エスカトラの女2
見て?。
新しい俺の黄色いジャージ。
めっちゃイケてる。
ハイパーセラミックエナメル素材。
Adidaz製...。
3本の黒いラインが映える。
エナメルがめっちゃ光る。
マジカッコいい!w。
侍っぽくて超イケてたのに、斬鉄刀が芋虫の突進で折れた。
この芋虫...皮膚厚いし、小型のブルドーザーくらい力ある。
でも、動きは鈍い。
これじゃパンデミア(ケラムの生態系)じゃ生き残れない。
どんな成体になるんだろ...。
...ガン...カラーーーーーーーン...
...バスッ...
刀を捨てて、キックをぶち込む。
辺りが振動するほど。
なかなかのキック力...我ながら w。
...シュゥゥゥーーーーーーーーーー...
芋虫の粘液で、蹴る度にブーツが白煙をあげてる。
ケラムの生き物には、体液が強酸な奴がいる。
生き残るため。
...ドスッ!...
...ドスッ!...
効いてる!w。
蹴る度に、尻尾についてる白い顔が、苦痛に歪む。
バカ殿みたいな顔が暗闇に浮かんでる。
これ囮じゃなくて、本当にこいつの頭かも。
溜めてーー...。
おーりゃあ!。
...ドッスンッ...
思いっきり蹴りをブチ込む。
いい音! w。
あのおばさん大丈夫かな?倒れちゃってるけど...。
こんな時間にザブルゲートの近く子供連れて歩くなんて。
もう一回!....。
...ドッスンッ...
...ゲーーーゴーーーーー...
うわっ!。
芋虫のクセにゲップしやがった。
...ゴボッ...ゴボッ...
何か出てきた...?。
げっ!。
何だこれ!。
「くっさ!。」
何かが腐った臭い。
凄く臭い...。
吐きそう。
丸呑みにされた犬か猫...。
人の身体?も出てきた!。汗。こいつの口から。
「うわっ!。うわっ!。うわっ!。汗」
ひえぇぇ...。汗
芋虫がまた突進して来る。
しぶとい。
死ねっコラ!。諦めろ。
そうだ、あの悪さするあたま取っちまおぅ。
芋虫の背中に乗る。
こいつの胴体粘液でめっちゃ滑る。
オイルを塗った臭っさいソファーみたいな感触。
ブーツが滑ってコサックダンスなう。
尻尾の顔を掴む。
繋がってるとこ細いのに...くっそ硬ってえ。
「..タ.ク!..それ..ギルメア..の..幼体..っ!…群体..だぜ!。」
ビンセントの声。
ぎ..ギルメア....?。
赤くて綺麗な蝶々?..のこと?。
だよね。
が?こ..こんな...?。汗
違うギルメア?。
「..その..擬人頭..を.もぎ..取れ!...統率が..取れ..なく..なって..バラ..ける..から!…」
ビンセントの声が遠くから聞こえる。
広い漆黒のアスファルトに反響する。
「昆虫博士、ナイスゥ!。」
「...昆虫..博士...じゃ..ねー..わ!..怒...」
この白キモい顔、擬人頭って言うんだね。
芋虫が左右に揺れる。振り落とそうとしてくる。
逃げようとしてんな?お前。
「取れねぇ...。頭...。」
何で取れないんだよ!。
このクソ擬人頭!。
...ベチャ...
オラ!。
...ベチャ...
...ベチャ...
変な音...。
擬人頭は苦痛とパンチでぐちゃぐちゃに歪む。
キモい。
何この表情...。
妙に人間臭い。
おぇ...。
!?
「...キ..ャ..ー!...」
「...俺の..飛行車..が...飛行車..がっ...泣...」
ビンセントのオトン、フランツ議員の...。
真っ赤なトヨカのレクソスLC。
柱の向こう側。
2人の声。
どうした?...汗。ケイ!ビンセント!。
うーわっ!。
芋虫が動き出した!。
...バムゥッ...
大芋虫が柱に激突する。
....ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
しまった!。
滑った...手が。
うわあぁ!。
あっ..あっ...。汗
やられた。
浮いてる。宙に...。
高架下..星空...サーチライト...照らされる防護壁...風..。
飛んじゃってる。汗。
俺..飛んじゃってる...。
スローモーションみたいに。
地面来た。
アスファルトに激突する。
...ガズゥッ...
