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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
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98話 明日のこと

そして、観光といえるか分からない観光を終え、城に戻って来た私達はそれぞれの部屋に戻った。

いつも通りお風呂に入り、髪を乾かし終えて一人まったりしている時にふと思い出した。


ああ‥‥サイズ測る時のメジャーがない‥‥。

買うの忘れてたな‥‥

まあ‥‥服を手作りする人もいるだろうし、他の店でも今日行った反物屋さんでもありそうな気がするけど‥‥


と、考えてるとノックの音がしてメイドさんが夕食の用意が出来たと呼びに来てくれた。


そして、食堂に集まり夕食を食べ終えた後。


「マリン。帝都の観光そんなに楽しかったか?」


「え?‥‥‥やっぱり顔に出てました?」


「ああ。」


「そうですか‥‥。楽しかったですよ。特に最後に反物のお店に行ったんですが、店員さん‥‥いえ、多分あの方店主さんですね。その方ととある約束をしたんです。」


「約束?」


「はい。買った反物で浴衣を作って来年見せに行くと。」


「ユカタってなんだ?」


「着るものですよ。ただ、私達が普段着ている服とは形も着方も違います。‥‥来年のお楽しみです。」


「そのユカタはマリンが着て見せてくれるのか?」


「はい。私だけじゃなくて姉様、リリ様、マリア様も巻き込みます。ちなみに今日反物を見て思いついたので姉様達はこの事をまだ知りません。」


「姉達を問答無用で巻き込むのか。」


陛下に呆れ混じりに言われたが、私はそれにニヤリとしながら返した。


「はい。来年はもうリリ様とマリア様も姉様ですから遠慮しません。」


「ああ~確かにそうだな。」


「あ。それで陛下。まだ本人には言ってませんが、来年私のいとこも帝国に一緒に連れて来たいなと思うのですが‥‥いいでしょうか?」


「マリンのいとこ?」


「はい。私と同い年の女の子で入試の時も、今年も、学園の成績は次席の子で、私の友人の一人です。」


「そうか。本人が来たいって言ったら連れて来ていいぞ。」


「本当ですか!?」


「ああ。マリンの友人なら信用できるだろ。‥‥貴族の子だよな?」


「はい。伯爵家の末っ子です。」


「まあ伯爵家ならいいか。‥‥マリン、その子には全属性の事とか話してるのか?」


「いえ。まだです。シリウス、リゲル、レグルス、ベネトさんには今年、帝国に来る前に話しましたので帰ったら話したいなと思ってます。」


「その子はマリンにとって信用できる子なのか?」


「はい。その子‥‥名前はフリージアといいます。普段はあだ名のリジアと呼んでます。リジアは私の親友であり理解者です。今まで話さなかったのが申し訳ないぐらいです。だから信用しかありません。」


