表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界服屋ユルク◊ドレスアップ〜スキル【ファッションブック】で定番から最新まで理想のスタイルを叶えます 〜   作者: 鏡野スガタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/15

伝統と最新の制服

 今日も快晴、服屋日和だ。

 元気いっぱいに営業開始!


「すみません」


 落ち着き払った声がした。

 お客さんだ。

 服装は魔法学校の制服か。


「いらっしゃいませ」


 こちらも元気を抑えた落ち着いた声かけとスマイル。


「王帝魔法学園の制服がほしいのですが」

「お客さんのですか」

「はい」


 別の制服を買いに来たのか。

 王帝魔法学園。

 城のそばに新設され最新の設備で魔法を学べる革新的な学園と評判になってるとこだ。

 世界中から魔法使いが学びに来ているとか。

 お客さんは、この時期だと転入生か。

 見たところ10代の青年だ。自分で買いに来たのか偉いな。


「制服は、こちらです」


 制服コーナーにご案内。


 学校用から仕事用まで色々な制服を取り揃えている。

 品揃えは地域密着型だが、私は制服にも詳しい。


「お客さんは大魔法学校からの転入生ですか?」

「そうです、よくわかりますね」


 このように服装を見ただけで、どこの制服かわかったりする。


「大魔法学校は伝統と格式のある名門校で有名ですからね。見ただけでわかりますよ」


 転入生君も優秀そうなのが見ただけでわかる。

 冷静沈着で聡明そうな態度と眼差しだ。

 私も同じような眼差しで服装チェックしよう。



 大魔法学校の制服

挿絵(By みてみん)

 シャツ、黒いネクタイ、黒いサッシュベルト、黒いズボン、革靴。

 大魔法学校の制服の特徴といえば上着だ。

 ローブは伝統と格式を感じさせる黒に裏地の紫。

 フードと大きな襟のようなケープ付き。

 ゆったりした袖はベルスリーブ、ウィザードスリーブ。

 オープンフロント (前開き)で留め具は細いリボン形のクラスプ。

 裾はくるぶし丈、フルレングスという。

 紫の煙のようなものは転入生君の魔力が溢れているのだろうか。制服によく似合っているが脱ぐことになるのか。


 説明を省いた簡単な名前は制服、学生服、アカデミックユニフォーム、スクールユニフォーム。

 魔法学校のローブ、アカデミックローブなどともいう。



「普段着みたいに着たまま、来てしまいました」


 転入生君は制服に親しみを抱いているようだ。

 名残惜しそうに見つめて撫でている。

 私も感傷的なスマイルで見守ってから服選びに引き込もう。


「制服を着て来てくれてよかったです」


 サイズ選びに丁度いい。


「新しい制服と着比べてみて同じような着心地を選んでください。王帝魔法学園の制服は大魔法学校の制服とデザインが違いまして、最初は違和感があるかもしれませんが」


 採寸もしてサイズを絞り、試着してもらおう。



 王帝魔法学園の制服

挿絵(By みてみん)

 シャツ、黒ネクタイ、黒ズボン、革靴。

 ウエストバックの付いたベルトはユーティリティベルト、タクティカルベルト。

 新しい制服も上着に違いがある。

 ブレザーと一体化したローブ。

 袖がタイトでカチッとしており邪魔にならず動かしやすい。

 オープンフロント (前開き)でフロント (前立て)にはラペルがある。

 裾は膝丈、ニーレングスという。

 襟、袖口、ラペル、フード、裾と上着の(ふち)にはゴールドパイピング (金の縁取り)があり神秘と知性を感じさせる紫とともに気高さも感じさせている。

 左胸の金のポケットのような部分は魔法学園のエンブレムの盾形の(わく)。入学時に正式なエンブレムが魔法付与される。

 フードのトンガリは可愛くも見える部分だ。無ければ可愛げのない生徒として因縁をつけられそうな雰囲気が彼にはあり心配になる。彼は下手に絡んではいけない底しれない何かも感じさせるが。

 新しい制服は魔力の紫を抑え込んでいるようだ。


 フードを脱いだ姿

挿絵(By みてみん)