痛てっ!。
...ザザザァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
止まんない。
滑ってく...。
このまま...。汗
「うわぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!。」。
...ガガガガガガガガガ...ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギーーーーーーーーーーーー...
火花が...火花が、飛び散ってる...。
ベルトのバックルがアスファルトに擦れて。
暗闇を照らしてる。花火みたいに。
買ったばっか…高かったのに...泣。
めっちゃ滑ってく。
エルカー(飛行車)のヘッドライトで照らされてる柱の方へ。
...ズザザザザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「うわぁぁぁぁぁ!。」
滑って行く。
漆黒のアスファルト。
もしネオヤマトでこの広さの陸者用の道路なら、普通に轢かれてる。
高速で走る車何十台に。
...ザザザザザザザザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
えっ?。
えっ...?汗。
えぇっ....!?汗。
な......何これ。
.....。
何これ?。
何だこれ!?。汗
黒い毛だらけの...。
ストップモーションで顕にな..る。
サーチライトが照らすジニリウムの柱の影から。
「何だこれ!。何だこれ!?。うっっわぁーーーー!。うっっわーーー!。汗」
毛だらけで黒い重そうな胴体...?。
大木のような何本もの長い脚。
ビル並みの高さ...。
爪?。
真っ黄色...ピカピカ光ってる。
毛だらけで真っ黒な胴体は、中年のゴリラみたいに肉が垂れ下がってる。
「で...でっか...。汗」
もしかして...これ..蜘蛛?。
これ、デカイ蜘蛛!?。汗
「...うわ..あぁ!..助けろ!..早く!...」
!?。汗
あいつら..?。
あわゎ...。
つ...捕まってんじゃん...普通に...。汗
囚われてる!捕まってる!囲われてる!。
黄色いピカピカの爪で..。
この鮮やか過ぎる色。
毒あるよね?..絶対...。
サーチライトに照らされる度にピカピカ光る。
そぐわない...この場に....。
...ビシュウゥゥゥゥゥゥゥーーゥゥーーーーーー...
...ズガゴーーーーーン...ガシュッ...
大クモが、飛行車を串刺しにした。
二本の前脚でエルカーを持ち上げる。
...ググググ...ガガガ...
...タン..タン..タン...
...ゴリゴリゴリゴリ...
...ゴリゴリゴリゴリ...
蟹のような口でかじり始めた。
口の中は真っ赤。
かじられたエルカー(飛行車)の赤い塗料や部品が、ビンセントとケイの頭上に降ってる。
バラバラと。
「避けろ!。危ない!。」
「..避け..とるわ!..言われ..んでも!..」
「..やだ..もう..髪に..ゴミが...」
エルカー(飛行車)の反重力板が、半分以上が脱落して、ボディから垂れ下がっている。
...スゥーーー...
...ガッ……タン…タン…タン…
何を...?。
バカ蜘蛛が、エルカー(飛行車)持ち上げた...。
...バシッ...バシッイッ...
スパークする。
エルカー(飛行車)の電気系統が。
...ガスゥゥッーーーーーン...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
叩きつけた...地面に。
食べ物じゃないのに気づいた?。
「うわっ!。」
「きゃぁぁーーー!。」
...ドダン..ドダン..ダン..ゴゴゴゴゴゴーーー...
...ダンッ...
エルカーがバウンドする。
回転しながら。
...ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
火花を散らしてアスファルトを滑ってる。
...ゴガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
柱に激突した。
!?汗。
何あれ!?。
大グモの身体の下についているの。
ピカピカしたの。
卵?...ゲ...目だ。
目!。
エグっ!。
動いてる...。
サーチライトに照らされる。
大小100はある。汗
ビンセントとケイを見てる。
爬虫類みたい...虫なのに...。
そう、ワニみたいな目...。
「..私..餌だと..思われ..てる...?..泣」
「待ってろ!。今いく!。」
「お揃君!。あっち!。あっち!。お揃君!。」
お揃君?。何?。誰?。
ビンセントがおばさんと女の子の方を指してる。
「私たちは大丈夫だか..!...じゃないかぁぁぁぁぁ...うわあぁぁん!。」
ケイが。
どっちだよ!。怒。
...ビュオオオウゥゥッッーーーーーーー...
