第十一話 ダンジョンはお家に帰るまで
台座には白く、淡く輝く心臓が確かにあった
カタモルさんが触れようとした
それでも強く拒絶され電撃で弾かれてしまう
拒んでいるにはあまりにも弱々しい
「弾かれるってことは、フロアモンスターが倒されてない、?どういうことだ。このエリアにはもう何もいないはずじゃねーのか。」
「と、なると、、外の人達が初心者狩りとは別の目的でこのダンジョンを占有しようとしてると考えるのが妥当ですわね。」
「いやいや、ありえねーだろ。なんでこんな初級ダンジョンにそこまでする、」
冒険者登録はしていないがこのパーティーは推定Bランク以上の実力は持っている。年長の二人はやっぱり頭の回転が早い。
経験って憧れるなぁ。
「カルト教の奴らも少なすぎる。この件は、宗教関連ではなさそう、、んー?」
推理小説で培った思考力を稼動させる
「もしかして、待ち構えてたゴーレムにむしり取れるだけむしった初心者の遺品を売りに出してるのでは?」
「だとしたら、フロアモンスターが生きているメリットがねえ、」
、、、、、、、。
「とりあえず先が読めねぇ、万一があるしもう上がろう。」
山登りと一緒だ。上るときのほうがきつい
下っていく時よりは魔物が少ないが、どうも足への負荷が大きい
ヒタヒタ、ポツポツと滴る水の音は足が鳴らす音より早くて歩みを急かす
「ねーねーハンナちゃん、なんか聞こえない?キーンって。コウモリ?」
「一応集音魔法で確認してみるね。」
「ーー確かに鳴ってるね、きーんきーんって。反響音?魔物の類じゃないと思うし、、人の悲鳴とかも聞こえないから早く出たほうがいいかもね。」
そんなこんなで後少しで地上だ。
浅いところだと人が増えてくる。
みんなこわばった表情ですれ違っていく
頑張って欲しい
いやーそれにしてもこのゴーレムの核は綺麗だな
ピンク?ムラサキ?売れば意外と高くついたり
アクセサリーにしてもいい気もする
片手に持つ透き通る石越しに地面を見て歩く
普通にリヒトにぶつかった
手から落ちてコロコロと転がっていってしまう
あぁ、私のオタカラが転がっていく、拾わないと
下で談笑している三人組の足元で止まった
「あっ、すみませ、、
普通に拾われた
そして袋に速攻ポイ
「すみません、私が落としてしまった紫の石知りませんか。」
「あぁ、これお嬢ちゃんのだったか、すまねぇな。」
ガサガサと袋を漁ってから
「ほらよ。」
と渡されたのは確かにムラサキ色で透明度の高い丸い石だった
けれど、矢でついた傷がない
「これじゃないですね、、」
「変なこと言うなよ嬢ちゃん。ムラサキ色の石なんてそうそうねぇよ。」
「そうだぜ。もしイチャモンとかだったら容赦しねぇぞ、あ?」
「いえ、、でも、、」
「どうしたスミレ。」
ここでパーティーが引き返して来てくれた
ゴーレムの核だということ
最下層に行ったことを説明して説得を試みた
だが、引き返してくる意味がわからないと信じてもらえない
「いやぁ、お互いあと少しでダンジョンから出るんです。無益な争いはやめましょうよ。持っている鉱石系のもの全て見せてもらえれば、どれが私たちのかわかるのでどうか、見させてくださいな。」
とレイジがニコニコして言う
「ハッ、そう言って数個クスねる気だろう。争いを生もうとしてるのはそちらじゃねぇのか。」
ここでカタモルさんが割って入る
私は見逃さなかった、あの指名手配顔を
「数個、とおっしゃっているってことはいくつか鉱石を所持していらっしゃるということですかな。。」
「変な気起こすなよ。冒険者同士のダンジョンでの争いは御法度だぜ。」
「あいにく、こちらには冒険者がおりませんのでねぇ、、、」
そういって顎をさすってジャリジャリと髭を鳴らすおっさんが死神と契約したような鋭い笑いを作った
また別のオッサン三人衆は身構える
「ところでぇ、おたくらはどの階層からきたんでぇ、、」
「4だ。あと二階層で最下層だったが挑むほどの物資がなくなっていま上がっているところだが。なにか。」
「あらあら、それはそれは膨らんだバックパックで、、、それにしても、四階からここまで岩だらけで足、疲れませんでしたか、、、私たち、五階層から下行ったんですけどね、すごい幻想的で、綺麗でしたよ。足場も、良かったですし。」
何をしようとしてるのだこのおっさん
「いやぁーねぇ!最下層はヒカリゴケの群生地でしてね!それは綺麗でもう。ふかふかしてて足が疲れなかったんですわーー。」
「だからなんだ。」
カタモルの目つきが真剣になる。
「おめぇーら察し悪いな、なんで最下層でしか見てないコケがおめぇらの靴についてんのかって話だよ。」
カタモル以外のその場全員が三人の靴を見る。
確かにコケの破片がくるぶしらへんや、靴の横に付着している。
「あんたら、最下層いたよな。何してた。」
「チッ。」
と言って剣を振りかざしてきた。
さらに煙幕を使って逃げ出そうとしたが
一瞬で男三人衆はのされた、ノビーている
そして大荷物が増えながらようやく外に出た
陽の光だ
あったけぇ、、
周りの屋台の奴らの顔色が変わったのがわかりやすすぎて、私でもグルなのはわかった
ふんふんこいつらが独占して鉱石を取っていく奴らで、、
困っていたって?、、
捕まえてくれてありがとう?、、、
「「盗まれた」」鉱石を取り返してくれて??、、
「アホ共が!!明らか採掘された代物だろーが!!!なら、ダンジョンでの戦利品扱いだよな!!!こいつらが先に攻撃してきたから慰謝料として私らがもらっていくぜ!!」ハンナちゃんが腹から声を出して宣言する
「あんたらこいつらと敵対してんだろ?グルじゃないんだろ?なら、いいよな!!」
そうして彼女はウキウキなスキップで帰った。