「そうか。なら問題ない。‥‥‥まさかさっきのユカタの巻き添えの一人か?」


「正解です。陛下。リジアも巻き込むつもりです。リジアは学園で私と同じ家庭科をとってますので料理と裁縫もできるんです。」


「そうか。」


「ちなみに、浴衣はそれぞれ着方が違うだけで男女両方あるんです。なのでまず、私達女性陣の分から作ってみようかなと。」


「ということはいずれ男性陣のも作るつもりか?」


「要請があればと言いたいところですが、この着物というのは男女で着ると絵になる筈なんです。という訳でヒスイ兄様とフレイ兄様の分は来年必ず作り始めると思います。」


「「「そうなのか!?」」」


「え?なに?」


「いや、なにじゃないだろ‥‥。」


「ん?‥‥‥‥‥4人で並んでも絵にならないよ?」


「違うだろ‥‥。それぞれがマリンと2人で並んで絵になるかどうかだろ。」


「え?‥‥あ、そういうことか。まあどっちにしても男性陣は来年作り始めるから着れるのは再来年だね。」


「「「そうなのか‥‥」」」


「なるほど。マリンが楽しそうだった理由はこれか。」


「はい!もう作り始めるのが楽しみです。姉様達は寸法を測ってからじゃないとできませんしね。」


「じゃあ今朝の話はもう引き摺ってないな?」


「!‥‥はい。大丈夫ですよ。勿論無理もしてません。私は見ず知らずの冒険者の先輩達を送り出しただけですから。」


「‥‥‥そうだな‥‥‥大丈夫そうで安心した。」


「! ご心配、掛けてましたか?」


「マリンなら大丈夫だとは思ってたよ。確認だ。俺は依頼主だったからな。」


「そうですね。」


「それで、明日からどうするんだ?」


「まだ決めてないです。ただ今日4人共、私に付き合わせてしまったので、明日は4人に付き合うつもりではいます。」


「そうなのか?」


「うん。何かしたいことある?」


「「「「う~ん‥‥」」」」


「まあゆっくり考えたらいいさ。あと3日はいるんだろ?」


「はい。4人には私に付き合わせて申し訳ないですが。」


「いや。実際、付き合わされてる感覚はないぞ?」


「え?」


「最低でも5日は掛かる距離をマリンのお陰で一瞬だからな。」


「馬車に揺られながらマリンの心配をするより、待って一緒に帰る方が楽だし、早く安心できたからな。」


「えっと‥‥私、そんなにみんなを心配させたの?」


「いや。私は心配は半分であとはただ待っていたかっただけだな。」


「「俺も。」」


「ベネトさんはレグルスが待つならって感じでしたよね。」


「ああ。」


「あと3日か‥‥。あ、陛下。私、明日の朝食自分で作っていいですか?」


「ん?ああ。いいぞ?」


「マリン。あれか?」


「ん?ああ‥‥レグルスとベネトさんには前に作ったことがあったね。‥‥なんか無性に食べたくなってきたんだ。」


「じゃあ私の分も頼んでいいか?」


「俺も。」


「え?‥‥まあ、いっか。‥‥いいよ。1人分も3人分も変わらないし。」


「レグルス、何作ってもらったんだ?」


「えっと‥‥マリン。」


「フレンチトーストです。陛下。作り方はパンに味付けして焼くだけです。砂糖を入れるのでちょっと甘いですが。」


「「私も食べたい!」」


「え?皇后様とフローラ様もですか?」


「駄目かしら?」


「いえ‥‥去年もそうですが、素人の私の料理でよろしいのですか?」


「ええ。マリンが作ったのを食べたいの。」


「‥‥分かりました。」


「マリン。俺もマリンの作ったもの食べてみたい。」


「俺も。」


「俺も興味がある。作ってくれるか?」


「‥‥‥結局全員‥‥ということは8人分か‥‥あ。シリウスとリゲルはいいの?私が作ったやつで。料理人以外が作ったのは口にしたら駄目だとかないの?」


「料理人以外は駄目だというのはないから大丈夫だ。それに昼食、外だったじゃないか。」


「あ。そういえばそうだね。レグルスも皇族の皆様もシリウス達も料理人以外の人が作っても食べるならその内よからぬ人に命狙われますよ?」


「それは勿論分かってるし、気を付けている。マリンは大丈夫だと信じられるから頼んでるんだ。」


他の皆様も全員コクンと頷いた。


「それは嬉しいですね。‥‥ではちょっと調理場に行かないといけなくなりましたので、これで失礼しますね。」


「ああ。」


そして、マリンが出て行った後。


「マリンは材料の確認か?」


「いえ。父上、マリンは先程パンに味付けすると言っていたでしょう?前の日からパンを漬け込むそうです。」


「そんな事するのか?‥‥ところでレグルス、前に作ってもらったんだよな?いつ作ってもらったんだ?」


「私達の転校初日ですよ。その日の夕食と翌朝の朝食を作ってくれたんです。」


「ああ~料理人の手配違いが起きた時か。マリン家の屋敷の隣にして正解だったな。」


「はい。あの時は助かりました。私達が夕食にご飯料理が食べたいと我が儘を言ったのに、主菜がないからと屋敷に戻り、辺境伯様から許可を得て肉を持って来てまで作ってくれましたから。しかも夕食を作りながら翌朝の朝食の下準備までしていたんですよ。」