大グモが、爪振り下ろす。
2人目がけて。
やばっ..汗。
「...ひぇっ!...」
よ...避けた..。
「ビンセント!。ナイスゥー!。」
あいつピースしてる。
泣きながら w。
あ..!?。
ギルメアがおばさんたちの方へ行った!。
くそ!。
今度こそ、そのキモい首、引きちぎったる。
...タッタッタッタ...ダダダダダダダダダダダダダダダダダ...
「ウ..サ..イン...ルイスーーーっ!。」
ジャンプっ!。
「おりゃぁぁーーーーー!。」
後ろから飛びつく。ギルメアに。
...ヌルッ...
ぐぬぬ...汗..やっぱ滑る...。
しかし...今度は離さん!。
ギルメアは、擬人頭のついた尻尾を振り回す..俺ごと。
凄んごい力。
激しく揺さぶってくるンゴ。
こいつ、ワイを振り落とす気ぃや。
...ド..ダンッ...
...ダンッ...ダンッ...ダンッ...ド..ダンッ...
地面に叩きつけられる何度も。
い、痛てぇ。
しかーし...絶対に離さんぞ。怒
掴んだこの手を離さない〜。
「おばさん達を呑み込む気だろ!。」
させねぇ。絶対に!。
悪いけど、俺、力強いから。
フライパンとか、ヤカンとか、片手で、ぺちゃんこだから。
もしかして...こいつ焦ってる?。
毛虫のクセに...。
「おおおりゃあああ!。」
思いっきり、思いっきり、ギルメアの擬人頭を締め上げる。
...グエェッ...オオオ...オ..かぁサーーン...
擬人頭が悲鳴を上げる。
キモい声出してんじゃねぇよ!。
体液が噴き出してる。
...シューーーーーーーー...
ジャージがギルメアの粘液で白煙を上げてる。
ハイパーセラミックエナメル素材のジャージが...。汗
「...気を..つけろ!...そい..つ!..歯がある!...サメみたいな歯が!...」
ビンセントの声。
まだ捕まったまま。
蜘蛛は2人を観察してる...。
デカい身体を傾げながら...。
もしかしたら、あいつ、賢いかもしれない...。汗
「きゃあぁぁーーー。」
ハッ!?。汗
ケイの悲鳴。
...ガツッッーーーーン...
クモの爪で歩道が砕け散ってる。
...バラバラバラ...
「すぐ行く!。このっ!。...」
こいつの頭ぁー。
ちぎれろ!。
頭ぁーー。
うう。
尻尾滑る。
滑る。
足が滑る。何度も。
まーたコサックダンス...。泣
思いっきり引っ張ったる!。
「せいのぉぉぉぉおっ!。」
...メリ..メリ...メリメリメリ...
...ブシャァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ひぇっ...。汗
もげそうになった擬人頭の付け根から、黄色い体液が噴き出してる!。
...オカぁサー..ン...
擬人頭がまた悲鳴を上げてる。
何これ、何これ...また、変なもん出てきた...。汗
首の付け根からピンクのミミズみたいなのが何百本も。
蠢いてるし、臭っ。
臭ーーーーさっ!。
何これ?。何これ??。
触手?。えっ....。
キモいぃ。泣
キモいぃぃぃぃぃぃ。泣
キモ過ぎる....。泣
おえー。
で、擬人頭は、ちぎれかけてる。
俺のパワー、マジすげぇ w。
半端ねぇ。
!?
擬人頭の口が、大きく開いた。
ゾンビの口みたい。
今、擬人頭の4分の3は口....。
ホントきんもっ!こいつ。
今度は何だ!?。
...ギュワーギュワギュワギュワギュワギュワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ...
大きく開いた口から、甲高いサイレンのような大きな音...潰れたような...。
鳴き声がだんだん大きくなる。
...ギュワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ...
何も聞こえなくなった。
他の音が何にも...。
逆に、バカ蜘蛛がおとなしくなった...。
項垂れてんの?。汗
うわっ!。
...バタバタバタバタバタバタバタバタ...ギギギギギギギギギギギギギギギギ......バタバタバタバタバタバタバタバタ...ギギギギギギギギギギギギギギギギ......バタバタバタバタバタバタバタバタ...ギギギギギギギギギギギギギギギギ......バタバタバタバタバタバタバタバタ...ギギギギギギギギギギギギギギギギ...
凄い数の鳥!虫!コウモリ!...。
飛び込んで来る。
吸い込まれるようにギルメアの大きな口に...。
...バシッ...バババ...バタバタ...バシッ...バシッ...
身体にぶつかる。いてぇ。
どこにいたのこいつら...。
...ギュワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ...
