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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月3日①お米探しと満腹度実装

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254.アーツ・コンバーターと昇華

「アーツ・コンバーターか!カッコいいな」

「そうだろう、そうだろう」


一部を日本語に訳すと『アーツ変換装置』とそのままの意味なのだが、逆に俗っぽくて自分好みだ。俺のイキイキした様子にルーカスも気を良くしたのか満面の笑みで何度も頷いた。


「さて、お披露目も済んだことだし、儀式を始めよう。ソーイチ君、すまないが色眼鏡を外してくれないか」

「ああ、わかりました」


姿勢を正したルーカスは、これから始める行動を『儀式』と称した。それだけ神具を用いて行うアーツ昇華は神聖なのだろう。

その事実に気付いた俺は、サングラスをインベントリに仕舞い【心眼(序)】を手早く解除しながら、儀式が終わるまで真剣に臨むことに決めた。


「まずは手のひらが上になるように、右手を差し出してくれ」

「はい」

「ありがとう。それでは、少し痛いかもしれないが、我慢してくれ」


真っ白な柄の小刀を取り出したルーカスは、俺の右親指に刃を軽く押し当てる。


「……っ!」

「ごめんね。それでは次に流れた血液を親指に馴染ませて、この部分に押し当ててくれ。その後は目を瞑って祈るだけでいいよ」


少しの痛みが走り、血がチロチロと垂れる。俺は流れ出る血を人差し指と擦り合わせ馴染ませた後、ルーカスが差し出した【見習いカメラマン】転職の試練が書かれた紙に親指を押し当てた。


(ははっ、まるで血判やな。ますます儀式っぽくなってきたやん)

「〜〜〜〜〜」


ルーカスが不思議な呪文を唱えながら儀式を進めている中、目を閉じ祈りの構えをしながら、取り止めもないことを考えていた。


その時、


ーこれよりアーツ昇華の儀式を行いますー


目を瞑っているにも拘らず、目の前にウインドウが立ち上がり、音声と共に文字がそこに浮かび上がる。


ー対象アーツ名【ビジョンスキャン】。昇格条件の達成状況を確認します……試練達成を確認しましたー


ー【ビジョンスキャン】をスキルに変換いたしますと、アーツとしての【ビジョンスキャン】は消去されます。よろしいですか?ー


と、立て続けに音声は流れ、最後に選択肢が提示される。


(……前振りは凄く儀式っぽかったのに、機械すぎて萎えるなぁ。しかも元のアーツは消えるし。新スキルの性能次第やけど、セットするスキルが増えるってリスクありって感じか。……まあ、変換するけど)


色々とツッコミたいところはあるが、今は儀式の真っ只中。俺は迷う事なく『はい』を選択した。


ーアーツ【ビジョンスキャン】はスキル【ビジョンスキャン】へ変化いたしましたー


その告知を最後に視界は再び真っ暗になり、俺は儀式が終わったのだと理解した。


「お疲れ様。儀式はこれで終わりだよ」

「ふぅ〜〜。こういう格式ある儀式は初めてで少し緊張したわ」

「うんうん、わかるよ。僕も久しぶりの儀式だったし、手順を間違えないよう必死だったよ。それより親指、まだ血が滲んでるね。これを巻いて」


お互い感想を言い合っていた時、親指から滲む血を見たルーカスが包帯とポーションを差し出してくれた。


「ああ、ありがとう。ただ、親指の件とアーツ昇華で元スキルから消えたりするのは、儀式の本番前には教えて欲しかったな」

「そこは本当にごめん!いつもなら説明用の台本に沿って説明するところなんだけど、どうやら数行頭から抜けてたみたいでね……。余計なサプライズになってしまったみたいだね」


「せやな。これからは【オモイカネ】の面々を筆頭に儀式を受ける渡り人も増えていくと思うし、その子らには手順をミスらへんように頼むわ」

「ああ、大事な儀式だし、次は絶対間違えないよう徹底するよ」


俺に迷惑をかけた上に、大事な儀式に水を差すところだったのだ。ルーカスは深く反省し、二度と繰り返さないよう己に誓った。


「さて、これから君はどうするんだい?」

「アーツ昇華も終わった事やし、早速【見習いカメラマン】に転職かな」


「ふむ。それじゃあ予め【ビジョンスキャン】をメインスキルにセットしておくんだよ。じゃないと、新しいジョブが解放されないから」

「ふっふっふ。こんな事もあろうかとメインスキルの枠は空けてたから、既に【ビジョンスキャン】はセット済みや」


「はは、さすがはソーイチ君。余計なお世話だったかな?」

「いや、セットしたスキルによって転職できるジョブが増えるのは初耳やったし、アドバイスはマジでありがたいわ。教えてくれてありがとうな」


これから手持ちのスキルが増えていく中、ルーカスからの助言は価値を増していくだろう。そんな情報をついでとばかりに教えてくれた彼に俺は頭を下げてお礼を言う。


「どういたしまして。それより今後は【カメラマン】系の依頼も受けていく事になると思う。でも、まずはスキルの内容を熟知し、遊んでみることをお勧めするよ」

「遊ぶか……なんかええな。その考え方」


【見習いカメラマン】の試練から始まったイベントの数々。その中、ルーカスから最後に言われた『スキルで遊ぶ』。このアドバイスは不思議と俺の心に刺さったのであった。

次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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