 冷静沈着な表情がプライドの高い同級生や上級生を刺激しそうな転入生君だ。



 説明を省いた簡単な名前はこちらも制服、学園服、アカデミックユニフォーム、スクールユニフォーム。

 ブレザーと一体化したローブはブレーブ、ローブレなどという。



「大魔法学校のクラシカルな制服も似合っていましたが、王帝魔法学園のスタイリッシュな制服も似合っていますよ」


 転校生君も新しい制服に興味が移ったようだ。

 自分の見慣れぬ姿を丁寧に確認している。


「いかがですか? 着心地は?」


 転入生君は体を動かしてみた。


「とても良いです。確かに着心地は違いますけど動きやすいです」


 大人びた返事と笑顔だ。


「それはよかった」


 私も大人の返事と営業スマイルを返そう。


「このサイズを予備とで二着ください」

「かしこまりました」


 レジで会計して、


「サイズ直しと破れなどの修繕は一年間無料、以降在学中は生徒割になっていますので、お気軽にどうぞ」

「ありがとうございます」


 購入履歴書に名前とサイズを記入して保管しよう。

 制服の状態変化は細かにチェックして記入していく。

 どの部分が破れやすい、どんな魔法に弱いなど制服が受けたダメージは新しい制服作りに役立ち、学園も教育プログラムの作成に役立てている。


「よい学園生活を送れますように。ありがとうございました」


 新しい生活に向かう姿をスマイルで見送って。


「私も新たな気持ちで頑張るか」


 いい刺激を受けつつ営業に戻ろう。

 何事もなく暖かい日差しに包まれて。

 平和な日常が服屋の中にも続いていき、夕暮れになって穏やかに閉店の気配がしてきた。

 町も無事に一日が終わっていく。

 この瞬間を窓から眺めるのも、のんびりしていい時間だ。


「新しい制服ください!」


 と思ったら勢いよくお客が来た!

 王帝魔法学園の生徒達だ。

 よくつるんでる、ちょっと悪そうなグループ。


「い、いらっしゃいませ」


 声かけがぎこちなく営業スマイルを忘れたのはビビってるからではない。

 どんな客にも自然な態度で公平な接客ができる。

 そんな私が取り乱したのも無理はない。


 生徒達の制服が汚れや破れでボロボロだ!


 我が店が提供した制服には防御魔法がかかっているはずなのになぜ?


「大丈夫ですか!?」


 とりあえず無事かどうか確認しよう。

 見たところ体は無傷でダメージはないようだが。


「大丈夫です」


 一番礼儀正しい生徒君が返事をくれた。


「学園で何か事故が? 敵や魔物でも現れましたか!?」


 もしそうなら他人事じゃない。

 学園は店から近いから対応が必要だが、それにしては緊急連絡なんかは無かったな。町も平和だったし。


「転入生が現れたんです」


 また同じ生徒君が教えてくれた。

 転入生……今朝の彼か?