「...あなた!..あなた!...生きてたのね?!...上手く逃げられたのね…逃げていたのね…あなた!...良かった…泣…ねぇ!...見て…アイもいるの!..アイも無事なの…ねぇ..3人とと無事だったのよ!…あなた..良かった…良かった…良かった…泣...」
おばさん!?。
!?汗
危ないっ!。
どうした?!。
突然走り出した...。
娘さんの手を引いて。
ギルメアに向かって。
え...?。嘘でしょ?。
ダメでしょ?普通に...。
...ギュワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ...
「なーにやってんすかぁっ!。怒」
「..や..だ..いや..ー..怖い...」
女の子が泣いてる。
「...あの..お母さんおかしくなってるよっ!..ケイ..ん?.......ケイ?...」
ビンセントの声。
「...パパ!?...パパ?..なんでここにいるの?...パパ!...」
ケイ...?。汗
「...ケーーーーーーーイ!..どし..たぁ!?..汗..」
ビンセントが叫ぶ。
ケイが、黄色い爪を腕で押しのけ、ギルメアに向かって走り出した。
?!
嘘だろ...?。
...ギュワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ..
「...け..ケイッ!..一体..な..なーにやって!...げ?...お札?..あれ?...札束?..あそこに...あそこにも..何であんなところに...もったいない!...もったいな過ぎる!...今そっち行くね?..君たち!...待ってろ!...」
え?。
ビンセントも走り出した...。
こいつら、おかしくなってる?。汗
ここは、リーダーの俺がしめる...。やむを得ん。
「ゴォラアァ!!。何やってんだ。おまえら!。」
...キーーーーーーーーーーーーン...
耳鳴りが...。
右の耳だけ。
...ギュワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ...
「タク...タクヤ....。」
父さん?。
父さんの声が...?。
何で...?。
行方不明の父さん。
「ターク。久しぶり。」
「タクくん!。タクくん?。」
「おーい。クソタク〜笑。てめぇカッコつけやがって。笑」
え?。
アツコさん、マッツ、ジャン、イーノ...懐かしい声。
何でここに?。
みんな...会いたかったよ...。
でも、右側だけ。
右の耳からしか聞こえない。
左の耳からは、相変わらずこいつの鳴き声が...。
爆音だ。
でも、懐かしい...。みんな。
しまった...汗。
思わず、手を離しちゃった...汗。
ギルメアの擬人頭から。
振り飛ばされる!。汗
...ゴガンッッ...
痛てぇ。
潰れたエルカーに激突した。
頭ぶつけた。
エルカーのヘッドライトが消えた。
しまった!。
...ガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
!?
突然、高いところから、爆音が響く。
何だ!?。
この爆音...。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バチャァァァ...
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...グチャァァァァァァァ...
...ドンドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...バチャンッ...
サーチライトが照らす。
暗闇で、大きな何かが地面を何回も踏みしめてる。
今度は一体...。
踏みしめるたび、地面が激しく揺れる。
ギルメアの鳴き声が止んだ。
...ドンッ...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
..ブチャーーーーン...
代わりに、何かの肉が潰れる音。
何回も何回も。
...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...
...シューーーーーーーーーーーー...
....シューーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
体液が何かを溶かす音。
異種がする。
サーチライトが辺りを照らす。
!?汗
潰れたギルメアがいる。
無残にも....。
グッチャグチャだ。
内臓が飛び出て、体液が吹き出してる。
気持ち悪い...
あぁ...!。汗
バラバラに崩れはじめた。
小石のように...。
バラバラになったいくつもの粒が、蠢いてる。
苦しんでる?...悶えてる?。
この粒が...この粒がサナギ化する前のギルメアの幼体?。
成体のギルメアは、80cmくらいの、それはそれは綺麗な赤い蝶。
ケラムの虫には、このギルメアみたいに、幼体からサナギになる前に、エネルギーを蓄えるために、肉食の群体になるのがいる。
って、ビンセントが言ってた...。
そして、鳴き声で、物を破壊したり、お互いの成長を促進させるものもいるって。
その鳴き声は、確か、レディエードって言われてる。
こいつは、幻覚を見せるタイプだ。きっと。
ギルメアはハイドラの公用語ワイナ語で、幻とか夢だ。多分。
潰れた擬人頭の根元に生えたピンクの触手だけがいつまでも蠢いている。
...ガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
!?汗。
また爆音が...。
大グモが吠えはじめた。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
違う。もっと重い咆吼。
何だ...?。汗
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
何かいる...?。汗
他の何か....。
この咆哮...今までのとは全然違う。
「...うわ..あ..ぁぁーーー!...泣」
「...きゃあぁぁぁぁーーーー!...」
2人の悲鳴...本気の。
...ガゴッ...
