラ....ハイドラ..の軍事衛星だよ...フゥ...」
ビンセントが言う。
「ここに来る途中に見たやつ?。」
「そう。オグワン。あの光は識別灯。」
「識別灯なんだ?。初めて見た。綺麗ーーーーーっ。」
ハイドラの軍事衛星が綺麗なのは有名。
高度を下げている?。
「ぅわっ...色んな色で光り始めた。」
赤、黄色、青、緑、水色、桃色...。
オグワンの、ペギリュウムライトと狼煙に関する逸話は沢山ある。
仲間の1人がダヌア戦線に行った若者グループの悲恋の話とか、アンティカのプロポーズの話とか...。
流星や花火と同じ特別な風物詩になってる。
「あれは、ペギリュウムライトの狼煙だよ。ハイドラ軍へのメッセージ。」
確実にさっきより高度下げてる。
「何であんなに高度下げてるんだろ?。」
「さぁ?...。あっち、もう一個来たよ。」
この光...癒される...。
時間を忘れる...。
「狼煙が、話しかけてるみたい...。」
「あれ、何て言ってる?。」
「読めないよ。暗号だから。見上げた人には、それぞれ違う言葉に見えるんだろうね。きっと。戦場へ送り出した家族には、元気だ、とか、帰る、とか...?。」
「ふっ...w...すかしてんじゃねえよハゲ w。」
「誰がハゲじゃコラ!怒」
「...本当にガサツね。」
...
...ツ..ッ...
...ドーーー..ーーーーー...ーーーーーーー...ーーーーーーー..ーーーーーー..ーーーン...
!?。汗
デカい音...。
さっきの場所から...。
こっちの路面まで揺れてる...。汗
「あっ...!。汗。見ろっ!。た...タイオールが!。汗」
タイオール?が橋脚に敲きつけられた?。
サーチライトの光。
橋脚のコンクリート部分に血?が飛び散ってる...?。
「うぅ..わっ汗。ひでえ...。」
タイオールが、10mの巨体が、不自然な格好で、地面に横たわってる。
両肩で倒立しようとしてるような体勢で...。
足はガニ股で、股を開き天を向いている。
路面に頭部がめり込んでる?。
上半身が捻じ曲がってる?...。
一体何が...。
悲惨過ぎて血の気が引く...。
...ブッウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「ひえつ...汗。」
「おぉっ...!汗」
な...何?..こ..こ..今度は?。
反対側から...。
...ブッウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ガードレールの先から...。
かなりデカい音。
大型タンカーの汽笛のような。
...ブッウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
反響してる...。
こだましてる。
「角笛?。」
「軍の角笛?。」
「デカい貝のやつ。」
「それは法螺貝じゃろがい。怒」
眩しい!。
「うぅっ...汗。」
「目が焼ける。」
何だ?...この光。
こ...これ...ここ...ボルガ大河だ...。
こっち側に出たんだ...俺らの飛行車。
照明が一斉に光りを放つ。
100mはありそうな、大きな塔型照明。
透明度の高い白い光。
ペギリュウムは一瞬で強い光を発する。
普通のライトアップじゃない。
サブルゲートのある場所だから?。
ケラム地帯から人間社会を隔てる防護壁の。
塔型照明は、川に沿って並んでる。
300mくらいの間隔で。
彼方まで。
既に、橋も、整備された河川敷もライトアップされてる。
河川敷は、人型戦車や、兵曹が歩けるように、セメントか何かで、整備されてる。
ボルガ大河は、大きな川。
川幅が狭い所で500m、広いところは2000mある。
この公道から見下ろす大河。
この高さから見ても対岸は見えない。
塔型照明の光で一気に視界が広がった。
漆黒の闇が、こんなに明るく広く拓けた場所だったとは...。
立体的な景色。
ここは、境界の国 ハイドラ首長国連邦の、南の領土アルバーンに隣接してる。
「ねぇ。見て!。あれ!。」
ケイがボルガの中域を指差す。
何かが水の中から...川の中域で。
「何だろう?。」
ホント何だあれ?。
2本の鉄塔が伸び始めた。
「何で川から鉄塔が...?。」
あ...!。
「あれ...兵曹だぜ!。」
鉄塔を持った巨大な兵士が、大河の中からゆっくりと姿を現す。
かなりの大きさ...平和の女神像並み。
「違う...あれは鉄塔じゃない。旗...軍旗だ。」
「何で川の中から...。」
滝のように身体から水が落ちてる。
何かを...相談してる。
光で溢れるこの光景。
無数のサーチライトを浴びながら。
さっきの陰惨な静けさと闇が嘘のように。
目が焼けるほど眩しい。
夢でも見てるみたい。
何かが始まるのか?。
ケイも、ビンセントも固唾を飲んでる。
...ウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゥ...
...ウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゥ...
【...kkjjjkjhh..gfdffgghfc...fddr...ookju...hgggffftu...ddsfff...fffy uhhgghj...cvcghhjj...kllkkk...】
...ウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゥ...
放送塔から、サイレンとワイナ語の放送が一斉になり響く。
反響してる。
...まえ...た...ち....ぶ...?...
!?。汗
ヒッ!。汗
な、何だ...?。
大きな獣の唸り声...?。
わ..忘れてた!。汗
後ろから野太い音がする。
橋脚の背後から。
獲物を油断させるため?の優しい声...。
囁くような。
...お...え...ち....じか?...
...人の声?。汗
音が低すぎて聞き取れない。
「無事か?って言ってる?。白亜語みたい。」
ケイが言う。
ハクア語?...。
アトラの公用語。
!?。汗
...きょ..きょ...巨人?...
うわぁ!。
「きゃぁぁーーー!。」
「うわあぁあぁぁーーーーーーーーーー!。」
耳元で叫ぶな!...ビンセント...こいつ。怒
だけど...でかっ...。汗
...でーか!....。泣
「何だこれ!。何だこれ!。うわあぁぁぁぁぁぁ!。」
「耳元で叫ぶな!。タク!。てめぇ!。」
ぬ...怒。




