2月27日
2月27日
AM6:00
朝日が差し込みはじめた。
彼は目覚めても、あのときのことを鮮明に覚えていた。
確かに世界は終わった。電源が切れたかのように、突然終わってしまった。
「またあれか・・・・。今日は何日?」
白村神影、それが、終幕を何度も見ている彼の名前である。
17歳、
若干の長さの黒髪で身長は175cm、色白の細身、その身体は貧弱といっても過言でなく、目つきは常に眠気を感じていそうな目をしている。右目の上には切り傷がついている。
あの時とおなじように、また下を向きしゃべりかける。
「なあ。聞いてるんだ。今日は何日だい?」
「・・・・・・。」
「なぁ!!」
彼が声を大きくすると、ゆっくりと、影からヌルっと少女が現れ、
腕を組み、眠たそうな顔をしながら、けだるげに返した。
「あのさぁ!人が寝てるのに何を考えてこんな朝から大きな声を出すわけ?
いくらあんたが私のパートナーだからって恋人気取りで起こすのはやめてくれる???」
影から出てきた少女の名前は「サキ」。
16歳。
身長は160cm程度、銀髪のショートボブ、目つきは悪いが、明らかに正統派な美少女といっても過言ではない。
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「なあ。いいから教えてくれ、今日は何日なんだ。」
「はあ・・・・。今日?今日は前回と同じ2月27日よ。」
御影はそれを聞いて顔を少し曇らせた。
「そうか・・・。また1日前に戻ったってことか。」
「正確には36時間戻ってる。一応成果ありよ。」
「そうか・・・。一応仕事は出来てるってことか・・・。」
サキはイスにすわり、足を組んで会話を続けた。
「あなたはね、あなたの持っているその体質はね、何度も言うけれども、
普通の人は到底持ち合わせていないものなの。時間は常に不可逆的で、
一度、現在を通り過ぎると普通は前に戻ることができないの。
-過去に戻れない-っていう摂理は、こんなふうに簡単に覆されてはいけないの。
そう・・・・特別なあなた以外はね。」
世界が終わる1ヶ月前、ミカゲは突如とてつもない吐き気を催し倒れ、
救急車で運ばれたが、身体に異常はどこにもなく健康的な身体として家に返されてしまった。
あくる日、ミカゲは登校途中に自らの感覚の異変に気付いた。
ある特定の人物のみ、ミカゲには色が無い、
モノクロの状態で見えるようになっていたのだ。
ミカゲはすぐに眼科へいったが、案の定異変は無く、
不思議なこの状態のまま生活をせざるをえない状況であった。
それが続き、一ヵ月後、
世界が終わる5分前、サキが突如として、ミカゲの影から現れた。
そして彼女はその5分で全てを語った。
世界が終わること、この世界の時間がおかしなことになっていること、
ミカゲが世界を元に戻す力を持っていること、
そしてそれをすればミカゲの抱えている過去の傷も無くすことができるということ。
ミカゲは、その消えゆく世界の、崩壊の3秒前で、彼女信じ、決断をした。
なぜなら、彼にはそうせざるをえなかったから。
そうしなければ、自らの罪を償うことができないから。