...バラ..バラ..バラ..バラ...
...ガツッ...ガゴッ...
...バラ..バラ..バラ..バラ...
コンクリートの砕ける音が....。
サーチライトの光が爆音のする場所を通過する。
何だ....これ!?。汗
大蜘蛛より大きい。
10mはある。
ごつくて、黒い毛皮で覆われている。
大きな熊?。
10mの?。
また、サーチライトが。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
牙のある口を開け、雄叫びを上げている。
大蜘蛛が華奢なおもちゃに見える...。
ごつくて重厚な巨体。
こんな大きな熊が....
鳴き声が2つ。
なんで?。
巨大な熊...頭が二つある!?。汗
デカっ!デーーーカっ!。汗
マンションの3階位の高さ...。
首の1つがこっちを向いた。
目が一つの、フクロウ.....。
毛じゃなくて羽...羽毛。
げ!?...。
こいつ熊じゃない!。
身体は巨大なゴリラ...。
フクロウゴリラ!?。
「..た..タイオール..だっ..!...」
ビンセントが叫ぶ。
た….タイオール?..。
ビンセントの声に反応して、巨大フクロウゴリラ、いや、タイオールが激昂する。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
「...やばい...これはやばい...」
大蜘蛛が、再び雄叫びを上げる。
...ガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
タイオールがその音に反応する。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
タイオールの興奮は最高潮だ。
両方の頭から汽笛のような咆哮を上げる。
...ドスン...ドスン...ドスッ...ドスッ..ドスドスドスドスドスドス...
大グモの方へ突進しはじめた。
!?。汗
あれ...下、脚元を見てる...大蜘蛛の..。汗
タイオールがケイとビンセントを見つけた?。
「...終わ..った...」
ビンセントの声だ。
掴もうとしてる。
大蜘蛛には目もくれない。
蜘蛛が大きな口を開け雄叫びを上げる。
錆びた金属が擦れるような音だ。
...ガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
鼓膜が破れそう...。
あぁ...。
...ザググウゥゥゥゥッ...
大蜘蛛が、二本の黄色い前足でタイオールの腕を突き刺した。
...バシャ..ドボ..バシャ...バシャ...
...シャャアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
凄い量の体液が降って来る。
...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
アスファルトが溶けてる。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
タイオールが悲鳴を上げ、両腕を引き離す。
...メリメリメリ..ボギィィッ..ゴン...バギバギィイ..ボキ..バキバキ...
大蜘蛛の前足が引きちぎれる。
大木が折れるような鈍い音。
...ブシャァァァァアァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
体液が噴き出してる…。
...バタバタバタバタ...
...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
体液がアスファルトを溶かす..。
大蜘蛛が逃げようとしてる。
...ブゥウォン...
脚が、爪が、ビンセントとケイの頭上に、振り下ろされた。
まずい...。
「...うわ..ー..ー!..」
「..キャーー..ー!...」
...ガツッ...
2人が逃げた。
ギリギリの間。
大グモの脚から...。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
タイオールがブチ切れてる。
大蜘蛛を両方の拳で何度も殴り始めた。
...バアァギイィィィ...ボオォギイイィィィィ...ゴゴゴゴ...ガゴオオオォォォン.....
...バアァギイィィィ...ボオォギイイィィィィ...ゴゴゴゴ...ガゴオオオォォォン.....
まるでハンマーでヤシの実を割ってるみたいに。
...バアァギイィィィ...ボオォギイイィィィィ...ゴゴゴゴ...ガゴオオオォォォン.....
...バアァギイィィィ...ボオォギイイィィィィ...ゴゴゴゴ...ガゴオオオォォォン.....
木材が折れるような鈍い音。
...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
また、大蜘蛛の身体から体液がほとばしっている。
潰れた大グモを見て、タイオールが、また猛り狂ってる。
こいつは、全ての反応が怒りだ。
…ドウゥン…ドウゥン…ドウゥン…ドウゥン…ドウゥン…
両方の胸をたたいている。
地面が揺れる。
タイオールが大蜘蛛の足をむしり取り始めた。
大木みたいに太い脚を。
...バッギギキイイィィィィーーーーーーーッッッ...