「それが今言ったパンを漬け込むってやつか?」


「ええ。そうです。」


「いいな‥‥レグルス。マリンの料理食べれて。」


「明日食べれるだろ?」


「そうなんだが‥‥」


「それなら昼食も作ってもらったらどうだ?明日はお前達4人に付き合うって言ってたし。」


「! それいいかもしれませんね。」


「「「「決定だな。」」」」


「他は?何するんだ?」


「そういえば今、父上がマリンが浄化した後の確認をしに行ってましたよね?」


「ベリト?ああ‥‥行ってるな。」


「‥‥‥殿下。マリンに頼んで乗り込んでみないか?」


「‥‥‥でも、魔物いますよね?」


「ああ。いるだろ。」


「でも楽しそうじゃないか?危なくなってもマリンがいれば逃げれるだろ?」


「いや、ベネト。マリンに頼り過ぎだろ。」


「でも俺はともかく、殿下達はこういう時じゃないと実戦訓練とかできないでしょう?経験をしておいて損はないのでは?」


「ああ、そういう考えか‥‥」


「なるほど。確かに経験をしておいて損はないですね。」


「マリンに頼んでみるか。」


「ああ。」


「‥‥‥行く気だな。‥‥‥俺も行こうかな‥‥」


「父上は駄目です!」「「「陛下は駄目です!」」」


「だよな‥‥」


「マリンはまだ調理場にいるだろうから行ってみるか。」


「そうですね。では父上、失礼します。」


「「「失礼します。」」」


◇◇◇◇◇


「は!?い、今なんと?」


「だから明日の昼食も作ってくれと。」


「いや、昼食は何か考えますから構いませんけど、そっちじゃなくて。‥‥今、私が浄化してきた森に行きたいとか言いませんでした?」


「言った。」


「ベネトさん、正気ですか?」


「勿論だ。」


4人揃って私がいた調理場に来たと思ったらこれだ。


「理由は?」


「実戦経験があっても損はないだろ?」


「本音は?」


「楽しそう。」


「はぁ~‥‥そんな事だろうと思いましたよ。それで、レグルス達3人も行きたいの?」


「「「ああ。」」」


そう言って頷いた3人の後ろ。そこには後からついてきていたのか、陛下がいたので私は視線を向けて問い掛けた。


「‥‥陛下。許可したんですか?」


「「「「え!?」」」」


そして4人は気付いてなかったらしく、勢いよく振り返っていた。


「気づいてなかったんだ‥‥。」


「確かに実戦経験はあって損はないだろ?」


「まあそうですけど‥‥ということは陛下は許可するおつもりですか?」


「ああ。マリンが一緒なら万が一は無いに等しいだろ?」


「‥‥‥私、みんなの護衛の為に冒険者になったわけじゃないですよ‥‥?」


「分かってるよ。‥‥駄目か?」


「う~ん。‥‥陛下が許可しちゃってますし、いいですよ。ただ、浄化した時は魔物に遭遇しなかったので、今もいないかもしれませんよ?」


「え?魔物、いなかったのか?」


「はい。浄化前もアンデッドだけでしたね。なので、あの周辺の魔素はアンデッド達に集まったのかもしれませんね。」


『‥‥‥』


「だから魔物いないかもしれませんが、それでも行きますか?」


「‥‥‥マリン。俺も連れて行ってくれないか?」


「え?」


「俺は元冒険者達が亡くなった場所を見ておきたいんだ。満足したら帰るから、頼む。」


「‥‥‥‥そういうことでしたらいいですよ。」


「ありがとな。マリン。」


「いえ。‥‥となると、結局5人連れて行くことになるんですか?」


「そうだな。」


「分かりました。‥‥それで、みんな。話を戻すけど、昼食で何か食べたいのある?」


「肉食べたいかな。」


「あ、じゃあワイバーンの肉を焼いてみる?」


『ワイバーン!?』


そう話していると、もちろんその場にいた料理長を始め、料理人達や陛下が反応した。


「あ、言ってませんでしたね。帝国に来る途中でワイバーンの集団が来たので返り討ちにしたんですよ。」


「マリン様!ワイバーンの肉を我々に買い取らせて頂けませんか?」


「え?‥‥まあ15匹はいたのでいいですよ。」


『ありがとうございます!』


「ということで、陛下。明日、解体を兵士さんに手伝って頂きたいのですがいいでしょうか?」


「ああ。伝えておこう。」


「ありがとうございます。‥‥では料理長、その時に来て頂けますか?」


「分かりました。」


こうして私は明日、レグルス達の2食分の食事を作ることと、魔物の森に行くことが決まった。


話の中ではですが、去年に比べてなかなか王国に帰らないですよね‥‥。

帝国に慣れて自由度が増してるからでしょうね‥‥。

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