292.片方の依頼完了と元の依頼への復帰
ソーイチ:そういえば、拠点作成の依頼って今どんなかんじなん?
色々と雑談を重ねていた中、もう一つの現場について尋ねてみた。
セキライ:今は資材が揃ったんで、ギルド内で柵作りをしてるメンバーと、フィールドで【開拓】してるメンバーの2班に別れてるっす
ベイクドモチョチョ:ただ人手が少し足りてないですけどね。
ソーイチ:2チームでも足りんの?
ゼロ:ええ。拠点作成予定地は、場所柄出てくる魔物も強いですし、戦闘と開拓を順番に入れ替えてなんとかってかんじです。
ソーイチ:それは大変そうやな……。
マロン:その分、経験値はもりもり入ってきますし、楽しいですけどね。
フワフワ:ですね〜。
セキライ:魔法組は余ったMPで無双できるっすけど、俺たち前線組はSTの管理で頭がパンクしそうっすよ〜。
セキライは軽く言うマロン達に愚痴をこぼす。
ソーイチ:俺の実力じゃフィールドの方は無理やけど、ST回復したら柵の方は手伝えそうやな。
ソーイチ:ある程度回復したら向かいたいから、作業場所教えて。
セキライ:第四作業室ってところで作業をしてるんですが、部屋が多すぎて説明が難しいっすね。
ゼロ:一応、リリーさんがミーティングをした部屋のホワイトボードに、館内地図と入室の合言葉を書いていたんで、まずはそっちを確認してみるといいですよ。
ソーイチ:合言葉て……なんかスパイみたいやなw
セキライ:言われてみればそうっすねw
マロン:でもウチのクラン以外が間違って入室しないようにするには、必要なのかもしれないですね。
ソーイチ:たしかに作業中に知らんプレイヤーが入ってきても気まずいしな。
ソーイチ:とりあえず合言葉は後で確認してみるとして、一旦作業に戻るわ。
セキライ:うっす!ソーイチさんも無理しない程度に頑張ってくださいっす!
ここでコールを切り上げた俺は、腕組みをしながら拠点作成の状況について思いを馳せる。
(向こうもやる事いっぱいで大変そうやな……。でも手伝うにしても、STに余裕ないし役立ちそうにないよな。
はぁ〜〜。せめてキャラレベルが上がってくれたら、ST回復するし手伝えるけど、次のレベルまで8,000くらい残ってるし……。まあ、考えても仕方ないし、とりあえず期限まではこっちに専念しよか)
そう考えた俺は、MPが尽きるまでは号外の量産。それが終わるとインベントリより本を取り出し、回復と読書を同時に行なっていった。
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「……うん、1,300枚ぴったりだね。急な依頼だったのに、こんなにたくさん刷ってくれてありがとう」
拠点作成との兼ね合いも考えて、締め切り40分前に作業を切り上げた俺は、コビーを呼び出し号外の山の集計をお願いしていた。
「どういたしまして。それより1,300枚刷ったけど、今から渡り人に全部配り切れるもんなん?」
「大討伐まで数日はあるし、今日中じゃなくても問題ないよ。それに、閉門前はフィールドから冒険者がわんさか帰ってくるから、この量でも捌き切れると思うし」
(う〜ん、帰宅ラッシュ中の駅で、号外を配るのと同じか。そう考えるとこの依頼が18時締め切りってのも納得やな)
大量に刷り上げた号外の行方について尋ねてみたのだが、なんとかなるらしい。
「っと、ごめん、ソーイチは別の依頼残ってるし長話は迷惑だよね」
「いやいや、話振ったん俺やし謝るのやめて」
「あっ、そうだったね。でも精算だけしちゃおうか」
コビーはそこで咳払いを一つして、受付用の顔に戻る。
「それでは今回の報酬だけど、1,300枚分だからAGPとCGPそれぞれ1,300ポイントだね。ポイント付与するからカードの提出お願い」
「はい、お願い」
言われるがままギルドカードを差し出し、コビーの作業が終わるのをワクワクしながら待つ。
「……お待たせ。付与出来てると思うけど、一応確認してね」
「……うん、確認オーケー。これでランクアップにまた一歩近づいたわ」
「ははは、おめでとう」
「ありがとう。それじゃあ依頼も終わったことだし、これで失礼するわ」
「ああ、向こうの依頼も頑張ってね」
大量のポイントがチャージされているのを確認した俺は、ホクホク顔でコビーにお礼を言い、ノア・タイムスを後にする。
そして通行人の邪魔にならないところで立ち止まった俺は、クランコール立ち上げて、メッセージを送る。
ソーイチ:こっちの依頼終わったで。
セキライ:締め切りよりだいぶ早く切り上げたんすね
ソーイチ:おう、メインは拠点の方やしな。
ソーイチ:それより、そっちの進捗はどんなかんじ?
ユサタク:現地の開拓と柵作りが終わって、今は全員で予定地の周りに柵を設置しているところだ。
ユサタク:現地へ転移が無理なら迎えに行くけど、どうする?
ソーイチ:ああ、お願いするわ。
ユサタク:じゃあ、第二の方で待っててくれ。開拓用にジョブを変えるのも忘れるなよ。
ソーイチ:りょ〜かい。すぐに向かうわ。
そこでコールを切り上げて、すぐに第二農地へ転移し、メイン・サブジョブを開拓用のものへ変更。それが終わると、迎えに来たユサタクと共に現地へと転移した。だが……
(あっ。結局、作業部屋に入るための合言葉、チェックしてないな……)
転移の光に包まれながら、そんなどうでもいい事が頭に浮かんでいた。
次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。
追記:急なトラブルにつき更新を少し延期させて頂きます。なるべく早く更新できるようにしますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
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今後とも本作をよろしくお願いします。




