233.種蒔き作業と一粒万倍日
「お待たせしました。作物の種納品、10品目分の依頼達成を確認致しました。こちら報酬の明細書になります。ポイント等の振り込みミスがないかのご確認をよろしくお願いします」
「はいよ。……うん、オールオッケーや」
アース米の受け取り&簡単な注意事項を聞いた後、【種化】のレベリングで大量生産した種を100粒以上納品し、そこそこのCGPやAGPを稼ぐ事が出来た。
「さてと、用事も済んだし、これで失礼するわ。アレン達も疲れてると思うけど、もう一踏ん張り頑張ってな」
「お気遣いありがとうございます。ソーイチさんも例の作物の栽培、頑張ってくださいね」
「おうよ!」
お疲れのアレンを労った俺は、アース米の種を待ち望み続ける仲間達の元へと転移した。
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モチョ:おかえりなさい、ソーイチさん!どうでしたか!?
ユサタク:ワールドアナウンスから予想出来てるが、まずは現物を見せてくれないか
ソーイチ:ああ。みんな刮目せよ!これがアース米の種や!
セキライ:おお〜!イメージ通りの種っすね!
フワフワ:これぞ米って感じですね〜。
みんなが同時に見れる様に円状に並ぶ中、俺は袋を広げてアース米の種をお披露目。すると、皆の口から達成感と喜びの声が多数上がった。そんな中、ゼロは冷静な感想を述べた。
ゼロ:種獲得は本当にめでたいのですが、10粒はやはり少ないですね。片手で掴めるくらいしかないですよ。
ソーイチ:そりゃ農地1つ分しかないもんなぁ。
アマネ:ウチが所持してる農地が450ちょい。全体の0.2パーセントくらいと考えると少なく感じますね
ベイクドモチョチョ:種が少ない?そんな事ど〜って事ないですよ!私達も試練クリアして種を増やしたり、【種化】で増やしたり出来るんですよ!
ベイクドモチョチョ:つまり未来には無限の種が待ってるんですよ!
ユサタク:ははは、モチョの言う通りだな。という事でソーイチ、種を増やす為にも早速アース米の種を蒔いてくれ。
ソーイチ:オーケー、雑談は後でいくらでも出来るしな。
ユサタクからの指示を聞いた俺は、栽培予定地まで向かう。そしてみんなが見守る中、あえて手作業で土を耕し、種を蒔き、水と肥料を与えていく。
(見守ってるみんなには悪いけど、最初くらいは自分の手で植えさせて貰うで)
効率だけ考えるのであればアーツを使うのが大正解なのだろうが、俺は気持ちを込めながら丁寧に作業し続けた。
ソーイチ:ふぅ、おしまい。勝手に手作業で進めてごめんな。
ユサタク:いや、気持ちはわかるよ。
ベイクドモチョチョ:何事もスタートが肝心ですもんね!
ソーイチ:それでも10分ちょいで済んでしまったな。あっさりしたもんやで。
セキライ:また同じ話題をループしそうっす。ストップっす!
ソーイチ:確かに量産体制の第一歩やのにマイナスな発言はあかんよな。みんなごめんな。
ユサタク:直接的に言った訳じゃないし、功労者に怒るレベルじゃないさ。
フワフワ:というかソーイチさん以外試練をクリア出来てない方が問題ですしね〜
セキライ:もう!責任者探しもダメダメ!やめるっすよ!
ゼロ:そ、それより種蒔きを見て、ある言葉を思い出したのですが
プロゲーマーだけあって、結果に対して反省する癖があるのか俺を含めてネガティブな話題にどうしても移ってしまう。そんな中、またしてもゼロが話題を変える為に話始めた。
セキライ:おっ、ゼロの豆知識コーナーの始まりっすか?
ゼロ:そんなコーナーした事ないですよ……。
ミコト:セキライ五月蝿いよ!で、何を教えてくれるのかな?
ゼロ:地味に期待の圧がすごいですね。
ゼロ:コホン、みなさんは一粒万倍日という言葉をご存知ですか?
フワフワ:宝くじ売り場とかで流れるアナウンスで聞いた事がある気がします〜。あれって大安みたいな、何か運気がいい日なんですか?
ゼロ:詳しい由来は僕もあやふやなのですが、
ゼロ:一粒の種籾から万倍もの稲穂が生まれるとの意味から、何かを始めた時に成果が倍増する縁起のいい日とされてるらしいです。
ソーイチ:おお!まさしく今の状況にぴったりな言葉やん!
アース米の種を初めて植えた日に聞く【一粒万倍日】の雑学、タイミング的にバッチリと言えそうだ。
ゼロ:ええ。本来の意味的に加えて、アース米の初種蒔きというタイミング。両方の意味でピッタリでしょう?
ゼロ:だからネガティブな感想ばかりはやめにして、今日が一粒万倍日だと思って頑張る方が遥かに建設的だと思ったんです。
ユサタク:ゼロの言う通りだな。堂々巡りで行くより、今まで以上にがむしゃらに頑張る。
ユサタク:小さな一歩から、万倍の成果を出す。良い言葉じゃないか。
ユサタク:みんなも、現状だけに囚われてないで、一歩一歩前進していってくれ。
ベイクドモチョチョ:ええ!スキルを上げて、試練をクリアして、種を蒔いて増やす!
ベイクドモチョチョ:それしかないんです!
ベイクドモチョチョ:だから頑張りましょう!
セキライ:おおお〜、なんか燃えてきたっす!!
アマネ:モチョみたいに一点を見つめて頑張るか……。こういう熱血も偶にはアリかもね。
場の空気を整えるユサタクに、種の増産だけに集中するモチョ。ゼロから教えてもらった【一粒万倍日】に加えて2人の発破を聞いた俺達は、堂々巡りな思考は捨て、今まで以上に頑張ろうと宣言していった。
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ユサタク:さて、みんなの意気込みははっきりと伝わった。
ユサタク:これ以上の言葉は無粋だ。これからは各々の課題をクリアする為に全力を尽くそう。
ベイクドモチョチョ:そうですね!肥料にポーション、バフ料理は私が用意しますので、みなさんは万倍のお米の為にも頑張りましょう!
『『『『『おお〜〜!!』』』』』
こうして種蒔き&決起集会を終えた俺達は、アース米を万倍に増やす為に全力で行動するのであった。
次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。
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