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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月3日①お米探しと満腹度実装

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225.浴衣姿と薄暗い現場

【陽の月3週目、地の日】【4月3日8:50】

「ただいま〜」

「おかえりなさい!予想以上にお早いですね!」

「そりゃリアルの8倍速で進んでるんやで?ゆっくりは出来んよ」


一度ログアウトをし、手早くトイレと水分補給を済ませた俺は再びログインすると、料理を量産していたモチョから声を掛けられる。


「ユサタクは……まだ戻ってないっぽいな」

「ソーイチさんより少しだけ落ちるの遅かったんで、そのせいかも?……って、丁度インしたみたいですね」

「ホンマや」


「おっ、ソーイチ。ログインしてたか」

「ついさっきな。そっちは俺がログアウトしてからも色々とやってたみたいでイン遅れたっぽいな」

「ああ。実はこれの為に落ちるのが遅くなったんだ」


ユサタクはログインして早々に、少し大きめの袋を取り出した。


「何この袋?」

「これは出店に合わせて準備したソーイチの衣装だ。早速今から着替えてくれないか?」

「着替え?……って浴衣にお面やん!」


ユサタクに渡された袋を首を傾げながら開けると中には、落ち着いたグレーの浴衣にキツネのお面が入っていた。


「せっかくの出店だし、ソーイチは雰囲気から楽しみたい派だろ?」

「確かに形から入るタイプやけど、急な開催やったのに、よく準備できたな」


「ツムグに在庫あるか確認したら数着残ってたみたいでな。ソーイチが着るならと譲ってくれたんだ」

「マジで!?テレビの衣装もやけど、また服くれたんか」


「ああ。ただ貰ってばかりも申し訳ないから、他の浴衣を何着か買わせては貰ったぞ」

「あっ、じゃあ私着てみたいです!」

「ズルいですよ〜。私も着たいです〜」


浴衣が複数あるとわかった途端、会話に参加していなかった女子組達が猛スピードで近付き、ギブミー浴衣とアピールしてくる。


「ははは。クラン倉庫に9着入ってるから、好きに選んでくれ」

「「「は〜い」」」

「……ゲームの中でもやっぱりオシャレしたいんやなぁ」

「そりゃそうさ。特にウチの女子は1年のほとんどをゲーム内で暮らすんだぞ?それなら着飾るのはこっち優先になるさ」

「なるほどなぁ」


今まで現実で着飾ってこそだと考えていた俺の考えとは全く違う価値観に触れ、また一つ作品のネタが溜まっていく。俺はその事実を心のメモに刻み込みながら、同じく着飾る為に着物とお面を身に着けた。


「おっ、いいじゃないか。白髪赤眼にグレーの浴衣。メリハリのついた配色が面白いな」

「そう?ところでそっちは着替えへんの?」


「う〜ん。このアバターは筋肉ムキムキだから、量産物だとイマイチ似合いそうにないしな。ここは他のメンバーに譲るさ」

「悪くないと思うんやけどなぁ。って、無事浴衣を勝ち取ったメンバーが決まったっぽいな。早速着替えてくるくる回ってるわ」


「楽しそうでいいじゃないか。それよりせっかく着替えたんだ。ツムグに渡すから自撮りで1枚撮ってくれ」

「ああ、商品の出来栄え確認やな。オッケー」

「……ああ!」


俺の発言に意味深なタメを見せたユサタクに少し疑問に思いつつ、自撮りをパシャりと1枚。その後は出店の開催時間まで浴衣女子達含めた撮影会が繰り広げられていくのであった。

「到着〜〜って、あれ?」


浴衣の試着&撮影会も終わり、始まる15分前に露店エリアへ到着した俺達。だが、準備に駆け回る住民達の姿は見えるのだが、辺りを照らす光源が少な過ぎて薄暗い。


「これはあかんヤツちゃう?真夜中の開催にしては暗過ぎやで」

「いや〜、流石に開始時間になったら、もう少し明るくなるんじゃないですか?」

「そうっすよ。それに万が一明るくならなかったとしても、ソーイチさん的にはアリじゃないっすか?」

「俺的にアリ?一体どういう事?」


セキライの発言に訝しむ俺に、セキライは軽い口調で答える。


「だって薄暗い中での出店やお祭りって逆にレアですし、そんな体験なら話のネタにピッタリと思ったっす」

「おお、考えてみたら確かにレアな体験になりそうやな。こうなってくると逆に暗いままであってくれって思ってしまうわ」

「あはは……、私はそんなお祭り嫌ですよ」

「まぁ、俺も愉快に話したっすけど、暗いのは嫌っすね」


興奮する俺に、少し引き気味で後ずさるモチョ。更に元凶のセキライまで嫌がってしまう。


「あっ、すいません。通りま〜す」

「あれ?この声……」


そんな時、聞き覚えのある声にチラリと振り返ると、出店の周りを紐状の何かを張り巡らせていくフレン達ギルド職員の姿があった。


「あっ、フレンや。なんか紐を色々と巻いてってるぽいけど」

「夜中ですし、立ち入り禁止エリアを区切ってるんじゃないですか?」

「ああ。確かにハメを外した奴が指定場所以外で騒ぐと迷惑やもんな」

「でも、暗くなる前にやれとも思いますけどね〜」

「いやいや急な残業なんだし、準備不足は仕方ないだろ……」


テキパキと進める彼女達について、無責任にあれこれ語り合っていると、開始時間の3分前に全ての作業は終了。その直後いつの間に準備されていたお立ち台に向かって、ギルドマスターのラクレスが歩いて行った。


「あ、モチョ。あっこのおじ様が前に話したギルドマスターや」

「ほうほう。確かにイケおじの気配がビンビン感じます。できたら声も堪能してみたいですね」

「多分開催の挨拶に来たと思うし、すぐ聞けるやろ」


俺の予想は正しかったのだろう。ラクレスはゆったりとお立ち台の上に立ち、マイクの様な魔道具を起動すると、咳払いを一つして話し始めた。

次回は明日か明後日の午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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