「そいつに学園のカーストを教えてやろうとしたら」


 カーストか。生徒間で上位とか下位とか決めるやつ。

 王帝魔法学園は凄い魔法を扱う者がカースト上位だとか。

 この生徒達はカーストどの辺かわからないが、プライドが高そうなのはわかる。


「俺達の魔法が効かなくて反撃されて……」


 生徒君達は少し怯えているようだ。


「ちくしょう! アイツ、表情一つ変えない生意気な態度で生意気な魔法を使いやがって!」


 リーダー格の生徒君が怒りと悔しさをあらわにした。

 名前を聞いたところ間違いない。

 心配した通りのことが起きた。

 この生徒達が今朝の転入生君に因縁つけて絡んでいったか。

 返り討ちするために転入生君が使ったのは。


「生意気な魔法?」

「無効化魔法です。それで俺達の魔法は無効化されて制服の防御魔法も無効化されたみたいで、転入生の次に繰り出した魔法をまともに喰らってこんなことになりました」


 博識そうな生徒君が解説してくれた。


 彼の制服を触ってみると確かに。

 ブレーブにかかっているはずの防御魔法が消えている。

 無効化魔法――

 Sランク魔法といわれる難易度の高い魔法だ。

 使えればカーストトップになれるかもしれないな。

  なにせ生徒の身を守るために制服にかけていた防御魔法を無効化して無防備にしてしまうのだから。

 そのうえで制服()()をボロボロにする魔法も使う。

 あの転入生君は服屋の私にさえ脅威を感じさせる実力の持ち主だったか。

 私のような者には礼儀正しく、絡んでくる奴には容赦しないが下手に怪我もさせない、知性と理性の持ち主でもあるようだけど。


「チッ、古臭い学校から来た奴が! いい気になりやがって!」


 リーダー格の生徒君がまた怒りと悔しさをみせた。


「まぁ、落ち着けよ。アイツの通ってた大魔法学校は伝統的かつ深遠なる大魔法を教えてるらしい。それこそ無効化魔法のようなレベルの高い魔法も」


 博識そうな生徒君がなだめるように教えた。


「とてもそんな凄い奴には見えなかったけど……」


 新しい制服は魔力を抑え込んでいたから、転校生君のヤバさがわからなかったか。


「ふん、何が伝統的な大魔法だ。今度会ったら王帝魔法学園の最新の魔法でボロボロにしてやる!」


 リーダー格の生徒君は息巻いてブレーブを脱いだ。


「店主さん! この制服の防御魔法が弱いせいでボロボロになったじゃないか!」


 突きつけながら私にも因縁つけてきた!


「お詫びにタダで新しい制服くださいよ」

「俺のも」

「俺のも」


 えぇ! ? クレームからのタダでクレクレ!

 転入生にやり返されて可哀想と同情していたらこれだよ。

 まったく、将来が心配になるな。

 そんな動揺と呆れを見せずに対応しよう。


「わかりました。無防備な格好でいさせるわけにいかないですからね。全員、新しい制服と交換しましょう」


 落ち着いた声かけと冷静な表情。

 代金は後で親御さんか学園に請求するとして。

 必要なら服飾ギルドメンバーとも話して無効化魔法に耐性のある制服の制作もするが。

 今は服屋としてボロボロの制服のまま放っておけない。

 とりあえず着替えさせて。

 それから伝えておこう。


「このことは制服を提供する服屋としても重大なことです。学園の先生とも話して制服の作り変えを検討します」


 先生が出てくるとなって生徒達は緊張感を持った。


「悪いのは転入生のほうだと言っといてください!」


 リーダー格の生徒君が言い放つと。

 全員が新しい制服を着て店を後にした。


「まったく、あの魔法学園の生徒達には困ったものだ」


 プライドが高く血気盛んな若者が多いだけに。

 魔法学園からは色々な問題が飛びこんでくる。

 生徒間でいざこざからの制服の被害もよくある。

 同じ学園で学ぶ生徒同士仲良くしてもらいたいものだ。

 全員が立派な魔法使いになれるのを願っているよ……

 学園で着る制服の次は魔法使いの仕事で着る制服を買ってもらうためにも!

 クフフフッ応援しているぞ、生徒達よ――



補足です。


現代の学生服っぽいローブを紹介しました。

ブレザーと一体型のローブは最新の魔法学校の制服、ゆったりした袖のローブは伝統的な魔法学校の制服と種類分けするのもよさそうですね。


魔法学校の女子生徒の制服はケープが付いたものが多いですね。

ケープ付き制服は種類があります。

1、ケープが別になっている→ブラウスやワンピースを着てからケープを付けてボタンなどで留める。外せるメリットがある。

2、ケープが襟のように付いている。ブラウスやワンピースを着ればケープもついてくる。外せないがズレないメリットがある。

ケープが短いマントのようで可愛くていいようです。セーラー服の大きな襟みたいにデザインで学校の個性をだしている部分でもあります。


制服のエンブレムは騎士の紋章コートオブアームズが元になっているそうです。

挿絵のエンブレムは生成時に紋章のプロンプトを指定し忘れたためAIがハリポタのライオンそっくりな紋章を入れてくれたので消して無紋にしました。紋章のデザインは被らないオリジナリティが重要なのでAI生成の際は注意が必要です。

紋章の注意点

1、シンプルなデザイン→盾の中に剣などよくあるデザインは被っていても問題ないが何かの紋章と似ていて気になるなら変える。色や形など少しオリジナリティを入れる。

2、複雑なデザイン→被ることはパクらない限りまずないだろうがもしも何かの紋章と似ていて気になるなら変える。

丸被りは避けて似ているのが気になるなら変えるのがいいようです。

紋章について詳しくは紋章学を調べていただくとよいかと思います。


魔法学校の制服のベルトは杖を携帯するためのホルスターが付いてることもあります。上着に付いてることもあります。表や内側の腰のベルト位置など取り出しやすいところですね。

ベルトには他にも魔法の機能があったりします。サッシュベルトは学年で色分けされたりもします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