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「このままじゃまずい。一旦下がることも考えたほうがいいんじゃないか? それに下に戻れば落ちたやつと合流出来るかもしれない。上にはこれないだろうけど、俺達が戻れば、もう一度人数を揃えてここに戻ってくる事ができる……かもしれない」
攻撃に耐えながら、俺はそんなふうに声を張り上げる。そうなると俺達が逃げようとしてるってことが月人に筒抜けになる? いやいや、月人にはそれだけの知能はないだろう。もしかしたら月人を通してそれこそセツリとか誰かが聞いてるのかもしれないが……月側からしたら、俺達が一旦下がるってのはある意味でいいことだ。
なにせ向こうは時間を稼ぎたいはずだからだ。月にも同時に侵攻してる。けど、月に侵攻してる部隊の勝算は今のところは正直ない。なにせ加護がないんだ。そのせいで今の俺達……いや地上の人々には上限という蓋が重くのしかかってる。いろいろな対策をして世界樹があった時の状態に近づけてはいる。
でも近づいてるだけで戻ったわけじゃない。それに俺達地上側は以前よりも力が押さえられてるというのに、世界樹を得た月側は世界樹の加護を得てスペックアップしてるのだ。普通の月人とかだって以前よりも強くなってるのは実感してる。ただメタれる程に対策があるから、脅威にならないだけでしっかりと向こうは強化されてるんだ。
こっちが下がった分、向こうはあがってる。そして月へと侵攻してる人たちは月の本拠地に行ってるわけだ。地上はこっち側がホームだ。でも月だと当然月人達のホームになる。そうなると、更に色々と恩恵があってもおかしくない。そんな中弱体化中のプレイヤーがどれだけやれるのか……
こっちの勝ち筋はまずは俺達が世界樹を取り戻すことが前提だ。そうしてやっと俺達は一筋の光明を見出すことが出来る。それでようやく並ぶんだ。それでも月側に絶対に勝てる……なんて保証はない。でもこのままなら絶対に負けるくらいは言えるだろう。
いや、もしかしたら月側のプレイヤーがめっちゃ頑張って勝ってくれる可能性はある。本当にそれはとても小さな可能性だ。スオウとかも向こうに行ってるが、流石にそれでも……あいつでもこのままじゃ難しいだろう。
だから俺達はなるべく早く世界樹を奪還しないといけない。そんな思いが皆にはなる。そんな皆に一旦戻る……という。それは受け入れられるのか……でも今の状況を考えると、それをありだと思うんだけどな……




