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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月3日①お米探しと満腹度実装

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253.町中でも走る俺と隠し部屋

「さてと、転職に行こかな……って、しまった!」

「どうしたんですか?もしかして、どこかポイントを解放し忘れちゃいました?」


帰宅早々、奇声を上げる俺に対して不思議そうに尋ねるマロン。


「いや、逆逆。ポイント解放後に確認も兼ねてクリスタルに登録してたんやけど、ノア・タイムスの枠を上書きしてもうたんや!」

「あらら、やっちゃいましたね」


「アマネは露店中やし、ノア・タイムスの転移できる人も居らんよな……仕方ない、走るか」

「ははは、せっかくマラソンから帰ってきたのに、また走るんですね」

「悲しいけど自業自得やもんな……。それじゃあ、行ってくるわ」

「いってらっしゃい。転ばないように気をつけて下さいね」


マロンの掛け声に頷いた俺は、町と隣接している第一農地へと転移していった。

「ゼ〜ゼ〜。こ、こんにちは」

「おいおい、息を切らせてどうしたんだ?水でも飲んで落ち着きなよ」


第一農地へ転移後、農作業中の仲間達に見送られながらノア・タイムスまでダッシュで来社した俺は、案の定バテバテのヘロヘロ。

その姿に驚いたのか、コビーは気遣いながら水の入ったコップを差し出してくれた。


「ごくごくごく、ぷはぁ〜。ありがとう、生き返ったわ」

「そうか。それより、こんなに急いでどうしたんだ?」

「そ、それがルーカスから受けた試練をクリアしてな。その報告に来たんや」

「社長からの試練?……もしかして【見習いカメラマン】の条件、クリアしたのか?」

「ああ。色々と新しい知識を得られて面白かったわ」


来社理由を悟ったコビーは驚きのあまりガタッと立ち上がり頭を2回振った後、信じられないといった様子で用件を復唱した。


「知識欲の賜物なのか……【ビジョンスキャン】を覚えたのが数日前なのに、【見習いカメラマン】を勧められた理由がはっきり理解出来たよ」

「知りたい欲では誰にも負けへんよ。で、ルーカスは居てる?」

「ああ、話し込んでごめん。すぐに呼んでくるよ」


いつの間にか前のめりになっているのに気付いたのか、恥ずかしそうにコビーは早足で席を立った。

「おめでとう、ソーイチ君。相変わらず君は僕の想像を超えてくるね」

「ありがとう。課せられた試練が楽しすぎて、あっという間にクリアしちゃったわ」

「……ははは、楽しいか!司書としての本能か、ソーイチ君の資質か。なんにせよ将来楽しみな渡り人だよね」


俺の返答を聞いたルーカスは、一瞬キョトンとした後に嬉しそうに笑い出した。


「さて、こんな雑談で将来有望な君を拘束するのも勿体無いな。転職の前に案内する部屋があるから、僕に付いてきてよ」

「了解。また新しい部屋へご案内ってわけやな」

「ふふっ。いずれノア・タイムス内で、ソーイチ君が知らない場所は無くなるかもね」


そう言ってウキウキしながら先導するルーカス。いくつもの角を曲がり、今まで入ったことのない一番奥の部屋に入ると、その更に奥まで歩き色々なポスターや資料が飾られた壁の前で立ち止まった。


「これから起きることは、他の社員や渡り人のみんなには内緒だよ」

「お、おう。クランの仲間にも内緒やな」

「ああ、頼むよ」


そう言った後、ルーカスは自然保護のポスターを剥がすと、後ろのボタンをポチッと押す。


ゴゴゴゴゴ


すると、ちょうど張り紙の切れ目の部分から壁が左右にパカッと開き、そこから石碑の様なものが鎮座する埃っぽい小部屋が現れた。


「おいおいおい!なんやこれ!秘密基地か?」

「秘密ではあるけど、基地じゃないね。というか狭すぎるよ」

「確かに狭いし、埃っぽいし、薄暗いもんな。それでも大袈裟なギミック使ってまで、この部屋を隠した理由はコレやな?」


これでか!と威圧感を出す石碑に俺は視線を向けた。


「……言語スキルフルセットの俺でも読めん字で書かれてるけど、これって神字?スキル覚える時のやつに似てるし」

「ああ、ソーイチ君はスキル講習の受講経験があったんだね。お察しの通り、この石碑はスキルボードと同じく神様からの贈り物なんだ!」


「マジか……。この町のインフラ最大手とはいえ、いち新聞社の隠し部屋にそんな重要な物があるとか、サプライズ過ぎやろ」

「気持ちはわかるけど理由があるんだ。この石碑はアーツごとに存在してね、これは【ビジョンスキャン】のアーツ専用の神具なんだ。だからこそ、町のお偉いさんが相談した上で、ウチに託されたってわけ」


石碑を預かった事実は本当に名誉のあるものなのだろう。胸を張って彼は答えた。


「なるほどなぁ。情報を扱う新聞社ほど、【ビジョンスキャン】の神具を任せられる場所もないってことか。……これ、記念に撮影してもええ?」

「ごめんよ。そればかりは、僕の権限でも許可は出せないんだ」

「……そらそうやな。クランの仲間にも秘密やのに、写真なんて残せるわけない。無理言って悪かったわ」


俺は苦笑いしながら少しでも頭に刻み込むため、目を大きく開けて石碑へ視線を戻す。そのついでに、ずっと気になっていた、ある問いを投げかけた。


「そろそろ本番と行きたいんやけど、その前に神具の名前、教えてくれへん」

「失礼、紹介がまだだったね……コホン。この神具こそ、特定のアーツをスキルに昇華させる石碑。その名も【アーツ・コンバーター】だよ!」


そこで、背筋を正して咳払いをするルーカスは、大きな身振りで、秘蔵の神具の名称を発表するのだった。

次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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