...ブウウウゥゥゥッチイイイイイイィィィィーーッッッ...
...バキバキ...バギバギバギ...バッギギキイイィィィィーーー...
...バッギギキイイィィィィーーーーーーーッッッ...
...ブウウウゥゥゥッチイイイイイイィィィィーーッッッ...
...バキバキ...バギバギバギ...バッギギキイイィィィィーーー...
大蜘蛛をめった打ちにしている。
...バアァギイィィィ...ボオォギイイィィィィ...ゴゴゴゴ...ガゴオオオォォォン.....
...バアァギイィィィ...ボオォギイイィィィィ...ゴゴゴゴ...ガゴオオオォォォン.....
...バッギギキイイィィィィーーーーーーーッッッ...
...ブウウウゥゥゥッチイイイイイイィィィィーーッッッ...
拳が柱のコンクリートにも激突して、ぶち壊している。
...ガゴゴオオオォォォン...バラ..バラバラバラバラ...
こいつが大蜘蛛に気を取られてる隙に逃げなくちゃ...。汗
おばさんと女の子...。
倒れてる。
気絶してる?。
ビンセントが、エルカーのスロットル引いてる。
塗装は剥げて、反重力版の殆どが脱落..ボディーが凹んで、ガラスも割れて..バチボコに、ガタガタになった飛行車。
こいつ、めっちゃ怒られるぞ...。汗
こいつのオトン、フランツ議員に。
...ググクググ...
「ビンセント!急いで!。」
ケイが。
ビンセントがまたピースを、こんな時に...。
あてになんねぇ..こいつのピース。
格好つけてんじゃねえよ。
...グググゥウウウッッッッッ...
エルカーのエンジンが反応してる。
こんなにボロボロになってるのに。
流石世界のトヨカ。
...ググググググゥウウウッッッッ...
...グルグググググゥウウウウ...ゴン..ゴン..ゴーーーーーーーーーーーーーーン..ンンン..ン...
....グググルグググルル...グググゴンゴンゴンゴン...ドドドドドドドドドドドドドドドド...
エンジンかかった!? 。
エルカーが浮いた!。
良し!。
「お母さんの方お願い...私は女の子の方を!。」
...グググググググググゥウウウウーーーーーン..ンンン..ンー...
やばい。
エンジン止まりそう。
俺がエルカーを引っ張る。
ビンセントとケイがエルカーを押してる。
...ドドドドドドドドドドドドブルブルブル...
もう少しだ、もう少し。
あれ?…俺もっと力あるはずなのに...。
力が出ない。
消耗してる?。
意外と...?。
...ブルブルドドドドドドドグググググググググ...
...グググ...
...ググ...
...ンンンン....ンンン...
!?汗。
エンジン止まった...。
動かなくなった。汗
まずい..。
タイオールの興奮が収まらない。
...ゴゴゴゴゴン..ゴン..ゴン..ググググ..ゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウギギギギギギ...
今度は放送塔?。アンテナ?。
デカいアンテナをへし折り始めた。
大蜘蛛は...もうバラバラのグチャグチャ...汗。
どう見ても生きちゃいない。
...ズガゴーーーーーーン...ガッシャーーーーン...ズガゴーーーーーン...ガッシャーーーーーーーーーーーン...
タイオールは、辺り構わず殴り続けてる。
やっばっ...汗。
...ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴガガガガガガガガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...
ひっ!。汗
タイオールこっち向いた!。汗
…ドウゥーン…ズドーーーン…ドドーーン…
放送塔を持ち上げながら歩いてくる...。
やばい!。
あぁぁ...。
引きちぎった放送塔を...。
鉄塔を引きちぎるって、どんなバカ力だよ…。汗
あぁ…。汗
振り下ろして来た!。
「うわああああ!。」
「きゃあぁーーー!。」
ダメだ...受け止めきれない。
放送塔の重さ..しかも、タイオールの渾身の一撃。
身体...持ち堪えてくれ!...頼む!。
拳を交差し頭上で構える。
あ!。汗
ぁ…あ…あ..汗。
ケイとビンセントが!。
おばさんと女の子に覆いかぶさる。
ば..ば..ば...バカ!。防げる訳ないだろ。汗
に..に..逃げろよ…泣。
助けて!。
神様!。




