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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月3日①お米探しと満腹度実装

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幕間29.ソーイチのリフレッシュ休暇INスーパー銭湯②

「たった10円であそこまで熱中できるとは……レトロゲーム恐るべし……」


あれから十円玉を弾いてゴールへ転がすゲームなど、昔懐かしのレトロゲーを楽しみ、景品の駄菓子を何個か手に入れた俺。それらを貸しロッカーに仕舞い込んだ後、予約していたマッサージブースへ移動した。


「いらっしゃいませ、こちらの個室へどうぞ」


スタッフに案内され、カーテンで仕切られた個室のベッドにうつ伏せになる。選んだのは『全身揉みほぐし60分コース』だ。


ギュッ ギュッ

「……お客さん、背中から腰にかけて、かなり張っていますね。特にお疲れの場所はありますか?」

「あはは、ちょっと座り仕事が長かったもんで。肩甲骨のあたりを重点的にお願いします」

「かしこまりました」


セラピストの指が、的確に凝りの芯を捉える。


「っ、くぅ……効くぅ……!」


あまりの気持ちよさに、思わず声が漏れる。VR機器の重みや、8倍速のゲームによって高まっていた緊張が、知らず知らずのうちに筋肉を固めていたらしい。セラピストの力強い指圧によって、サウナでもほぐしきれなかったガチガチの筋繊維が、ゆっくりと解きほぐされていく。


「……すぅ……すぅ……」


あまりの心地よさに脳がとろけ、いつの間にか意識が微睡みの世界へと誘われていく。


ピピピッ ピピッ


「お疲れ様です。お時間でございます」

「……うぬぁ!?……ああ、もう終わりか……」


至福の時間の終わりを告げるベルで目を覚ました俺は、セラピストの言葉に相槌を打ちながら、名残惜しむようにシーツを撫でた。


「あぁ〜。ありがとうございます、とても気持ちよかったです」

「お客さんの疲れを揉みほぐせたのなら良かったです。お風呂やマッサージで水分が不足してるかもしれませんので、水分補給はしっかりなさって下さいね」

「ええ、グビグビいただきます」


来場前はどこか体に鉛のような重さを感じていた体が、今はウソのように軽い。俺はセラピストにお礼を言った後、マッサージブースを後にした。


「さて、ええ時間やしサウナ飯食べに行こか」


掛け時計をチラ見した俺は、次は腹ごしらえだと軽い足取りで食事処へと向かった。


「流石に混んでるなぁ。……お、奥空いてるやん」


大きなテレビに沢山のテーブル。家族連れや会社終わりのサラリーマンがわいわい楽しそうに話すのを聞きながら、隅っこの二人席に座りメニューを開く。


風呂上がりのビールという甘い誘惑が頭をよぎるが、今日はこの後に岩盤浴が控えている。


「ここで腹を膨らませすぎると、後で苦しくなるからな。アルコールも危ないし、今は我慢我慢」


心の中で自分に言い聞かせた俺は、欲望に負ける前にタッチパネルで注文を済ませた。



「お待たせしました。山菜そばとウーロン茶のメガサイズです」

「おっ、きたきた」


今回選んだのは、大ジョッキサイズのウーロン茶とあったかい山菜そば。水分補給をしっかりしつつ、胃の負担が少ない完璧なメニューだ。


ズズズ ズズッ

「……あぁ、お出汁の味が染み渡るわ……」


関西風のお出汁を飲み込むと、塩気と旨味が汗をかいた身体に心地よく浸透していく。そして、こんもりと盛られた名前もよくわからない山菜のシャキシャキとした食感がアクセントになり、そばを啜る箸が止まらない。

食べ進めれば進めるほど、ぽかぽかと胃を優しく温め、満腹感と同時にサウナの整いとはまた違った幸福感が全身に広がっていった。

食後はリクライニングチェアに座り、少し胃を落ち着かせる。そして大画面のテレビに映るプロ野球の試合で、攻守が何回か入れ替わるまでウーロン茶をちびちびと飲んでいた。


(そろそろ入っても大丈夫かな)


お腹を軽くさすり調子を確認した俺は、脱衣所に戻り岩盤浴専用の作務衣に着替えて岩盤浴エリアへ向かった。


(相変わらず暗いなぁ、転けへんように注意しないと)


薄暗い室内には漢方のような匂いが漂い、心地よい静寂に包まれている。俺は空きスペースまで進み、温められた岩盤の上にバスタオルを敷きゴロンと寝転ぶ。すると、じんわりとした熱がバスタオル越しに伝わり、ぽかぽかと体の深部まで温まっていくのが分かった。


(はぁ〜……落ち着くなぁ〜)


サウナの強烈な熱気とは違う、包み込まれるような暖かさ。途中で仰向けとうつ伏せを入れ替えながら堪能していると、サラサラとした汗が滲み出し、老廃物がすべて流れ出すような感覚に、蕩け(とろけ)そうになっていた。



「あぁ〜気持ちよかった〜。最後にシャワーで汗ながしてから帰ろかな……って、えっ!雨降ってんの!?」


岩盤浴を満喫し切った俺がるんるん気分で廊下を歩いていると、微かな雨音と窓に滴る水滴を発見。


「えぇ〜。せっかくリラックスしたのに、雨の中帰らなあかんの……よし、泊まるか」


少しだけ気落ちしかけたが、幸いここは追加料金さえ支払えば宿泊も可能。俺は迷わず受付へ向かい、一晩泊まる手続きを済ませる。


(予定外のお泊まりになったけど結果オーライ!どうせ家に帰ってもMJO禁止令でプレイ出来へんし、今日のところは晩酌&朝風呂といこか)


自然のイタズラからの癒しのロスタイムの発生に内心ウキウキの俺は、先ほど飲みそびれたビールを求めて食事処へ突入するのであった。

次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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