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野獣街道 9

                                   ・




 帝国皇女様の知己を得て 国境要塞に泊めて貰い 狼達を仲間に出来た。

何より障碍者用VRの実現に向けてその端緒に着くことが出来たのは大きい。

今回は色々と実り多い道行きだったと言えるだろう。



「それじゃ皆、収納に入ってくれるか?」

私は狼達に呼び掛けた。

「僕はもうそろそろ上がら(ログオフ)ないといけないんだ」

本日分の滞在時間(プレイタイム)が後僅かになって来ている。


[ ワカタ ]

[ リョカイ ]

[ ハーイ ]


 "命令" ではなく "呼び掛け" だったからだろうか。

狼達は夫々に返事をしてから私の収納に戻って行った。

邂逅時の戦闘が嘘のように思える平和で長閑な光景だ。

私としては彼等は自分の "兵隊" ではなく仲間であると考えているから

戦闘時でもなければ直截な命令口調は控えようと思っている。

 

 狼達の知性は贔屓目に観ても高いとは言えない。

従魔( 僕獣 )のAIに割かれるリソースはおそらく最低限度なのだろう。

口調が幼いだけではなく発語は極端に短いし語彙も乏しい。

だが、 いや、だからこそ愛しさを感じる。

行掛りはどうあれ絆を結んだからには庇護の対象だ。

守り、育ててやりたいと思う。



( もうリアルで自分の子を持つ事はできないかもしれないしな )



 そんなことを考えながら私はFQをログアウトするのだった。







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