命を蔑ろにする人は軽蔑するよ ④
「え?明日盗賊の所に千結も行くんですか?」
「うん、抵抗して怪我をする可能性もあるから、って事で」
「大丈夫なの?危なくない?」
「そもそも他の治癒魔術師が行けば良くない?」
盗賊達の探しが本格的に始まって数日で、盗賊が潜んでる占拠地が分かったらしくリュカさんに頼まれて行く事になった事をやっと意識が戻った誠、寧、鈴に教えると驚く顔をしてる。
まだ完全復活してないのに元気だなって思ってしまうが、元気な方が嬉しいか。
「他の治癒魔術師も忙しいし、同時治癒になる可能性も考慮したら同時治癒でもあんまり疲労しない俺が行った方が良いって事になったんだよ」
「千結が聖女だからすぐに治療が出来るとしても少し心配です」
「誠は優しいね。でも、何かあった時は自分の身を大切にするんだよ」
「鈴だって優しいじゃん、ありがとう」
「最悪、僕の動物達連れて行く!?」
「寧、それは嬉しいけど危ないから辞めとく」
3人の心配が嬉しいけど、毒が完全に取れたけど寝ていた分もあって体力が殆ど残ってないから、あんまり無茶も動いても欲しくないし俺が村に居ないって聞いたら動きそうだから事前に言ったが、こうなるとは予想してなかった。
まぁ、まだ14歳の少年だからしょうがないか、とはなるけども。
なんて思っていると、井戸から水を汲んで行ってた剣一と遥が帰って来た。
「ただいま〜」
「お水持って来たよ〜」
「ぁ、馬鹿と遥聞いて下さい!千結は盗賊の所に行くんですよ!」
部屋に入って来た2人を見て誠が告げ口をしやがった。
心配だからってこの2人に言う事はないでしょうに、本当。
「え?マジ!?、、、、って、誰が馬鹿だ!」
「えぇ、千結、それは危ないんじゃない?」
「分かってるけど、結果としてそうなった訳だし、王子であるリュカさんとレイさんも行くんだし」
「それでもさぁ、子供なんだし危ないと思うけどなぁ」
「いくら聖女でも僕達にとっては千結はただの千結だしさ」
「、、、、寧、鈴、、、、」
「ねぇ!?俺の話は!?」
遥にまで心配されるとは思わなかった。意外となんでも「やれば?」って言うタイプだったからこれは相当だな。
寧と鈴の心配の言葉にジーンと胸が締め付けられるが行くものは行く。俺の意思はダイヤモンドと鉛筆よりも硬い、鉱石みたいなものだ。
いや、鉱石ってダイヤモンドより硬くはないか。
外部からガヤガヤ文句言ってる剣一、じゃなくて馬鹿は放って置くか。
「それで盗賊の事何か分かっているんですか?」
「それがリーダーが貧民街出身、とかぐらいしか分かってないけど、人数は4人って事は分かってる」
「全然分かってないじゃん、大丈夫なの?本当に?」
「大丈夫だって騎士と兵士さんも連れて行くしもし抵抗したとしても、剣一と遥を鍛えた部隊が負けるとでも?」
「ねーな、師匠達が負けるとか絶対ない」
「あのゴリラ達が負けたらその盗賊はゴリラじゃなくてゾウだね」
心配していたが俺の言葉を聞いて、その心配よりも師匠達への信頼と言う名の強さを知っているって顔をして納得してくれた。
脳筋の2人に言われても嬉しくないだろうと思うが騎士さんも兵士さんも半分は脳筋みたいなものだから喜ぶか、と内心で話を完結する。
「2人の師匠達の信頼度はそれで良いんですか」
「まっ一応色々な事態に想定して考えてはいるけどね」
「暴走したら?とかでしょ、追い詰められたら暴走するのって定番だよね。アニメとかドラマとかで良くある」
「寧の言う通りだね、普通はやらない事だけど、異世界だから何かあるか分からないし」
「鈴、良く分かってる〜。毒を盗む技術からして相当な手だれっぽいからって警戒はしてるけど、最悪結界があるから」
「「「「「ある意味パワープレイ」」」」」
聖女の能力の1つ、光の結界はパワープレイとも思えるぐらい結構万能。
だからある程度の事ならこれで防げるし捕まえる事は可能だが、俺は俺で盗賊達に容赦はしないつもり。人を殺してはなくても傷付けたんだかね、同じ傷を味わうつもりで捕まえる!!
なんて事を思いながら、体力回復の治癒魔法を鈴にかけ終わる。




